一千万アクセス
ノーマは、水竜王の人心掌握能力に、あきれていた。
まさかこんなことになるとは!
父親を含め、人魚がヒロの大ファンになった。父親が流した〈ヒロ&ノーマVSワイバーン飛翔隊〉の映像は、既に1千万アクセスに届きそうな勢いだ。
父親が、親ばかで、ノーマの雄姿をみんなに見せたいのは、わかるが、たった二人で、ワイバーン千竜隊と戦った。ノーマが、ヒューガ将軍を落としたところで、喝さいとなり、ヒロが、グワン将軍を殴り落としたところで、みんなヒロのファンになった。
ノーマは、海上に浮かんでいる水竜王に寄り添い、ひそひそと、相談した。
「水竜王様、もうすぐ1千万アクセス行きますよ。本当によかったんですか」
「まずいのう。効果がありすぎたか」
水竜王は、反省していた。やっぱりと思うノーマ。でも、水竜王が煽ったわけではない。
ノーマの父親、海王が、高笑いしながら二人の所にやって来た。
「ワハハハ、流石、水竜王様の目利き。時期海王にふさわしい」
‐まずいのう
‐まずいですよ
これでは、龍族ともめる。
水竜王は、ノーマの依頼を受け、海王にヒロを紹介した。
「百聞は、一見にしかずじゃ」と、龍王サイモンが撮っていたワイバーン飛翔隊とヒロが戦っている映像を海王に見せた。
その映像に、自分の娘が映っているではないか。
海王は、ヒロが連れている召喚獣の人魚をすぐ、ノーマだと認識した。嫁に見せても「間違いありません、あなた」と、太鼓判を押す。そこで、側近の者や、近所の人にも、その映像を見てもらった。
誰もが、一様に、この召喚獣は、ノーマだという。海王は、嬉しくて仕方ない。水竜王に断ってこの映像をネットに流した。
‐まさかのう、なんで、みんなノーマだと分かるんじゃ
‐召喚獣の波動でしょうか。召喚獣は、幻獣ですから
ノーマもラヴィも一人娘だ。時期王の座を巡ってヒロを取り合いになる。
‐まあ、なんじゃ。ヒロが決めることじゃろ。王族は別として、海の平和が硬くなったということじゃ
‐水竜王様!
‐パグーのまとめ役が、海王になろうが龍王になろうが一緒じゃ。ヒロは、我らの大元じゃろ。人族か、めずらしいのう
‐無責任なこと言わないでください
「水竜王様、ノーマも、何、ひそひそ話、しているんだ」
「うほっ」
「えへっ」
二人は、笑ってごまかすしかない。
「海王よ。わしの裁定は聞いたであろう。ノーマ、ラヴィ、アリーシャが、ヒロと婚約した」
「婚約で、ありましょう。最後は、一人に絞るので」
父親の考えそうなことだ。やっぱりと思うノーマ。だから、平気で、映像を流した。公的なものではなく、ホームビデオ感覚で流したのだが、すぐ広がった。人魚の内線のようなWebだが、ここまで広がるとそうはいかないだろう。
「無理じゃ、ヒロは、初めから、三人と契約しておる」
「なんと、では、結婚は? 魚人族は数が多すぎる、エルフの様に重婚は認められませんぞ」
「もう、3年前に契約されていることなのじゃ。決めるのはヒロじゃ」
「そうなのか、ノーマ」
頷くノーマ。
「そうか、じゃあ、すぐ、ヒロ君を呼んでくれ、歓待する」
接待落としする気だ。
水竜王は、予測する。人族は、水中で生きられない。それに、ヒロは、この惑星にずっと留まっているとも、思えない。ヒロは、龍王でも、海王でもない道を選ぶだろう。今のヒロに、そんな先のことが見えるわけではないから、大変じゃのうと思うだけだ。
「ノーマ、呼んでやれ」
「いいんですか」
ノーマが、うれしそうな顔をした。




