ラジオ
本人は、最初レディオと名乗っていた。だから、商社の名前は、レディオ商会だ。だけど、みんなラジオと呼ぶものだから、面倒になって改名した。店の名前は、意地で変えなかった。後に有名になる。
ヒロ達は、ラジオと、とても長い付き合いだ。ロードオブ召喚獣が始まってすぐ知り合いになった。ヒロには、ラヴィ達のおかげで、なかなかなアイテムがドロップする。それを売っていた店が、レディオ商会だ。
ラジオは、ヒロが売りに来たアイテムを安くたたく。ヒロは、いろいろな所に行って目立つのがいやだったから、我慢して、ずっとレディオ商会で売っていたが、ある時、めちゃめちゃ安く叩かれていたことに気付いた。
ラジオに文句を言うと
「チートしてんだろ。当然だ」
と、開き直る。
売る店を替えようと思った矢先、ダンジョンで、とんでもない強敵と出くわしてしまった。それは、2回目に入ったギルドの連中に騙されてのいじめだった。一人で、ここを切り抜けるしかない。がっくりしながら、いつものようにアイテムを売りに行くと、ラジオが、落ち込んでいるヒロの話を聞いてくれた。
その時、ラジオは、初めて、アリーシャと話している。アリーシャが、ウオッチのサブ職業に就いたのは、ラジオの影響だ。
ラジオは、店から、一番いい武器と防具。いざという時の支援アイテムを一式そろえてくれた。
「お代は、ずっと前からいただいているからな。持ってけ」
ヒロ達は、何とか、そのミッションをクリアするのだった。
だから、悪い人じゃないのは、分かっているのだが、みんな苦手だ。
ラジオは、その後、ビギナーを育てるようになる。ラジオは、大男だ。だからと言って、いかつい感じはしない。職業は、クンフー。自分で、店の品を集めに戦いに行くので、欲も絡んで、とても強い。
きっかけは、女の子のクンフー使いだった。珉珉は、ラジオについてフィールドに出れば、お宝取り放題だと思った。だから、ラジオをおだてて、フィールドについて行った。お宝は、一人より二人の方が多いに決まっている。珉珉は、自分の欲しいお宝以外全部ラジオにあげた。
これに味をしめたラジオは、ビギナーを育てるようになる。人がいっぱい集まるようになり、その中が居心地がいいと、きっかけを作った珉珉も、それを手伝う様になった。おだてる珉珉、調子に乗るラジオ。レディオ商会はいつの間にか大所帯になった。
朝食の準備に、ノーマの母親が起きてきた。ラヴィは、サーヤの所に行って、朝食の準備を手伝った。
ノーマは、お茶を飲みながら、もう少しヒロと打ち合わせをする。ノーマが飲んでいる昆布茶には、目覚まし効果がある。
「商社ギルドのレディオって何人ぐらいだったっけ」
ノーマがライトボードで確認する。
「データが飛んでる。でも、パグーにいるのは、数字になってるわ。700人ぐらい」
「ぐらいって?」
「えっと、人魚506人。エルフ82人。竜人21人よ」
「すごいな、レベル90以上が、709人もいたんだ。あのギルド」
「実際は、もっとってことでしょ」
「そうだよな。惑星サガと、惑星ジューム。それに、コロニー船団のワールドシップにも、店があるよな。そんなに偉くなったのに、けち臭いの変らないもんな」
「ゲームだったからじゃない」
「今は現実だ。どんな顔してるんだろ」
「バベルの塔の倉庫が壊れちゃったから、破産だーって言ってたりして」
「たしか大学の経営学部の修士課程って言ってなかったか。結構頭のいい人だぞ」
「ロードオブ召喚獣やりすぎて、論文出し損ねたって言ってなかった」
「ずっといたもんな、あの人」
人の事は言えないヒロだ。
ノーマは、ゲームの中の四方山話に強い。ノーマが呼ばれていたのは夜中だ。夜中の話は、結構ディープになる。
「仕入れは、アリーシャにやって貰わないと。絶対ちょろまかしてくるぞ」
「アリーシャなら敗けないよ。その為に、サブ職業ウォッチ取ったんだから」
「後で、打ち合わせ、しといてくれよ」
「うん」
ノーマは、そろそろ、隠しきれないよアリーシャと、思う。本人は大変だろうが、そんなに心配していなかった。アリーシャのサブ職業ウォッチのレベルが72と異常に高いのは、レディオ商会を手伝っていたからだ。ラジオは、アリーシャ達がプレーヤーだと見破っていた。召喚獣は召喚者から離れられない。しかし、ダンジョンがある地区の町には、いることができる。アリーシャは、珉珉にいろいろ助けてもらって、プレーしていた。ヒロにもバレずに、ロードオブ召喚獣に、入り浸っていた。ラヴィはヒロと戦闘。そして、ラヴィやアリーシャの調整役がノーマだった。




