1・幸せと不思議
この作品は、他の方のVRMMO小説に感銘を受けて書き出しました。実際にMMOを遊んだ事は一度も無いので、人によってはおかしいと思う所があると思いますが、その時は感想にてお知らせ下さい。出来るだけ反映させます。
その他にも矛盾や誤字脱字などが多くあると思うので、そういう場合も感想下さい
幸福とは、幸せとは何か。
これは、決して答えが出ない問題の一つです。
ある人は、お金がたくさんな事だと言います。
愛情のある生活の事だと言う人もいます。
また、好きな仕事をしている時、みたいな事を言う人もいます。
幸せの形はみんな違うから、人の数だけ幸せの正体は存在します。
だからこそ、一つの答えには出来ないのです。
「ふわぁああ……いい天気だねー……」
そんな事を考えている私、鹿川玉藻は、学校の前庭で絶賛日向ぼっこの真っ只中です。
ポカポカとした日差しが降り注ぎ、二月だと言うのに、もうすっかり春の陽気になっています。
「これが、私にとっての幸せだよー……」
何か哲学的(?)な事を言っちゃった気がしますが、結局言いたかった事はそれだけです。
「それじゃー、この幸せを最大限噛みしめる為に、お昼寝でもしましょうかー。おやすみなさーい……」
「いや、寝るな!」
ガシッと両肩を掴まれたせいで、横になれません。ひどいです。
「ひどいよ、彩ちゃん。せっかくのお昼寝日和なのに……」
心の中で思った事を、もう一度、今度はこんな事をした親友に向かって、口に出して繰り返します。
「ひどいのはお前の方だろ!昼休みに話があるから教室で待ってて、って朝言っておいたのに、何の断りも無くこんな所に来て、そればかりか寝ようとしているんだぞ!」
「え、そうだっけ?」
「はぁ……お前のマイペースさには、本当に疲れる……」
そう言って頭を抱えているのが、私の幼馴染みであり、大親友の渡里彩ちゃんです。
運動神経抜群ですが、とある理由から部活に入ったりはしていません。けれど、頼まれると断れない優しい性格なので、助っ人として引っ張りだこです。
口調や態度は男勝りで、容姿も格好いい系ですが、実は趣味がすっごい乙女チックで、部屋は可愛い小物やぬいぐるみで埋め尽くされています。
それに、お化けやゾンビなんかが大の苦手で、間違ってホラー番組なんか見ちゃった時は、寝付ける様になるまで私に電話越しに慰められているんですよ?
ふふっ、可愛いですよねー。
「おい、今俺の事を侮辱しなかったか?」
「別にしてないですよ?」
「嘘は……吐いていない、か?けど、俺が思っている意味と、玉藻が思っている意味合いが違う場合があるからな……ぶつぶつ……」
あ、またこの状態になってしまいました。
彩ちゃんは、私と話している時、偶にこういう風になってしまうのです。
でも、そんな不思議な彩ちゃんも私は大好きですよ?
「……おい、玉藻。ブーメランって、知ってるか?」
彩ちゃんは私にジト目を向けながら、おかしな質問をしてきました。
「投げると戻ってくる、狩猟用の道具の事ですよね?」
「ああ、知っているなら別に良い」
……?彩ちゃんは、時々、本当に不思議です。
「それよりも、私の話を聞け!」
「あ、でも私、まだ昼ご飯食べてないんですよ。食べながらでいいですか?」
「……お前は、昼飯も食わずに寝ようとしていたのか?」
「そうですけど?」
お弁当を食べる前に寝て、起きてからご飯食べれば、今度は満腹になってもう一度寝れるんですから、一石二鳥になりますよね?
「ああ、うん。分かってはいたんだが……やっぱりお前、おかしいよな」
「彩ちゃんひどいです!」