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ロードオブ召喚獣  作者: 星村直樹
アルテミス城
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巨大な城

 魚人族は雑多で、巨魚族は、大きくなると20メートルになる。そのような海洋生物が、アルテミス城を行き来していたのだ。上物の城だけでも巨大で、ここを探査しようと思ったら、どこから手をつけていいのかわからなくなる。そう言うのは、ジオイドの人魚たちに任せればいい。


「オレらは、真っ直ぐ、地下迷宮の入り口に向かうぞ」


 ノーマとアリーシャが、ライトボードを広げて、アルテミス城の全体地図を出している。それの元情報は、アマゾネスたちなので、良く知っている内容だ。


「城はとても丈夫にできていますが、崩落の危険がないわけではないので、最初は、門から入ったほうがいいと思います」

「そうですね。海上側から攻めるのも一案ですが、まずは、城の状態確認です」


 アマゾネスたちが、地図を見ながら次々と攻略の提案をしていく。


「城の中は、安全なのですか」


「戦闘準備をしていたほうがいいでしょう。何が住み着いているかわかりません。ですから城の状態確認が、優先でしょうね」


 ミリアの一言で、方針は決まった。アマゾネス隊とミリアとヒロチームに分かれて、門からの2ルートを攻略することになった。目指すは、西側の見張り台がある塔。この中に、地下迷宮に繋がる入り口がある。


 アマゾネスたちは、城の外を進むコース。一度、見張り台の塔の前に、居住区があるが、以前通った事があるルート。脱出経路の確保も兼ねているので、3次元的に偵察する。


 ヒロ達は、城の中に入って行くコース。真っ直ぐ奥の玉座を目指さず、侍従や警備、メイドや雑務の人達が通っていたであろう通路を通る。通路の安全を確かめながら進む。ジオイドの人魚たちがここに入る前に危険度を確認するという目的もある。だから、途中の部屋も、覗いて行こうと思っている。


「安全確保ができたら、みんな戻ってきますから、ゆっくり進みましょう。皆さん、あまり私から離れないでくださいね」


「はーい」×2

 ぎゃう


 こいつら心配だなー、目から星が見える。ジャスト召喚だと、通常より目が大きくなるので余計そう感じる。


「あの部屋、ちっちゃいから人魚の部屋だよ」


 そう言って入ろうとしたノーマの足をつかんだ。


「ちょっとヒロ、離して」


「はいそこまで、ノーマは、おれの、水中ステータスアップをしているんだから、近くにいるように」

 今回は、こいつが一番どっかに行きそうだ。

「えーー」


「ノーマ、ヒロを頼むね」

 ぎゃう


「ノーマ、サーチ範囲を広げてくれ。アリーシャは、スキャンして、地図をより詳細にしてくれ」

「OK」

「了解」

 ぎゃう?

「ラヴィは、目視で、危険を察知してくれ。ミリアと一緒に行動するんだぞ」

 ぎゃうぎゃう


 最初の部屋は、ノーマの言う通り人魚の部屋だった。この通路は、人で言うと10階建ての高さが吹き抜けになっているような作り。人魚の部屋は、随分上まで階があるようだが、今回は、そこまでしない。


「シンプルな部屋だな」

「そうよ。下手にツボなんか置いたら、すぐタコが住みついちゃうでしょ」

「なるほど。部屋の中で、墨を吐かれたら大変だもんな」


 みんな海中だと浮く関係で、どの部屋も天井が高い。だから、十階建てだと言ったが、部屋数は5階分しかないだろう。


「そう言えば」

「なんだ?」

「ここの魚たちって、みんな普通のと比べて、サイズが大きくない?」

「そうね、倍とは言わないけど、みんな立派」


「ミリアさん、此処の魚たちって大きくないですか」


 ぎゃう?  二人が振り向いた。

「火山の恵みよ。海底火山って、ミネラルが豊富な熱水を出しているのよ。ここのプランクトンはとても発育がいいの。だから、魚たちも、大きく成長するのよ」


「ってことは、地下ダンジョンのエネミーって、普通より強いってことか」

「そうなるね。心配ご無用、私が付いているじゃない」


 ノーマが、嬉しそうにオレの背中をバンバン叩いてくる。


 やっぱりノーマの奴、調子に乗ってたか。多分、環境ボウナスで、いつもより強くなっているんだな。それに古の光宝は、氷属性だ。熱水もガードされれいるんだろうし。


 現在、熱に関しては、アリーシャが調整してくれている。


「ちょっといいかな、アリーシャ、熱に関するガードを外してくれ。代わりに、ノーマにはちょっと細かいんだけど、熱ステータス調整を古の光宝でやってみてくれ」


「この辺一帯が凍っちゃわないかな」


「もしできたら、MP効率が上がるだろ」


「やってみる」


「うわっ」

「きゃ」

 あたりに氷が浮かびだした。

「どうしたの?敵」

 ぎゃう

 ミリア達まで帰ってきた。


「すいません、ちょっと実験です。やっぱり難しいか?」


「相当練習しないと無理かも。でも、もっと水温が高いところだったらできそう」


「覚えておくよ。たぶんコツは、ステータス異常を治している感じと同じかな。ありがとう、アリーシャと代わってくれ」



 この水温変化騒ぎで、巨大タコが目を覚ました。上の階にいたようだ。通路を伝って、この階に降りてきた。


「みんな廊下に退避。狭いところだと分が悪い」


 全員外に出たところで、タコの足が伸びてきた。入り口や窓からいっぱい足が見える。


 ぎゃうギャオーン 〈どうする、戦う?〉

「部屋から出てこないんだから、ほっといていいんじゃないか」


「放っときましょう」


 みんな先に進むことにした。


 ラヴィは勘がいい。なんか嫌な予感がすると、オレに訴えてきた。オレは、「誰も警告音を鳴らさなかったんだから大丈夫だろ」と、ラヴィを慰めた。

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