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ロードオブ召喚獣  作者: 星村直樹
みくまり様のゆうつ
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ギルドブルーブル ファングとハイネ

 現在、一番の懸案は、土竜の幼生体保護だ。土竜の幼生体は、人形で、土の中で、裸で眠っている。この時期の彼らに、シン耐性はない。もし、この時期、シンに侵されたら、土竜のシンが生まれてしまう。竜族というだけ強いのに、その上シンになり、更に仲間を増やすようなことがあったら、それこそ、惑星が絶滅する。転生者たちは、ライトボードで、無理やり叩き起こして、ムタンのお守りを持たせたのだが、現地の土竜の幼生体が何処にいるのかわからない。そこで、土竜に転生した人に、無理言って付き添ってもらい、土竜王に謁見して、幼生体の数と眠っている場所を教えてもらうことになった。


 土竜王は、水晶洞というダンジョンの奥深くにいて、テレパシーが通じない。色々と説明をしなくてはいけないし、転移者の話もしないといけない。


 水竜王がいる竜宮城に、子供を預けている土竜の親御さんには、事情を話したのだが、土竜王の要請で、ヒロが直接話しに行くことになった。


 なのに、水晶洞は、ダンジョン。実力を示せということらしい。


「すまんな。あ奴、ラヴィに会いたいくせして、こんなことをしよる」と、水竜王に謝られた。土竜王も水竜王と同じぐらい老齢。水竜王の親友である。



 とりあえず、雷竜の町グランの旅人の酒場で、土竜転生者と会うことになった。ラヴィは、3人のメイドとホップを行水させると言ってリナの屋敷に向かった。これをホップが嫌がるものだから、大きいし、大仕事になるらしい。


 ノーマとアリーシャは、人魚の転生者の町ジオイドで、アイテム関係の作業中。今回は、ラヴィたちと、その土竜転生者とパーティーを組むことになっている。



 旅人の酒場に行くと、雷龍に転生していた、ギルド、ブルーブルのギルドマスター、ファングが手ぐすね引いて待っていた。どうやら、今回付き合ってくれるハイネさんの護衛で、ついて来る気らしい。ハイネさんも、ギルド、ブルーブルのメンバー。


「いらっしゃい。ラヴィは?」

 出迎えてくれたのは、旅人の酒場の女亭主リナ。

「ホップの水浴びです」

「大変だねぇ。ほら、二人が待ってるわ。たぶん、ハイネは、人形以上にならないわね」


「そうなんですか?」


「彼が、雷竜になったでしょう。それも、先に成体になりそうじゃない。そういう時って、女が合わせるものなのよ」


「はぁ・」


「まあいいわ。その話は、後でね」

 そう言って、カウンターにいる二人の所に連れて行かれた。


 二人は立って出迎えてくれた。ファングには、両手で、握手された。


「君が、ヒロ君か。以前から会いたかったんだ」

「ハイネです」

 二人とも、ニコニコだ。理由は、リナがさっき言ったこと。二人とも人形のままだと言われたからだ。


「ヒロです。ファングさんって、もっと怖い人かと思いました」


「斧使いのバーサーカーか? これからなるさ」

「だめよ。結婚が先」


 ファングは、雷竜人。身長が2メートルある。対してハイネは、土竜人ドワーフ身長が、1.4メートルしかない。転生する前のリアルでも凸凹コンビだったが、パグーに来て更にそうなった。


「そうなんですか!」


「元々、そうだったんだよ。まさか、異世界で、結婚することになるとは思わなかったがな」


「私とゼオが、後見人よ」


「お願いします」

「そういうわけだから、俺も水晶洞に同行するぞ」


 なんだか、いろいろ話ができているらしい。


「水晶洞のエネミーは、Lv30前後です。守りに徹してください。自分が付きますけど、何かあったらハイネさんを守ってください」


 今回、ラヴィは、召喚獣ではなく、素の状態で、水晶洞に臨む。3人のメイドもラヴィについてくる。結構な大所帯になった。


「任せろ」


「それと、土竜王が勝手に、試練の間を作ったんです。恐竜型エネミーのアギラスがいるそうです」


「地底怪獣の!」


「その時は、パーティから外しますね。惑星サガだと、Lv60ぐらいだったと思いますが、ここは、竜惑星パグーです。経験から言って、レベル上だと思います。エルフの始祖様に作っていただいた幻想獣なので、倒していいんですけど。ロードオブ召喚獣は、バージョンアップしてからこの世界に来たでしょう。どんな攻撃をしてくるか、わかりません」


