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ロードオブ召喚獣  作者: 星村直樹
貝の里
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海上パーティ

 ラヴィが、バトル召還された。召喚されると、一度裸になり、着ている服が蒸着される。帰るときは、また同じところに現れる。だから、ラヴィは、寝室で、ヒロの召喚を待った。


 眉間から放射状にひろがり、額を覆っている緑の宝珠を付けたラヴィが現れた。胸には、砂漠の宝珠があるのだが、若いラヴィは、胸が広くあいた大胆なドレスは着ない。アリーシャに合わせて白いドレスにしたが、水中でも通用する素材で、動きやすい格好をしている。短パンを羽のようなミニで覆い、後ろ半分は、長いスカートになっている。


 メイドたちは、二人になった召喚獣の強い波動を感じて畏怖の念を覚えた。しかし、話しかけられると、やはり同級生といった感じでホッとした。 


「みんなも来てくれるの!」

「頼んだよ」


 リナに言われて、頭を下げるメイドたち。アリーシャが、「ねっ!」と、サファイにウインクした。


 アリーシャのサブ職業は、ウォッチ。母親のスーザンと同じような観測者である。だから、ホップのボディランゲージにも、早い理解をしたし、リナが、ラヴィにメイドを付ける予測が当たった。アリーシャのサーチ範囲は、3人の中で一番広い。


 女ばっかだな。ビーにも同行頼めばよかった

「よし行くぞ。歓迎してくれるみたいだけど、こっちは、人脈作りだ」

 おれは、みんなに気合を入れた。




 グランのゲートは、丘の上にあるお屋敷を下ったところにある。ここは、貝の里、世界樹、浮き島に通じている。


 人魚のマーナが、ゲートの案内をしてくれた。6人は、貝の里の一番高い塔の天辺にあるゲートに転送された。


 ヒロが先頭、ラヴィ、アリーシャが、それに続き、それよりずいぶん離れて、マーナ達が外に出た。


 思った通り、多数の人魚が、水面を覆いつくしていた。水竜王も、見届けるしかあるまいと、この塔の根元あたりの水面に浮かんでいる。


 ヒロたちが、塔のテラスから、海上を望むと、ワーーーーーと、ものすごい歓声が起こった。


「ヒロ!」

 ノーマもドレスアップしていた。

「ヒロ君、歓迎する」

 その後ろに、ノーマの両親。海王は、ニコニコしていた。


「お招き感謝します」

「おじ様、おば様!」


「ラヴィ、綺麗になって」

 ノーマの母親が、ラヴィに駆け寄った。海王の方は、ヒロから目を離さない。ヒロのとても強い波動に満足している。


「ヒロ君、みんなに顔を見せてやってくれ」


「三人もいいですか」


 海王は、どうぞと片手を出した。


「ノーマも行くぞ」

 ノーマもラヴィ達と並び、嬉しそうにヒロについて行った。


 ほとんどの人が見える所までヒロが出ると、大歓声になった。


「ヒロ、みんなに手を振ってあげて」

 ノーマが、ヒロを後押しする。

「ラヴィ、アリーシャも」

 三人とも、手を振る。

 ヒロが、まだかと、ノーマに目で合図するが、なかなか「うん」と、言ってくれない。四人は、長いこと、そうしていた。


「パーティは、生中継よ。ごめんね」


 天気も良いので、海上のオープンスペースでのパーティーになった。


 まずは、人族の慣習に従って、乾杯をした。海王は、簡単にヒロに世辞を言った後、海中にも潜って欲しいとお願いした。最初、人魚だけの予定だったが、他の魚人族も、続々集まって、盛大なことになった。


 おれは、水中でも、歓待を受ける準備をしていた。ここで、一挙に、人脈を作る。ラヴィは、水中も行ける。海上をアリーシャに任せて入水した。


 海中は、更に、大勢の魚人でひしめき合っていた。彼らは、能力者とリンクして、ヒロを大写しで見ている。


 ノーマは、素だ。だから、リンクできない。ラヴィが、通訳することになった。ラヴィが、翻訳機代わりになるので、挨拶はスムーズに行われた。



 ノーマの一族は、海中で、一番素早く泳げる人魚だ。最初に、巨魚族の長の所に行ってヒロを紹介した。巨魚族は、体長が、20メートルもある。手足があり、肉弾戦を得意としている。泳ぐスピードも速く、海中の自衛の中心である。


