ノーマ バトル召喚
パーティー会場は、白亜の大理石で出来ていて200人ぐらいが入れる。そして、海上と接しているところは、300人ぐらいと広い。舞台の裏は、海中になっていて、海中のみで活動している賓客でいっぱいだ。
ヒロたちは、舞台の裏手に上がり、演壇にいるアリーシャと合流した。ヒロたちを見た人魚たちは、舞台に押し寄せた。
ノーマを見たが、肝が据わっているのか、あきらめているのが、怯んでいる様子はない。
ヒロが舞台に上がって、挨拶をした。
「ヒロです。ノーマを呼んで、挨拶しますね」
ヒロは、ノーマをちらっと見る。ノーマは、「うん」と、言う感じで答えた。ラヴィが前、アリーシャが後ろでガードする。
「ノーマ、ジャスト召喚」
ノーマが、ふわっと光だし、ふぁーっと服がその光の中に消える。ノーマは、片腕で胸をもう片方の手で、前を隠しただけの状態になった。ラヴィとアリーシャが、手を下に広げてガードする。
光は、ノーマに向って収縮し、それと同時に、ふっとノーマが消えた。ヒロの左胸下にシャボンが集まり、ポンと、ポケットちゃぷちゃぷが現れた。そこから、恥ずかしそうに外を覗くノーマ。パーティ会場は、大歓声になった。この映像が、Webにアップされ、またまた、とんでもないアクセス数を稼いでしまう。
「ノーマです。防御も攻撃もこなすのですが、得意なのは、ステータス異常の回復です。毒や麻痺に侵された自分は、何度もノーマに助けらてています」
ノーマを持ち上げるヒロ。ノーマは、余計恥ずかしい。ポケットから、顔を全部出せないでいた。
ラヴィと、アリーシャを呼んで、二人も紹介した。
「そして、ラヴィとアリーシャです。二人も、召喚されている状態です。三龍王の裁定により、この、三人と婚約しました。これから、惑星パグーは、とても大きな災厄に見舞われます。私たちは、それに立ち向かいます。皆さん助けて下さい」
ヒロが、深々と頭を下げる。それにつられて、ラヴィ達もそうした。気付いたら、ノーマも頭を下げていて、いつの間にか、いつものように、貝殻のブラの所まで上半身をポケットから出していた。
「詳細は、海王を通じて公開されることと思います。ノーマの実力は、皆さんが見られた通りです。ですが、敵の数は、惑星を覆うほどになります。自分たちだけでは、対処できません。ここに居ない、創生時代の仲間の力も必要です。彼らは、シンに対抗できる武器を作ることができます。彼らと話をしてください。よろしくお願いします」
上出来だと思う水竜王。
海王は、大変なことになったと腕組みしている。ノーマから聞いた話が現実になるのだ。
会場の人は、詳細を知らされていない。慎としてしまった。水竜王がホローする。
「まあ、なんじゃ。今日は、ヒロ殿を歓迎しようではないか。アギトよ、もう一度乾杯じゃ」
アギトとは、海王の名前。
「そうですな水竜王様。パグーに、たった一人の人族だ。ヒロ殿に乾杯するぞ、みんな杯を重ねろ。創生時代に乾杯だ」
「乾杯!」
メイドたちが、ラヴィ達にグラスを渡す。ヒロは、ノーマに渡された小さなグラスと乾杯した。二人は、「はぁ」と、とりあえずやり切ったと、がっくり力を抜いた。
普通に、本当に普通の家庭の昼食になった。海王は、海でこそ海王だが、海上では、少数派の種族でしかない。ヒロ達にとっては、これが夕飯だ。アリーシャとラヴィは、リナに言われた通りパーティでは、食事をしなかった。ジャスト召喚されていたノーマもそうだ。三人は、「やっと食事にありつけた」と、海王の奥さん、サーヤの美味しい食事にぱくついた。
「おばさん、マグロのサーロインステーキはー?」
「そう言うのは夕飯でしょ。今は、お昼」
ラヴィは、実家に帰ったようにしていた。
「サーヤさん、マグロいるんですか」
アリーシャが代わりに答える。
「ヒロの星と一緒よ。お刺身たべたい?」
アリーシャは、ヒロの時代の生活習慣に詳しい。
「醤油、あるのか」
「無いわ。でも、何とかする。貸一つよ」
「何の貸だよ」
「何でもない」
アリーシャは、父親のことをヒロに相談するつもりだ。それが分かるラヴィと、ノーマは、「いいんじゃないかな」と、アリーシャを見た。
「ヒロさんは、お魚料理、いける口なのね」
「はい、だいすきです」
「ノーマに教えるわ」
「やらないことは、ないわよ。貸一つね」
「ノーマもか!」
みんなで笑った。なのに、一人だけ、難しい顔をした男が一人。腕組みしてヒロを睨んでいた。
海王の目論見は、ヒロを懐柔することだった。結果は、人魚が、ヒロに懐柔された。そして、様子を見に来ていた他種族もそうなった。ノーマの言うことが本当なら、シン対策の同意が早いのは良いことだ。だが、ヒロの3人が婚約者宣言、それも、3龍王のお墨付きで、次期海王の話は、流れた格好となった。
せっかくみんなは、和んでいるのに、一人で、なんか手は無いかとブツブツ言っていた。
嫁のサーヤが呼んでいるのに気づきもしない。
「アギトさん、アギトさん」
「お父さん。お母さんが呼んでるよ」
「おっ、すまん。なんだ?」
「ヒロさんが話したがっているじゃあ、ありませんか」
「おぉ、すまん、すまん。なにかな」
「自分も、アギトさんって呼んでいいですか」
「かまわんぞ、それで」
「実は、自分、剣士なんですが、剣術を習ったことがないんです。教えていただけませんか」
「あーーー、変ったスタイルだと思った。やっぱりあれは・・チャンバラか」
「そうです。エネミー相手の技ばかりなんです」
「それでも、十分強い。そうだな、剣術を極めて見るのもいい。戦いの最中に、自分だけ、広い空間にいるように感じたことはあるか。その逆でもいい」
「バトルフィールドが狭く感じたことはあります。相手は、自分から逃げられないんです」
「素晴らしい。制空圏が広いのだよ。普通は、一歩間合と言ってだな。一歩前に出るぐらいしか、自分の戦えるスペースがないものなんだ」
「空間が広く感じるというのは?」
「最高の一撃を打ったことが、あるか」
「わからないです」
「では、無いということだ。自分の限界を突破した一閃を出した時にそうなる」
そうか、同じ剣士だった
海王は、ヒロとのきっかけを見つけた。
「では、ここに来なさい。門下生と一緒に見てやろう」
「ありがとうございます」
「今日はダメよ。マイアさんに会うのよ」
「明日も駄目。エリシウム島に行くんでしょ」
人魚転生者の町の同行は、ラヴィに決まった。
「アギトさん、すみません」
「まあ、落ち着いたら来なさい」
ノーマの奴、朝のことを根に持ってるな
今朝、ノーマに、パーティ会場で、ジャスト召喚してもらえと言ったのは、海王だ。人魚達は、ノーマだと映像を見て喜んでくれたが、他種族の魚人から、「あれは、本当にノーマか」と、問い合わせが殺到した。娘が、会場で、裸になるのを承知で、ヒロに、ジャスト召喚してもらえと、ノーマに命令した。(実際は、平身低頭で、お願いした)
同じ剣士なんだ。急がんか
海王も、ぶつぶつ考えるのをやめて、みんなと食事を共にすることにした。




