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ロードオブ召喚獣  作者: 星村直樹
海の町にて
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海底の廃墟都市ウラヌス

 昼食も終わって、ミリア率いるアマゾネス達とウラヌスに出かけることになった。実際は、時差の関係で、ノーマ以外は、活動時間が、4時間ぐらいしかない。ヒロは、燐魚族のゲストハウスに泊めさせてもらうことになった。今日は城の入り口まで。明日は、城の中という感じだ。ノーマ達は、みんなマイアの家でバトル召喚された。召喚獣を初めて見る燐魚族たちにちやほやされながらの出発となった。


 海底廃墟都市ウラヌス


 ずいぶん前に打ち捨てられた町。人口1000万人を誇っていた都である。海底火山の活動のため、都市の中央部分は、壊滅。周りも、ガスや、温水が噴出していてとても危険な所だ。現在中央部は、せりあがって来ていていて、いつまた噴火するかわからない状態だ。


 この、ウラヌスの東側に転生者の町が出現した。東側は、甲殻族がたくさん住んでいた地区。住居の中には、鱗魚族がウラヌスシェルと呼んでいる貝殻の形をした黒真珠のような宝があり、これが、弱い回復効果を持っている。甲殻族の始祖の能力は、浄化と回復で、その片鱗がここに埋まっていた。


 中央には人魚が住んでいたが壊滅している。ウラヌスの王宮は、南側のエリシウム島に一番近いところに有ったので無事だったが、燐魚族の住まいのように、その地下が、メインの王宮で、建て増し建て増しして作られていたため迷宮化している。


 アルテミス城に住んでいた海王は、水陸両棲であったため、地下迷宮の重要部分は、空気が有り海上と変わらない環境だった。今回見つかった隠し通路は、城の奥中央になるので、そこに通じている可能性が高い。下手にここを開けると、海水が流れ込んで、アルテミス遺跡をダメにするかもしれないと、燐魚族のミリアが言う。ジオイドの知的系ギルド、MSIとガクガッカイも同じ見解。


 ヒロ達は、マイアが見つけた迷宮に接しているであろう入り口を使うことにしている。


 ウラヌスは、都市の中央に行くほど水温が高い。しかし、アルテミス城は、それほどでもない。それでも、ところによっては、水温が45°ある。低いところでも、31°ある。アリーシャのサポート無しでは長時間滞在できない。


 ヒロが、3人の召喚獣をバトル召喚して、能力を全開にして戦った場合。2時間半で、MPが切れる。ジオイドで、MP回復薬をかき集めてもらっているので補充すればいいだけだが、これは、貴重品だ。何があるかわからないので、最初は、MP消費効率の高いジャスト召喚で、全員召喚された。ラヴィ達は、燐魚族の前に、マスコットのような可愛い召喚獣になって表れた。


「ノーマ、アリーシャ、ラヴィ、ジャスト召喚」


 ノーマがシャボンと共に、アリーシャが新緑の葉っぱとともに、ラヴィが炎のエフェクトとともに現れた。このぬいぐるみみたいな召喚獣に燐魚族が殺到した。みんな女子なので、可愛いものに目がない。それは、族長のマイアも変わらない。


「みんな可愛いわ。ボウはいる」

「ここに」

「海綿で、彼女たちを模倣できないかしら」

「宝石部分を赤サンゴや緑サンゴにしてよろしいですか。それでしたら大量に作れます」

「いいわね、許可します」

 燐魚族は、全員女子。みんな大喜びしている。


「ヒロさん、みなさん。ちょっとそのままでいてくださいね。ボウに、ホログラム映像を撮ってもらいますから」


 みんなニコニコで映る。ついでに、ヒロも撮られた。ノーマは、まさに水を得た魚で、ヒロのポケットちゃぷちゃぷに収まらない。嬉しそうに泳いでいる。


 ノーマは、足が魚。胸は、貝殻のブラ。長くて青いブルーの髪をしている。耳には、古の光宝。氷の様なイヤリングが輝いている。

 アリーヤは、透明な羽の生えた妖精の姿。海の中では、クリオネの様な光る分厚い羽根に変わる。額に有る宝石のようにキラキラする第3の目が特徴。

 ラヴィは、火竜なのだが、海の中では、羽がないに等しく、ちょっとずんぐりしている。しかし、ノーマやアリーシャより一回り大きく、額にティアラ。胸には、赤い砂漠の秘宝が輝いている。