「仕方ないか。レインボウバブルを撃ってくるしな」

 レインボウバブルは、アギラスの大技。広範囲攻撃で、BOS部屋いっぱいに広がる光のバブルがはじけると、衝撃波の強攻撃が来る。殆ど逃げ場は無く、盾役の陰に隠れることになる。


 パーティを組んでいたら、参加するだけで、レベルが上がる。しかし、時間のかかるBOS戦になると、難しい。まず、その部屋に入らないといけないし、パーティーを組んでいるために、BOSに狙われてしまう。今だと、低レベルの二人は、瞬殺されてしまうことだろう。


「行くのは、明日でしょう。食事をしていくかい。二人をホップに会せるんだろ。二人ともうちに泊まってもらうからゆっくりできるよ」


「ショーちゃんのハンバーグが食いたいです」


「ショウちゃん、ヒロが、ハンバーグだって」

「あいよ」

 奥の厨房から、シェフのショーちゃんが、嬉しそうに大声をあげた。ハンバーグは、ラヴィも大好物。


 ファングとハイネとは、今までの経緯や、人魚と、エルフの転生者の町の話になった。




 その頃ラヴィは、ホップと格闘中。ホップをメイドたちと洗っている。メイドのカエラは、雷竜で、空を飛ぶことができる。カエラが、背中。水魔法が得意な人魚のマーナが水。エルフのサファイとラヴィが胴体。ブローは、風魔法が得意なサファイの役目。


 アオーーーーーン

「ちょっと、ホップ、大人しくして」

「耳に水が入らないか心配なのよ」

「マーナ、ホップの上に特大なのお願い」


 ガウッ?

「ホップー」

 逃げようとするホップをラヴィが睨む。

「みんなずぶぬれで頑張っているのよ」

 あぅ!


 ホップにも苦手なものがある。故郷のシシガーの森には、浄化作用があったので、あまり水浴びをしなくてよかった。しかし、平地に降りたのだ。故郷と同じというわけにはいかない。


 トプンと、極大の水玉が、ホップに落ちた。このヒヤッとする感じが、嫌みたいで、逃げようとする。それをラヴィが抑えて、他の3人がホップを洗う



「おいおい、美女4人が台無しだな」


「ハチ!」×4

 くぅん


 ノーマに作ってもらった、ちょっと渋めの赤いチョッキを着たハチがやって来た。


「ホップ、諦めろ。土龍王に謁見するんだ。臭いままってわけにいかないだろ」


 ハチもボディランゲージしているが、ラヴィが、通訳するので、ホップにダイレクトに伝わる。


 くぅん、くぅん

「分かっているけど嫌いだって」


「ははっ、前言ってた非常食をかっぱらって来たぞ。クコの実だ。これで、水晶洞制覇は、間違いなしだ」


「ちょっと、みくまり様に断ったんでしょうね」

 カエラが腕組みする。


「そんなことしたら、クコの実がうまくないだろ」


「相変わらずね」


 みくまり様は、淡水の水龍。雨を降らす龍神様だ。みくまり様は、ミラ湖に住んでいる。ミラ湖は、カナン山の六山の一つ、南東側のミラ山の南西側にある。グランの町から近い。このミラ湖から伸びているミラ川の下流一体にクコの木が群生している。この木を丹念に育てているのが、みくまり様だ。

 ハチは、このクコの実を盗み食いする常習犯で、みくまり様には、ガラッパチと呼ばれている。


「今度、おじいちゃんと、お礼を言いに行く」

「私も行きます」

 ラヴィは、嬉しそうだ。カエラは、子供のころ、ハチと盗み食いして、ものすごく怒られているので、実は、びくびくしている。


 クコの実は、最高の携帯食だ。今回、BOS戦以外は、ラヴィと3人のメイド、それに、ホップのパーティが、水晶洞に挑む。BOS戦は、レベル違いなので、ヒロとラヴィだけが挑むことになる。



 ホップが、ぶるぶるっとして、体についた水を吹き飛ばした。サファイが、風の魔法で、ブロウする。それで、ホップは自分の小屋に、4人とハチは屋敷に引き上げた。そろそろ、ヒロが、ファングとハイネを連れて戻ってくる。ここで、夕食と打ち合わせになる。メイドたちとしては、何とかBOS戦に参加したい。一応、ハチが後押ししてくれることになった。

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