13・新たな(間違った)戦い方
爽やかな風が吹き抜ける草原。
それは長閑で、喧騒とは無縁そうな場所でしたが、今のそこでは、ちょっとした惨状が生まれていました。
「キュイ……」ドン!
「ガルゥ……」バン!
「チキチ……」ズバン!
角を持った兎が、緑色の体毛を持った狼が、大きくて気持ち悪い芋虫が、出現すると同時に飛んできた砲弾に撃たれ、一撃で爆散していきます。
たまに砲弾が外れますが、間髪入れずに撃たれた次弾に当たり、やはり爆散していきます。
それは虐殺としか良い様がない有様でした。
まあそれをやっているのは、私なんですけど!
いやー、狩りって楽しいですね!
最初は一撃で終わるのちょっと物足りなかったんですけど、それが今はとっても楽しいです!無双っていいですね!
一撃で終わる上に大砲の射程距離が長いので、周囲の《索敵》で探れる範囲に現れるモンスターはサーチ&デストロイ!ができます。
そのおかげで種族レベルも職業レベルも上がり、今のステータスはこんな感じになっています。
名前:タマモ 種族:鬼人族・Lv7
職業:砲術士・Lv7
HP:108/108 MP:5/5 SP:85/120
腕力:29 体力:18 敏捷:16
知力:1 精神:3 器用:15
スキル:砲術Lv2・闘鬼化Lv1・索敵Lv2
所持BP:12
称号:異界の旅人・原初の旅人
レベルが6上がったので合計上昇値は12。それが腕力に5、体力に3、敏捷と器用に2ずつ分けられたみたいですね。
HP、MP、SPはそれぞれ体力、知力と精神、腕力と敏捷と器用、が上がることで付随して上がるので、直接的に数値は割り振られません。
ついでに、使い続けていたので《砲術》と《索敵》のレベルも上がっています。やったです。
それに、BPも12貯まっています。
今までもちょっと言っていましたが、BPは、レベルアップした時に貰えます。
これはレベルアップ時のステータス上昇とは別に、自分の意志で好きなステータスを上げたり、スキルを習得するのに使ったりできます。
が、これはもうちょっと温存しておきます。
今の所は特に問題と思えるようなことは起きていないですが、これから何か起こるとも限りませんので、その時に使いましょう。
「けど、ちょっと調子に乗って撃ちすぎました……」
もう砲弾が残り10発しかありません。
これは一度街に戻って砲弾を補充しなきゃいけないのですが。
「もうちょっと狩りしていたいですよね……」
狩りの楽しさを知ってしまった今、そうそう帰ることは出来ません!
これが、HPが危険値になってしまって死にそう!とかだったらすぐに帰るのですが、今は攻撃なんて一度も受けておらず、ピンピンしていますしね。
「じゃあどうしましょうかね?うーん、あ、そうです!」
すごく良いこと思いつきました!
《索敵》のおかげで見えるカーソルの方を注視すると、角ウサギがいました。
今までだったら砲弾を《リロード》して撃っていましたが今はそうせず、大砲を構えたまま全速力で角ウサギに接近します。
それに気づいた角ウサギは応戦しようと足に力を込めましたが……遅いです!
鬼人族の敏捷がそこそこ高めな上、【砲術士】で少し補正がかかり、レベルも7な私の方が圧倒的に速度は上!
角ウサギに十分に近付いたら、大砲を上に振り上げ……走る勢いのまま、思いっきり振り降ろします!
グシャ、という生々しい音と確かな手ごたえがあり、潰れた角ウサギはすぐさま光の塵となりました。
初めてきちんとこの手で生き物を殺しましたが、意外と何も感じませんね。
死んだらすぐ光の塵になるので、ゲーム感が強いのが理由でしょうか。
「それはともかく、思い通りに出来ました!」
古今東西、一番手軽な殺傷方法と言えば、刃物でも絞殺でも、ましてや銃器などではなく、鈍器を力いっぱい振り下ろすこと、です!
私は【砲術士】の効果のおかげで軽減されていますが、この【初心者の大砲】の本来の重量は300。
それを鬼人族の高い筋力で振り下せば、どんな敵も一発でKOできるはずです。
「これで、砲弾要らずの攻撃手段ができました!」
近場の敵はこれで倒し、遠くの敵は砲弾で倒す。
ふふ、これでもっと狩りができます。
虐殺、頑張りましょうか!!




