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ロードオブ召喚獣  作者: 星村直樹
火海牛ムロ
63/148

開戦

 空に虹がかかった。エルフの始祖ベロニカが、結界を解こうとしているのだ。それを受けて、バベルの塔にいるエルフたちが、重力障壁を築く。バベルの塔を守るための結界を張るまでの時間稼ぎだ。龍王は、バベルの塔の南に前進した。


 タオ草原の中央に、大きな光るバブルが現れた。中に巨大な影がうごめいている。その、光るバブルが消えた。ドンという、音とおもに、地響きが起こる。


 ワオーアーーーン


 間延びした、雄たけびが、タオ草原に響いた。ムロだ。キャゴー、キチキチキチという叫びともつかない声を空中で発しているのは、2匹の飛びムカデ。異様な雄たけびに、一同が、フリーズしている中で、バロン将軍の号令が発せられた。


「突撃!」


 中央を走るのは、もちろん、ヒロ、ゼオ、アギトだ。これより相当遅れて、中央軍は進む。しかし、空のヒューガ将軍たちは、飛びムカデに急襲するべく高くとっていた高度から、滑空する。雷竜人と甲殻族の混成部隊は、左右に隊形を展開すべく突撃した。ヒロ達の突撃以外は、凹陣形になる。



 ヒロは、ホップに乗って、ムロの弱点をライトボードでサーチしていた。弱点は、火とある。ムロの海綿体が大量に海水を保有しているのなら、考えられることだ。3人の中で、テレパシーの強いゼオに叫ぶ。


「ムロの弱点は、火だ」

「何だって、おかしいだろ」

「ムロの海綿体が大量に海水を保有しているのなら、考えられる。アリーシャもエルフに伝えてくれ」


 ゼオが龍王に、アリーシャが、後方に控えている神官のイルマに、ヒロの言葉をそのまま伝える。これを受けた龍王が、北のショウギ将軍とムロの攻略を詰める。


「親父殿、とにかく、ムロの足止めをしてくれ。戦士たちの被害のこともあるが、足が止まれば、出来ることもある」


「まかせろ」

 やはり、樋爪を壊すしかない。ゼオは、不退転の気持ちになる。


 アギトが、もう先陣を切って、海撃を撃った。それも、特大の海水が乗った斬撃が、ムロの前身にあたる。肩あたりが、スパッと切れた。しかし、そこに泡がぶくぶく起ち、傷口がふさがる。急激に膨らんだ体を維持できるのだ。再生能力も半端なかった。


「アギト、足を狙ってくれ。後ろの奴らがやばい」

「分かった」

 足もきれいにスパッと行くのだが、芯まで届かない。止まらないムロに、ゼオ達が突っ込む。

 そこに、ヒロの指示が飛んだ。


「ノーマ、足元にロックウオール」

「ロックウオール」


 氷牙とは、桁違いに早い展開で、ムロの足元に、氷の壁が、ドンとできる。ムロが、ドウンと、前のめりにすっ転んだ。


 グーーンガーーー


「ノーマでかした」

 アギトが笑顔でノーマとムロに突っ込む。


「ゼオ、樋爪より、角が厄介だ。あんなにデカいのか」

「ああ、角は、おおざっぱな攻撃だが、デカい分、誰かに当たる」

 ムロの角は、足の長さと同じぐらいかと思われるぐらい長い。それも少し先方に、向いている。頭を下げれば、前の敵を払うような武器になる。


 アギトは、ムロの再生能力を見て、戦術を変えた。ムロの足の筋肉を削り取るように切る。えぐってもそうなのだが、そこに泡が起ち元に戻る。しかし、削り取られた部分は、地上に落ちて、無害になる。落ちた部分も少し動いているが、しばらくすると、ただの、海綿になり動かなくなった。本当に少しづつではあるが、アギトは、ムロを削りだした。


「角から行こう」

「よし右だ」


 ゼオとラヴィが、前回転しながら、向かって右の角にゼオがパンチ、ラヴィが体当たりを仕掛けた。それに、ポップとヒロが続く。ヒロは、ブラックソードを逆鱗とワータイガの爪でクラフト。今回の敵は、10体ともシンの結晶核はないが、この剣の触媒は、世界樹の樹液という回復アイテムを使ってシン対策をした硬い剣。これで、今回の戦いに臨む。毒属性の剣だったのだが、世界樹の樹液を使って、それを相殺。剛剣で、シンに浸食された者対策に特化した剣に仕上がった。スロットに、両方の結晶石をはめ込んでも意味ないが、ポイズン結晶をはめ込んでも、世界樹の樹液をはめ込んでも相性がいい。


