硝石ネズミ
全員集合した。
メイドたちとホップは、クコの実集めをしていた。大量に採取したため、カエラが、飛んで、リナの屋敷に持ち帰っていた。おかげで、マナ藻を食べ損ねた。
「えーー、私も呼んでくださいよ。マナ藻を食べ放題だなんて、羨ましすぎる」
竜人は、みんなマナ藻が大好きだ。
「俺が、いっぱい保存しているぞ。旅人の酒場にお礼のつもりで、大目に採取したから、後で、ショウちゃんに料理してもらおう」
ファングは、気の利く人なのだ。
「嬉しい。ハイネ、ありがとう」
「なぜ、ハイネ?」
「いいの、早くレベルを上げて、調理スキルを戻してね」
ファングのサブ職業は、調理師。これで、ハイネとよくお茶していた。
3人は、マナ藻の群生地をくぐって、生で食べまくっていた。オレは、ちょっと生で食べる気はしなかった。マナ藻は、岩海苔の巨大な藻という感じ。つまり、調理したり、海苔にするとおいしくい食べられると思う。そう、ラヴィに話していたら、ファングが、アイテムスロットを1つ奮発して、マナ藻を収納してくれた。
全員集合したので、ラヴィを素の状態に戻す。
水竜たちが、大勢見送りに来てくれた。これから水晶洞に挑む。
「気いつけてな」
「帰りも寄ってくださいね」
みくまり様達は、クリスタルソードの抜刀が見れて上機嫌。いつでも来いという感じだ。みんなで、手を振ってわかれた。
全員、各々のスキルや魔法やアイテムを使って、ジャンプする。ミラ湖から、今度は、東側のデューン山を目指す。ここに水晶洞がある。ここは、エネミーが少なく、手つかずの自然が広がっている。土竜たちは地下に住んでいるのだが、何をしているのかよく暴れて、地震を起こす。それで、地上にエネミーが少ない。ここに有る青海という青い湖の上流に谷があり、この一角に水晶洞の入り口がある。
今日のラヴィは古の巫女スタイル。白地に赤の体に密着した、つやつやしたスーツ。バイオエレクトリック系のスーツで、ずっと浄化してくれる。
カエラは、ミニスカートに、ノーマからもらったチョッキ。下にスパッツをはいて、女の子らしさを演出している。カエラは、同年代の男子より強い。それはいいのだが、女に見られないのは、嫌で、常に気を使っている。
サファイは、エルフのバトルスーツ。羽衣が、たまに宙を舞っている。
マーナは、魚人族の鱗を多用した戦闘服。鱗のキラキラをできるだけ抑えたシックなデザインになっている。偶に暗緑色の光沢がきらりと光る。
この4人とホップがパーティを組んで、水晶洞に突入した。ヒロは、ハイネの護衛。ハイネとファングとパーティを組んでいる。ラヴィ達には、たまにこっちにもエネミーを回してくれよと言っている。水晶洞のエネミーは、Lv30前後。ちょっとした参戦は必要だが、これを倒すと、パーティ仲間のファングとハイネにバトルポイントが反映し、Lvが急激に上がる。二人は、転生者を代表するような人。Lvを早く上げたい。
ずっと野良だったヒロと違い、レイド戦をさせたら二人のリーダーシップに敵う者はいない。最終ボスは、いつもギルド、ブルーブルが最初に制覇している。
ハイネとファングは水晶洞に入って、エネミー分析を始めた。ヒロは、クラフターなので、相手の力量を勘で悟るが、二人は、話し合いながら分析を進めていく。それをホットラインでやっているので、ヒロには聞こえない。ハイネが気を使って、たまにヒロにも解説した。
ラヴィとホップが前衛。カエラもそうなのだが、ラヴィ優先なので、中継で、ラヴィの指導をしている。マーナが、中継と後衛。サファイが、後衛から、全体の指示出しをしている。戦闘の時は敬称略。
「ラヴィ、お腹を狙うのよ。ホップ、吹き飛ばしで、ひっくり返して」
ガオン
「了解」
チュチューー
「やっ!」
「あれは、硝石ネズミね」
「ハリネズミと一緒さ」
「光属性ぽいですね」
