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ロードオブ召喚獣  作者: 星村直樹
円卓会議
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人魚転生者の町

 ジャスト召喚されたラヴィが、海上を指さして、「ギャウ」と、言った。そこは、海中だが、とても浅そうな所だった。1万人以上いる海中都市だ。巨大で強護なバリヤーバブルが、7つもある。たぶん海底の地下で、町と町が繋がっているのだろう。なら、町の外に通じている入り口が、海底のどこかにあるはずだ。


 ヒロは、海洋パーティのような簡易ではなく、外宇宙用でも通用する、スーツを着用した。たぶん接触モードで、近くの人と、話せるだろう。ラヴィが肩にとまっていてくれたら、海洋パーティの時のように、ラヴィのオーラの範囲なら近くの人とも話せる。


 とりあえず、中心の、一番大きなバリヤーバブルの縁を回りながら、中の人を探す。案の定、逆に向こうが先に自分を見つけてくれた。


 やっぱり人魚かー 足がない


 その女の人は、上半身に、ブラを付けているだけだ。手を振って、自分をアピールしていた。ヒロが気付いたと思ったのか、こっちに来いと手招きしている。それに、何か叫んでいる。たぶん、「火龍王が来たわよ」と、言っているのだろう。


 ヒロは、その、女の人に入口を教えてくれとゼスチャーした。まず、自分を指し、そして、この町を指した。女の人は、すぐ気が付いて、「こっちよ」と、手招きしながら、時計回りにバリヤーバブルを回りだした。


 地下通路の入り口は、だれでもすぐわかる入り口だった。それに、普通に入口に看板があった。

「センターバブル」という看板の上に、人魚に転生おめでとうとある。とても大きな門だ。しかし閉門されていて、入れそうにない。なのに、どこからともなく、先ほどの、人魚が、たぶん友達だろう、あと二人ほどとやって来た。


「火龍王でしょ」

「ヒロです」

「知ってるわ。中継見たわよ。サーバーは、復帰した?」

「すいません、人族は、自分だけ取り残されたみたいです」

「そうなの・・ラジオさんの所に行く?」

「ここ、Web有るんですか」

「みんなで、情報共有できているわよ」

「現状を報告できると思います」

「いい知らせだわ。ヒロ君は、転生しなかったのね」

「ラヴィが、浮き島をずっと見ていたもんだから。連れて行ってたんです」

「大きい。それにすごい宝石」

「レベル100になったんです。その時、大きさも、こんな感じに」

「可愛いわ」

「ぎゃう!」

 ラヴィが、頭をヒロにこすりつけて、照れた。


 後ろから来た、女性の人魚が、ラヴィを撫でた。

「ラヴィ達が、異世界人だってみんな知ってる。ラジオさんが説明してくれた」

「そうなんですか!」


 ラヴィは、アリーシャのことがばれるの、時間の問題だわと、思う。


「シンが現れました」

「もう? まずいわ。私たち、レベル上げができていないのよ」

「現地の人に助けてもらうしかないです。それも含めて話します」

「わかったわ。こっちよ。小さい入り口があるの」


 彼女たちは、ニコニコしながら、ヒロをからかった。

「うふっ、3人と婚約したんですって」

「うわっ!」

「ラヴィ良かったわね。私達から見ても、ヒロは、いい男よ」

「ぎゃう」

 ラヴィは、手を前で結んで同意。ちょっと結んだ手を挙げてありがとうという仕草も。ヒロは、まずいと思って、話を切り替えた。


「ライトボードは出ますか? エルフたちはダメでした」

「出ない。私たち、ただの人魚になっちゃったのかしら、ヒロは?」

「出ます。ラヴィも出ます」

「召喚獣が? そっか、プレーヤーだもんね。普通、でないわよ」

「そうなんですか!」

 ヘルプにそんな情報が、あるわけない。この3年間、ずっとごまかされていたヒロだった。メインのラヴィがライトボードを使わなかったからなおさらだ。


「のんきな旦那さんでよかったわね」

「ぎゃう」

 またまた、手を前に結んで同意。


 そこに話を戻すかー


 ヒロは、3人の人魚に言われたい放題、されるがままの状態で、転生者の街に入った。エルフの転生者の街のように、ヒロを見かけた人魚たちが、「火龍王が来た」と、言って続々集まってくる。町は、大変な騒ぎになった。