「ホップ、角に飛んでくれ」

「ガオン」


 ホップの体重も乗せて角に部位破壊技をぶつける。ムロの上空に上がって、再度破壊を目指す。


「オーバーブレイド」

 ブラックソードが、ライトセーバーのように伸びた。ワータイガの爪による物理的な剣の巨大化だ。普通の剣の質量の3倍あるブラックソードならではの特殊形体。

「グラビティエンド」

 ヒロは、更に、これに、超重量を掛けた。


「ホップ行くぞ、耐えてくれ。ダイブブレイク」


 もう、グラビティエンドが発動している。グラビティエンドは、剣の重さを倍、倍と重くして、相手を剣圧で押し切る技だ。2倍4倍8倍、16倍、32倍と重くなる。最終的には、128倍にもなる。

 ヒロの手元で、ブラックソードが、ドゴンドゴンと重くなる。ライトセーバーとは比べもにならない超重量が、ヒロとホップに、掛かる。

 ヒロが、角に剣をふるった時は、もう8倍の重量が掛かっていた。


 ドゴン、ダガン、ゴガン、ミシッ、ガギッ!!!


「よし、ゼオ、ラヴィ」


 二人が、この機を逃すわけもなく、ヒロを追って、上空から降っているところだった。


「剛龍掌」

「ギャウ〈プロテクトアタック〉」

 ゼオが、重い拳を ラヴィが、プロテクトの掛かった硬い体当たりをムロの角に仕掛けた。二人は、ヒロが割った辺りに突っ込んだ。


 バギン!!!!!!


 ムロの角が折れた。思った通り中は、海面組織があるだけで空洞に近い。


「みんな、よくやった。次の攻撃まで、時間がかかる。しばらく耐えてくれ」


 ファウーーーン ガーーーーー


「やばい、火炎だ。みんな離れろ」

 ゼオの体験が生きた。


「ノーマ、正面に行くぞ」

 アギトが、この機を逃すはずがない。


 ムロは、倒れたまま、鼻先にいるゼオとラヴィに火炎攻撃を仕掛けた。しかし、このモーションが分かるゼオが、ムロの胴体側に逃げる。代わりに、アギトとノーマがムロの正面に。打ち合わせ通り、アギトが、極大の水玉を膨らませた。ノーマはウォータウオールで、アギトとムロによる水爆の余波の相殺を担当する。戦士たちの被害を最小限に抑える。


「アリーシャ、二人を頼む」

 アリーシャは、この時のために、エアーバリヤーのON、OFFの練習をいやというほどしていた。水爆の爆心地の一番近くにいるノーマ達をエアーシェルで守る。


 グッ

 ムロの口が、ガバッと開き、中からマグマではないかと思われるような赤い火炎が迫り出してくる。


「来るぞ、水玉」

「ウォーターウオール」


 バーー・・

 ボゴーーーン


 ドゴグワンーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「エアーシェル・・コウフウ〈抗風〉」

 ウォーターウオールの幕があっても、衝撃が、半端ない。アリーシャが、コウフウ〈抗風〉で、ノーマ達を包み込んだエアーシェルをそこに押しとどめようとする。


「アリーシャ、上にいなせ」

「マフウ(舞風)」


 バーーーーーーーーーーーーァン


 ノーマ達は、上空に舞い上がってしまったが、爆風をいなすことに成功した。控えている雷竜人たちに、ウォーターウオールの雨が降る。


 ムロは、目を回して動かなくなった。


 巨大な水玉を空中にとどめることができる浮遊能力を持っているのだ。海王親子は、はるか上空に浮いていた。


 ここで、バロンが号令

「ムロの足を削れ。起き上がらすな」

 この号令を待っていましたとばかりに、雷竜の兵士たちが、ムロに突っ込んだ。


「ノーマ、氷河で足を狙え。動けなくするんだ」

「氷牙」


 雷竜の兵士たちが、ムロに突っ込むのに合わせて、ノーマが氷牙を撃ちまくる。しかし、蹄が硬い。ムロを短時間押しとどめておくぐらいのことになった。


「くそっ、蹄か」

「お父さん背中、なんだか柔らかそうにない?」

「だめだ、ムロが起きてしまう。末端の神経は鈍感そうだが、胴だと起き上がるぞ。足止めが先だ」

「わかった」


 そう話している親子の下をヒューガ将軍の後続部隊が通り過ぎた。ヒューガ将軍は、空中に留まっている飛びムカデと戦闘に入っていた。

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