 燐魚族のお姉さん達に見送られてウラヌスの町に入ることになった。今回は、町の西側を案内してもらう。ミリアに、6人のアマゾネスが付いて来てくれた。


 ウラヌスの西側の町は、巨魚族や水竜族と言った大型の魚人が住んでいたので、建物が巨大だ。その中でも、巨魚族の住まいが完全に残っているということで案内してもらった。ウラヌスの西端は、東端と同じで穏やかだ。


 巨魚族のねぐらには、人の大きさもあるクッションのような透明なクラゲが、たくさん積み重なるように生息していた。


「これは、全部ミトよ。ちょっと触ってみて、温かいでしょう。巨魚族はみんなこの上で寝るのよ」


「あんなに大きい人たちが乗っても、潰れないんだ」

 ノーマが、ミトをぷにぷに触りだした。


 ぎゃぎゃう〈大人しいね〉

 ラヴィは、寝心地を確かめる。

「サーチしてもクラゲ種って出るわ。みんな透明なんだけど、ちょっとずつ色が違うね」


「いいところに気づいたわねアリーシャ。みんな薄っすら光っているでしょう。この中に、黄金に輝くキングミトがいるのよ。もし見つけたら、幸せになれるって言われているわ」


「本当!」

 これを聞いた3匹の召喚獣が、キングミトを探し出した。


「この後、水竜のねぐらにもいくんだ。そこにも、お宝があるかもしれないぞ」

 このまま放っておくと、何時間でもここに居そうなので、ヒロが、三人の気をそらした。


「水竜のお宝だったらすごいかもしれないね」

 ぎゃうん〈竜玉!〉

「それは、ないわよ」


 3人が戻ってきた。まだこの辺りは、ハイキング気分でいられる。



 巨魚族のねぐらが建物なのに対して、水竜の寝床は、穴倉といった感じだ。でも、入ると火山の噴火の時の地震の性なのか天井が無くて、光が入っていた。ここにも、お宝があった。海マナ藻が群生していた。


 竜族は、マナ藻が大好物だ。ラヴィは、生でちょっと食べて、それを確認した。


 ぎゃうぎゃうぎゃう、がっがっ、ぎゃうぎゃう


「分かった。ギルマスに栽培して貰うように言う」

「先に、ミリアさんに断ろうよ。ヒロが言って」


「ミリアさんたちは、これを食べたことがありますか?」


「無いわ、美味しいの?」


「海苔の巨大版だと思っていいです。おれは、加工しないと食べにくいですが、竜族は生でがつがつ食べます。一度試してみてください」


 ぎゃうぎゃう


「分かったよ。ラヴィが、この、海マナ藻を栽培したいそうです。アリーシャが入っているギルドは、商社ギルドです。海マナ藻が栽培できるか調査させてください」


「海苔みたいな味がするのね。ちょっと食べてみようかしら」


「マナ藻は、完全補完食品なんですよ」

「ここだと、そんなに水温が高くないので、相当の範囲で栽培できると思います」 

 ぎゃう


 周りを警戒していたアマゾネスたちも呼んで試食することになった。警戒は、ヒロが交代する。


「あら、美味しい」

「美味しい」

「美味しいです」


 みんな、口々に美味しいと、大好評になった。ラヴィが胸を張る。


 大きな収穫を得て、ウラヌスの視察を終えた一行は、一路アルテミス城を目指すことになった。今日は、ここまでで引き上げる。



「すごいな」


 地下が広いと聞いていたので、あまり大きな建物だとは思っていなかったヒロ達。のけぞるように、アルテミス城を見上げた。


「来賓来客もすごかったのよ。竜宮城に負けない城だったわ」


 ウラヌス海底都市の繁栄を忍ばせる城だった。


 そうしているうちにブルーシャークがやって来た。どうやら、ここは、彼ら縄張りのようだ。此処には、何回も来るので、彼らと戦闘したくない。城の中に入ると、今日は短時間しかいないため、出るとき戦闘になりそうなので早々に引き上げることにした。


 ヒロは、燐魚族ほど速く泳げない。ノーマをジャスト召喚しているので、水中スキルは上がっているが、全く敵わないので、アマゾネス二人に抱えてもらって、この場を去った。明日は、いよいよ、城の中を探査する。

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