「そうなんだが、こいつは臭気を出すと思うぞ。早く仕留めた方がよさそうだな」
「こういう狭いところじゃーね」
二人とも、初見でよく分かるな
バフン
「くっさー」
「逃がしたら駄目よ。仲間を呼ぶわ」 サファイが、まずいと指示を出す。
「サファイ、吹き飛ばして。目に染みる」
結構苦戦している。
カエラが、中継から雷玉丈で、硝石ネズミに雷撃を食らわして足止めをする。
「雷撃。今よ」
ガオン
「ラウンドストライク」
ラウンドストライクは、前転して、踵落としするヒロの得意技。ラヴィも相性が良いので、多用している。
ガツン
チュー・・・。
「やっぱり、打撃だとお腹ね」
「すごいな、硝石ネズミをひっくり返すなんて、畳返しみたいな業だ」
「やるな、ホップ」
「多分これからだぞ。ヒロも楯を出しといたほうがいいぞ」
「そうですね、こっちにも、仕事が回って来そうです」
匂いが合図なのだろう。大量に、硝石ネズミがやって来た。
チュチュー、チュチュー、チュチュー、チュチュー、チュチュー。
ラヴィ達は、この量の硝石ネズミに、おならを放れたら大変と、全力モードになった。
それに対して、軍団の様に対抗する硝石ネズミたち。背中の針を立てて、飛びかかってくる。それをマーナが、地面に重力圧で、たたきつけ、ホップがモグラたたきのように、お腹を仰向けにし、それをカエラとラヴィが叩いて回る。その攻防のすきを衝いて飛びかかる硝石ネズミは、サファイが、風魔法のフウで、吹き飛ばす。
「手慣れたものね」
「いいんじゃないか」
「ごめんなさい、一匹抜けました」
「任せろ」
ファングが、飛びかかってきた硝石ネズミをアックスで、叩き落す。そこにハイネが、殴りかかる。
「土粉砕」 硝石ネズミを地面に張り付けた。
ギピーー
バスッ
二人ともまだ力不足だが、よく、やっている。ヒロは、これを剣撃で、切り倒した。これだけで、二人ともLvが一つ上がる。だが、二人とも、全く喜びを表さない。なぜなら、ロードオブ召喚獣というのは、Lv20までは、そこそこ早くレベルが上がるのだ。しかし、Lv20を越えると急にレベルアップしなくなる。まだまだ、序の口なのだ。
「守り全力なんて、レイドボスと戦っているみたいね」
「そうだな」
二人とも、楽しそうだ。今回の狙いは、Lv20になることだ。そうすれば、使えるスキルも出てくる。
「無理しないでくださいよ」
ヒロは、後ろの守りを固めているため、最後衛にいる。自然と、二人が、こぼれたエネミーの防御することになる。
「こいつ、アギラスの子供みたいだよな」
「針が水晶だもの、そうかもしれないわ」
「弱点は、分かりますか?」
BOS戦に備えたいヒロ。
「分からないが、ネズミタイプにしては、大きくないか。体長60から80センチもある。BOSは、やばい相手かもしれないぞ」
「今のうちに、アリーシャと、ノーマにも連絡しといたほうがいいわ。それと、ラヴィ達に、弱点を探ってって言って。大量に倒しているとわかることもあるのよ」
「了解」
しかし、ラヴィたちは、それどころではない。ほとんど倒したところで、硝石ネズミが、全員、おならを放って遁走したため。パニックに陥っていた。
「サファイー」
「サファイ何とかして」
ギァウン
マーナは、自分に水防壁を作ってやり過ごす。
「フウ、キョウフウ」
サファイが、おならを前方に吹き飛ばした。当分前に進めそうにない。これを見たヒロが、ハイネの言う通りアリーシャ達が必要だと思う。
「みんな大丈夫か」
「なんとか」
「ステータス異常は、ありません」
がぉー
水晶洞の奥に入って行くたびに、硝石ネズミの攻撃が波状のように来る。まず、BOS戦に関係があると思う。
ここには、キノコモンスターや。コウモリモンスターなど、ダンジョンらしいモンスターがいっぱい出てくる。多分ここ最近は、水晶洞を訪ねる人がいなかったのだと思う。