 レディオ商会は、町の中心近くの1等地にある。中心には、簡易のギルド会館があり、銀行と、倉庫の役割もしていた。バベルの塔は、陸上だ。レベルが上がるまで、人魚達は、バベルの塔に行くことができない。なので人魚達は、そういう優遇処置を与えられていた。海中は、お宝の宝庫であるウラヌスもある。ラジオが、人魚転生を選ぶわけだ。




 人魚達は、ヒロをレディオ商会に連れて行かず、町の中心にあるギルド会館に案内した。ラジオは、ここの円卓会議場の控室に籠っていた。

 ヒロから見たら、ただのお宅部屋だが。控室には、モニターがずらりと並んで、指令室のようになっている。


 珉珉が、チューブ型の飲み物を持ってやってきた。

「ヒロが来たわよ」

「やっと来たか」

 ラジオは、やっと肩の力を抜くことができた。情報が乏しい中、今まで、他のギルド長と協議を繰り返していた。ヒロの情報を持っているラジオに裁定の重しが掛かっていた。そんなの、柄ではないと、ずっと、思っていた。ラジオは、急いで、主要メンバーを集めるのであった。


 主要ギルド長のメンバーは、12名。

 戦闘ギルド5

 商社ギルド3

 鍛冶屋ギルド1

 弱小ギルド代表3

である。有名どころが勢ぞろいしている。


 戦闘ギルド

 ストーリーを最前線で進めるギルド。バベルの塔は、ほとんど彼らによって積み上げられている。最終ボスの攻略を真っ先に行う彼らは、後からくるプレーヤーに呼ばれて、警護したり、手伝ったりする。スタイルは様々で、とんがっているギルドもあれば、ビギナーに優しいギルドもある。


 商社ギルド

 ドロップするアイテムを流通するギルド。薬アイテムの調合や、衣服の制作なども行っている。


 鍛冶屋ギルド

 最高の武器や防具を作るギルド。普通は、商社ギルドに組み込まれれいるようなセクターだ。

 

 弱小ギルド代表

 情報収集にたけたギルドや、イベントを得意としているギルドが、みんなの声を拾っている。



 ヒロが、ギルド会館に着くと、珉珉が迎えに来てくれた。

「みんなありがとう。ヒロ、こっちよ」

 案内してくれた人魚達は、手を振ってヒロを送ってくれた。


「ヒロ、アリーシャを呼んでちょうだい。みんなを(レディオ商会メンバー)安心させたいのよ」

「ええっ、どういうことですか」


 そっか、もう、隠している、余裕なんてないもんね と、思うラヴィ。


「アリーシャは、レディオ商会の主要メンバーよ」


 ヒロがびっくりしてラヴィに聞く。

「そうなのか!」

「ぎゃう」

 ラヴィが、頷く。思った通り、ヒロは、怒る余裕がない。でも、アリーシャ、逃げるだろうな。


 珉珉に言われるままにヒロが、アリーシャをジャスト召喚した。


 海中で、華やかな緑の葉っぱが舞って、羽をピコピコっと動かしているアリーシャが可愛いマスコットのようなエルフ姿で、きょろきょろしながら現れた。どう見ても、挙動不審だ。


「アリーシャ、レディオ商会のメンバーなんだって」


「キャッ、ヒロ。珉珉さん」

「ぎゃう、ぎゃう」

 アリーシャは急いで珉珉の後ろに隠れた。


「サブ職業のレベルが異常に高いから、おかしいと思った」

 実は、今、思った。


「アリーシャを怒らないであげて」

「いつから知ってたんです」

 逆に珉珉を怒るヒロ。珉珉は、人魚のくせに直立不動になった。


「おいおい、それどころじゃないだろ」

 ギルド会館から、ラジオが現れた。ヒロは、ラジオが苦手だ。こういうことを平気で押し通す。

「アリーシャのことは後で話してやる。こっちにこい。主要ギルド長がみんな来るぞ。その前に打ち合わせだ」


 もう、シンが出現しているのだ。ヒロは、ラジオの意見を聞き入れた。珉珉とアリーシャは、助かったと、ほのぼのしている。珉珉とアリーシャは、レディオ商会に向かった。


 ギルド会館まで、ヒロについてきたギャラリーは、ギルド長会議の中継を見るために各々の家に帰って行った。

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