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ロードオブ召喚獣  作者: 星村直樹
火海牛ムロ
73/148

召喚獣の癒し

 ヒロ達は、レベルが大幅にアップした。

 ヒロと、ラヴィは、レベル104に、ノーマが80、アリーシャが71と、普通では、考えられないレベルアップを果たした。


 アイテムも抱えきれないほどドロップした。

 嬉しいことに、枯渇していた海露結晶が大量にドロップ。その他、雷結晶、炎結晶、光結晶も、大量にドロップした。更に、浮遊石、飛翔石もドロップ。ヒロは、当分移動に困らないだろう。


 ヒロには、バチスという、大鎌の武器が落ちた。1枚に見える刃は2枚刃で、鎌で相手をひっかけることが出来ると、もう一枚の刃が、更に食い込んで切り裂くという、容赦ない武器だ。ヒロの戦闘スタイルと合わないので、使わないだろうが、攻撃力がブラックソードの1.4倍もあり、自分用にクラフト出来ないか、ずっと考えることになる。防具も落ちた、金剛の盾だ。これは、ライトセーバーを楯のようにした第一形態変化、ディープベースの2倍の強度。盾と剣を使うというのも、ヒロのバトルスタイルと合わない。でも、気になってしょうがない防具。結局、どちらもクラフト素材にすることになる。


 ノーマには、服の素材、錦綿が大量にドロップした。それも、金、銀と赤色の素材。これは、通常の品物ではない。ヒロが、ウラヌス王宮に挑む時の、高重力の場に耐える服の素材だと後にわかる。その服を作るために、クラフターのヒロと共同作業することになる。ノーマは、父親に、今回のご褒美だと言って、ヒロと同じ素材の服を作って贈っている。更に、ヒロの依頼で、この件の主要メンバーだったゼオ、バロン、擬態時の龍王、エルフ王にも服が贈られた。錦綿は、貴重なものだが、それほど大量にドロップした。ゼオは、戦闘時、ずっと裸同然だった。普段もそんな感じだったが、この服を常に着るようになる。それで、奥さんのリナに惚れ直された。


 アリーシャには、緑慧という、緑の宝石がドロップした。後に、ヒロにネックレスにしてもらう。緑慧は、巨大な浮遊石で、これを所持したことにより、アリーシャは、風属性の魔法以外に重力魔法が使えるようになった。主に浮かせるほうで、重圧をかけるのは苦手。


 ラヴィには、何もドロップしなかった。最初、みんなを羨ましがり、がっくりしていたが、のちに、緑の宝珠がレベルアップしていることが分かった。同じワホイを撃っても、回復力が、倍になっていた。同様に、砂漠の秘宝にも変化があった。砂漠の秘宝には、溶火の勾玉が、癒着しており、攻撃力が、1.5倍になっただけでなく。溶岩流という、炎ではなく、溶岩のような物理的に重い火炎を撃つことが出来るようになっていた。



 さて、惑星パグーの戦士たちにも、良いものがドロップした。ムロの貝殻のような炭である。炭だが、硬質化してウラヌスシェルのようになっていた。ムロの回復効果が、弱くではあるが残っており、このムロの炭、ムタンのおかげで、シン対策が一挙に進むことになる。



 ビーの映像配信によって、この場にいる全兵士に、ムロの成り行きが伝わった。水龍族長の丹人が、テレパシーで、全兵士の感情をおおざっぱに確認したところ、大方、龍王の判断を支持。それを受けた龍王が、終戦宣言をした。


「全員成り行きは見たな。ムロは、無害になった。ムロのことは、バロンに任せる。我々の完全勝利だ」


 これを聞き、全兵士が、歓声を上げた。大人しいエルフ達でさえそうなった。


「アリーシャは、負傷兵を癒せるぞ。負傷した者全員をタオ草原の中央に集めてもらいたい。そして、全員、ここに集まれ。ノーマが、全員を回復してくれる」


 これを聞いたエルフが、負傷兵全員をタオ草原の中央に連れて来た。更に、将軍たちの指示により、全員がタオ草原の中央に集まった。


「婿殿、頼む」


 龍王に促されたヒロは、アリーシャとノーマに指示した。ノーマとは、粋な打ち合わせが出来ていて、みんな笑顔になる。



「アリーシャ、癒しの歌。ノーマ、タイダルウエーブ」


 ずっと薄く光っている状態を維持していた二人。アリーシャに、鮮明な緑の葉っぱが大量に舞う。そして、ノーマに、大量のシャボンが起った。


 アリーシャが、祈るポーズをして、まぶしく光る。緑の柔らかい葉が、風に舞い、以前より巨大な姿で現れた。


 黄緑になった長い髪が風になびいて、髪飾りの草冠から、黄緑の光が発光した。


 風と共に歩もう

 光と共に歩もう

 収穫は満たされ

 人々は、歌う


 癒しの歌が始まった。これから、3分間、敵も味方も徐々に癒される。シンや、シンの結晶核は、更に攻撃され、浸食した者は、シンから癒される。



 ノーマに、シャボンが集まりパーッと大きく広がった。ノーマは、地上にいるアリーシャより高度を取って巨大化した。全身が輝きだし、顔をふぁっと上げる。その時、七色に光彩をにじませていた髪が、虹色に光りだし、水中で、浮遊しているかのように浮かぶ。


「タイダルウエーブ」


 ここにいる全員のHPが、MAXになり、ステータス異常も正常化する。


 ノーマは、タイダルウエーブをこのタオ草原の上空に向かって放った。大量に放ったシャボンは、このタオ草原いっぱいに広がり霧となる。


 タオ草原の上空に、大きな虹がかかった。人々は、それを見て、心も癒された。



「皆の者、ご苦労であった。飛翔隊、羽ばたいてよいぞ」

 龍王の慰労に、全員、今一度、歓声を上げた。この虹の中を気持ちよさそうに泳ぐ水龍と、飛翔するワイバーン達。まだ巨大化したままのノーマとアリーシャの周りを回る。


 ヒロは、この光景を目に焼き付けた。


「ヒロ、私達も行こう。ね、おじいちゃん」


 ゼオが、ニカッと笑う。


「いや、オレは・・」

 そう返答する間もなく、ゼオが、ヒロを抱えた。

 ドンと、上空に飛ぶ三人。空を飛べる雷竜たちがそれを追う。龍王が、それを見て、大笑いして、後を追った。それを見た、羽のあるエルフ達もそうした。


 エルフ王は、アリーシャのさまを見て満足。海王も、ノーマのさまを見て満足した。


 多くの飛べない兵士たちも、ワイバーンに誘われ、その背中に乗った。



 ハガラ将軍が、後に、この光景を歌にしている。


 飛翔龍、海の人を連れて天に昇らん

 美しい羽のエルフも虹の中に、癒しの歌と共に昇る



 世界樹の聖戦士たちも、このバカ騒ぎに参加した。多くの者がそうする中、戦死者を弔っていた、ワイバーン飛翔隊最古参のサラマンダー将軍と、甲殻族のガイ、神官のイルマに、ムシキングが、「戦士たちの苦労は報われた」と、遺労の言葉を送った。後に行われた盛大な葬送とは別に、個々の弔いも行われ、その式に参加できないジオイドの人魚達の依頼で、ヒロ達は、その一つ一つの式に参加することになる。

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