「巨魚族のノア様よ。魚人族で一番強い種族よ。実際海を守っているのが巨魚族よ」

「ノアだー」

「えっと、鼻の頭に手を置いて挨拶して」


 ヒロは、ノーマがやったようにノアの鼻先に行って挨拶した。シンのことを話さねばと思ったが、ノーマは、急いで、次に行く。



 次に、鱗魚族の長の所に行った。体中がきれいな鱗で覆われた魚人だ。進化すると、両棲になり、人魚のように空気中でも活動する。


「鱗魚族のマイア様よ。私達と一緒で、進化すると両棲になるの」

「マイアです」

「会えて光栄です」

 ヒロが握手しながら世辞を言った。それほど、美しい肢体をしている。

「後で、海上にも顔を出しますね。実は、両棲になれる人は、人魚ほど多くないのです。それで、海中で待っていました」

「でも、鱗魚族の人たちは、劣悪な環境でも、そこに、行くことができるのよ。私達より強いの」

 ノーマが、もっと仲良くするのよと、ヒロに教える。

 希少種なんだろうなと思うヒロ。ノーマは、この人の所に真っ先に挨拶に来たという感じだ。

「後で、もっとお話がしたいです」と、マイアとの話を繋いだ。



 そして、甲殻族の長の所に行った。甲殻族は、容姿が雑多で、いろいろな人がいる。その中で、ヤドカリみたいな人の所に行った。


「甲殻族のフォブ爺。とっても物知り。ラヴィは、ちょっと苦手よね」

「フォブ爺が先生だったの」


「二人とも、わしも、族長じゃ」


「ごめん」

「ごめんなさい」


「ははは、先生、自分もいろいろ聞きたいです」


「よしよし、何でも聞いてくだされ」

 目上を敬うことを知っていると、ヒロに満足なフォブ爺。ヒロは、フォブから、あいまいだった、歴史を聞くことになる。



 次に、水竜族の長の所に行く。長は、水竜王に気を使って海中にいた。


丹人にひと様よ。丹人様が、水竜をまとめているの」

「ヒロです」

「うむ、カナン山に出現した水竜の幼体は、見に行かれましたかな」

「まだです。この件が大きすぎて、身動き取れませんでした」

「すまんのう」

「そんなことないです。海洋の人たちと一挙に知り合いになれて喜んでいます」


「龍王とも相談したが、転生者たちは、おぬしに任せるのが早い。海中の転生者たちは、様子を見に行ったタガメ族を怖がって、外界と接触を断つ始末じゃ」


「そんなことに・・、分かりました。エリシウム島にも行こうと思っていたんです」


「お願いする」



「もう少し、会わないといけない人がいるんだけど、お願いがあるの。私をジャスト召喚して」


「いいけど、妖精王の時、恥ずかしがっていなかったか」


「引っ込みがつかないのよ。今朝、〈ヒロ&ノーマVSワイバーン飛翔隊〉のアセス数見たら。3千万に増えていたのね。コメント欄に、本当にこの人魚はノーマ?っていっぱい書かれているのよ」


「大変だな。じゃあ、戻るか」


 ノーマがほっとしながら、ヒロについて行く。ヒロは、転生者に、ノーマたちがパグーの住人だというのが、ばれるのを嫌がっていた。

 ラヴィがノーマを心配した。

「パーティー会場にいるつもり?」

「それしかないでしょ。ガード、お願い。アリーシャも」


 オープンチャンネルで、ヒロにも聞こえるようにノーマがアリーシャと通信をする。ノーマは、あそこで、一肌脱ぐつもりだ。


「おいおい、中継してるんだろ」


「本当よ。お父さんのバカ」


 朝、揉めたな。それで、海王、おとなしかったんだ

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