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ロードオブ召喚獣  作者: 星村直樹
バベルの塔
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バベルの塔にかかった結界を解くには

 4人は、毛長牛で、バロンの所に帰り事情を説明した。バロンは、変なおじさんから、眼光の鋭い兵士の顔になった。

 ラヴィ、アリーシャ、ノーマは、家に帰り、親に、このことを相談する。ヒロは、バロンから当時の様子を聞くために、ここに残った。バロンは、ゼオを呼んだ。そこからは、3人で打ち合わせをすることになった。


 翌日、バロンが、カウボーイたちと毛長牛を大移動させる打ち合わせで席をはずし、ゼオと二人で、BOS攻略の話をしている時に、アリーシャから連絡があった。

 妖精王が話があるという。ゼオとヒロは、顔を見合わせた。しかし、アリーシャまで、話の詳細が伝わるわけもなく、ゼオに、エルフの浮島に送ってもらうことになった。

 エルフの浮島に着いた時、ヒロは、涙目になっていた。いい加減、ゼオの飛行に慣れたいが、破壊的な飛行なのでなかなか慣れない。

 ゼオは、いきなり妖精王がいる王の間にド――ンと、降り立った。ゼオがヒロを連れてくると聞いていた妖精王は、神官のイルマ、十賢人を呼んで、全員ここに集合させていた。


「ハハッ、来ましたか」

 妖精王も気さくな人だ。だけど、ゼオがいると、しきたりを保てない。十賢人の中には、何とかならんのかという顔をしている者もいる。


「エブラ、結界を解いてもらえないのか」

 妖精王の名前は、エイブラハム。ゼオにとっては長い名前なので、エブラになる。知らないヒロは、この後しばらく妖精王のことをこう呼んでいる。


「それは、ベロニカ様が決めることだ。さて、ヒロ君。君を呼んだのは、他でもない、ベロニカ様に会ってもらいたいからだ。ベロニカ様は、長い休眠期に入っておられる。100年前の戦いをタオ草原の戦いというが、この時、無理を言って起きてもらい、ベロニカ様に結界を張って貰った。だから、結界を解けるのは、ベロニカ様だけなのだ」


「まて、一族以外の者が、始祖様に会うということは、試練を受けることになる」


「仕方ないだろ。これは、ヒロ君の要望だ。どうする、決めるのは、君だ」


「やります」


「わしもついて行く」


「それでは、試練にならない。しかし、今回の事情は、転生者にとって良いことだ。その中には、エルフの転生者も含まれる。そこで、ヒロ君の召喚獣は、是とする。アリーシャも連れて行って良い」


 思ったより、寛大な話なので、ゼオが、これをのんだ。

「ヒロ、受けろ。たぶん相手は、スカルドラゴンだ」

「戦ったことが有ります。たぶん、行けると思います」


「よし、その話受けるぞ」


「では3日後、悠久の浮島にヒロ君一人で来てください。その後、召喚すると良い」


 話しが決まり、ヒロは、イルマや十賢人と、エルフの転生者の話になった。その中で、解析を依頼していた森羅結晶の話が出た。これと、何かをかけ合わせると、パワーステータスが一定時間上昇するのではないかというところまで、研究が進んでいた。これは、剣士にとって、とてもありがたい薬だ。引き続き研究をお願いしてバロンの牧場に帰ることになった。



 バロンの牧場に帰ると、ノーマの父親、海王のアギトが、ここに来ていた。ノーマから事情を聴き、それも、火炎系の超巨大牛がBOSではないかと聞き、剣士の魂が騒いだようで、詳細を聞きにやってきていた。

「アギト」

「ゼオ」

 ガシンと抱き合う二人。


「さっき、バロンから聞いたぞ。BOSは、火炎を使うそうだな。火竜とは、相性が悪い。ここは、水だろう」

「ノーマの水爆か。本当は、親子して戦いたいだけだろ」

「ばれたか。いつ決行だ」

「バロンから聞いたんなら知っているだろ。相手は10匹だ。タオ草原から逃がすわけにはいかない。この戦いを知らない若手も多い。少なくとも、2週、いや、3週間は、欲しい。それまでに鍛えて見せる」

「地竜転生者の危機を聞いたぞ。そんなに待てないだろ」

「分かった、2週だ」

 ゼオが急に忙しくなった。


 アギトがこれ見よがしにヒロに言ってきた。

「婿殿、ノーマをよろしくな」

 これを聞いたゼオが、対抗心を燃やす。

「婿殿、ラヴィも頼む」

 二人は、ニコニコしながら、にらみ合った。


 ヒロが、困った顔をしてバロンを見る。

「うおほん、みんな、ステーキ食べるか。まだ、水竜王様の裁定を貰っておらんのだ。ここで、日程を決めても始まらん」

 ステーキと聞いてみんなの顔が和んだ。




 龍王居城でサイモン〈龍王〉が、デビット〈ムシキング〉と打ち合わせをしていた。いつものように二人は、人の姿になっていたので、ムシキングの嫁ウエンディもやってきてお茶の時間になっていた。


「タオ草原の戦いか。私は、まだ戦場に出してもらえなかったよ」

「おかげで、ナーシャがここに来たんでしょ」

「親父が引き取った。両親の最後は、壮絶だったそうだ」

「聞いた。向こう側に引き込まれたんだってな。それで、どうする。やるんなら、うちも出すぞ」


「やる。いずれは決着をつけなければいけない案件だ。対戦した者がいるうちに戦った方が被害が少ない」

「ヒロさんが来てから決めたら」

「呼んである。明日来るだろう。ラヴィの祖父母のことも黙っていてくれた。私も、戦場に出る」

「エルフにバックアップさせるべきだ」

「水竜王が裁定する。たぶんそうなる。婿殿は、3日後、ベロニカ様に会いに行くそうだ。ナーシャのことが分かるかもしれない。私の夢の話しを二人が信じてくれたから、ここまで来れた」

「当り前だ」

「あたりまえよ」


「結晶化して死んだ後に、蘇るとは、途方もないことだ。しかし、パグーに痕跡がある。バベルの塔か。今回は私的にも必至な戦いになった」

「私的じゃないわ、私達に取ってもよ」

「ラヴィは?」

「カナン山のグランだ。ホップを鍛えるそうだ」

「カナン山のエネミーが、なくつとはな。ウエンディ、見に行ってやるか」

「そうする。リナにも会いたいし」


 話は、決まった。龍王は、将軍たちを招集。ムシキングも、自分の所に帰って将軍たちを呼び、打ち合わせすることになった。

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