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ロードオブ召喚獣  作者: 星村直樹
バベルの塔
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バロン

 バロンの家の前は、ウッドデッキになっていて、そこで、パイプをふかしていた親父が4人を見止めて、慌てて、家の中にいる奥さんを呼び、二人してラヴィ達を出迎えた。バロンは、さほど大きな雷竜人ではない。それでも、2メートルほどある。雷竜人で見ると小太りなのに、筋肉隆々というアンバランスな感じの人だ。


「お嬢ちゃんたち、また来たんか。また、冒険か?」


「そうよ」

 ノーマが、親父になめられないぞーと、すぐ言い返す。

「おっ、海上パーティで、すっぽんぽんになったノーマか」

「うっ!」

 いきなり撃沈するノーマ。


「おじさん、ヒロよ」

 ヒロが、バロンに頭を下げる。


「オー、いい男じゃないか。みんな、婚約したんだって」

「えへへ」

「いいでしょっ!」

 もう、負けているのに、ノーマが突っかかる。


「おばさんも久しぶり」

「ほんと、久しぶり。ハーブティ出すわね。アリーシャ、手伝って」

「はーい」

 アリーシャは、奥さんと厨房へ、ノーマとラヴィが、バロンの相手に決まった。


「牧場、大きくなってない?」

「ワッハハハ。3年前、お前さんたちの、見守り役でここに来たんだが、ここが、気に入ってしまってね。居着いてしまったんだよ」

「そうだったの!」

「ゼオが、行けっていうんだ。最初は、渋々だったんだ」

「じゃあ、化物の声の話は、ほら話だったの」

「えっ、あーうー、そうだぞ」


 あれっ、怪しい

 ノーマは、バロンの慌て様に、変な目をしてバロンをにらんだ。


「わしも、3年前に来たと言っただろ」

「怪しい」


 ヒロが、やっぱりという顔をしたので、バロンが目を見開いた。だが、ヒロは何も言わない。そこで、バロンは、変なことを言って、ノーマとラヴィを嫁がいる厨房に追いやった。


「そうだ、今日こそ、屠畜場を見に行くだろ」

「ありえない」

「えー、見たくない」

「ヒロ君は?」

「ヒロでいいです。生きるために必要なことですよね。屠殺しているところは勘弁ですが、その場所を見るだけなら問題ないです」

「そうか、男同士で話すか。ノーマとラヴィは、ケイの所に行っていいぞ」

「そうしよ」

「うん」

 二人は、ヒロにバロンを任せて、奥さんの所に向かった。バロンは、さっきまでの、怪しい親父の顔をやめ、眼光が鋭くなった。


「じゃあ、納屋に行くか。ここに屠畜場は、ないんだよ」

「はい」

 二人は黙って、納屋まで行き。中の藁がいっぱいある所に落ち着いた。バロンは、ゼオにヒロを信頼しろと言われていた。


「バベルの塔がある、この、広い草原は、タオ草原という。この草原のことをどこまで聞いた」

「100年前の戦場後だとフォブさんから聞きました。バベルの塔の上空から、多数の怪物が、出て来たそうですね。それは、ウラヌス王宮の化け物で、その出口を閉めるために、ラヴィのお母さんの両親が命を落とした。ラヴィ達には、まだ、早い話だからするなと言われました」

「そうか・・・」

 そこまで聞いて、バロンが少しの間フリーズした。そして、ぼつぼつと話し出すのであった。


「わしは、その時、ゼオ達と一緒に戦った戦士だ。それが、こんなところに住むことになるとはな」

「フォブさんからは、まだ、詳しく聞いていないです。自分は、創生時代より、少し前の人族だそうです。なぜこの時代に飛ばされたのか、バベルの塔に答えがあると思っています」


「すまん。ヒロのことは、よくわからん。それより聞いてくれ。実は、あの戦いのとき、わしらは、楽をしたんだ。ジョナサンとシャルロットが、次元門を閉じるのに合わせて、厄介な怪物たちもエルフたちに言って封印してもらった。この草原から、怪物を出すわけにはいかなかったんだ」


「怪物たち! 変な声の話は、本当なんですね」


「バベルの塔の北側に行ってみろ。変な風の音がする洞窟がある。そこに封印してある」


「その封印は、ラヴィのおじいさん達の封印に合わせて施したと・・」

「そうだ」


「では、触れないでしょう。次元門まで復活するかもしれない」

「どうかな、その時、エルフたちは、ベロニカ様に無理言ってお願いしていたから、弱い結界とも思えんが」

「その怪物たちと、決着付けたいですか」

「そうかもしれん。いや、やめておこう。パグーのみんなに迷惑が掛かる」


 バロンは、戦いで、友を無くしたのだろう。後ろを向いて、寂しい背中を見せた。しかし、さすがは元戦士、すぐ立ち直って気持ちを切り替えた。


「すまん。ワイバーンとの戦いの映像も見た。お前さんなら、あの怪物たちのBOSを倒せるかもしれないとゼオが言ったんだ。BOSだけならそうかもしれんが、まだ、十匹はいた。今更だが、BOSだけ封印してもらえばよかった」

「バロンさん」

「わはは・・忘れてくれ。それより、お茶を飲んでいくだろ」

 二人は、女たちがいる食堂に向かった。

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