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ロードオブ召喚獣  作者: 星村直樹
カナン山
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キャンプファイアー

 話は、カナン山の話しに移ることになる。


「ここは、ワータイガみたいなのがうようよいるのか」


「そうだ」


「ワータイガもそうだが、ワーウルフも戦闘慣れしていた。格上のゼオに物怖じしていなかったぞ」


「ヒロにもだろ、そんな奴ばっかだ。それも、中腹の盆地だけで、こんなところが5か所もある。強いやつは、まだまだいるぞ」


 シャーンが、地面に絵を描いて解説する。


「カナン山は、中央山を囲んでいる山が5つある。この6山全部でカナン山だ。ここは、南の盆地で東に見えるのがターナ山、南ののワーウルフが出て来た森の向こうが、ミラ山だ。この山と山の間、中央山との盆地にカルデラ湖がある」


「じゃあ、どこも、ここと同じように山と湖に囲まれた、閉じた世界なのか」


「そうだ。ここと、東側は、まだ、豊かな盆地さ。真北にある盆地なんか、ずっと雪が積もったままだし。その隣は、活火山の関係で、岩地ばかりだ。反対側もそうだ、砂漠になってる」


「北にある火山は、マヤだ。この山の更に北側は、大きな亀裂があって、ゴーレムの巣窟になっている。話が通じない相手だ。だが、ゴーレムに祭られているタイタンは、話ができるそうだ。ゼオが、話たがってる」


「強いのか」


「ゴーレムには、電撃が効かないんだ。ゼオが手を焼いてる」


「たぶん水属性の攻撃に弱いはずだ。ノーマの属性が、そうだ。強いのなら、敵か味方か、はっきりさせたいな」


「ゼオが喜ぶ」


「ワータイガは、火属性に弱い。おれの所だと、ラヴィだけど、アリーシャとシャーンが組むのなら、アリーシャも行ける」


「成る程、属性か。話を戻すぞ。だから、ここの盆地は、ターナ盆地だ。ターナ山のテリトリーということだ」


「5つの山で、盆地を区別しているんだな。他の名前も教えてくれ」


 シャーンが、山の絵を指しながら話す。

「中央の山は、そのまま中央山だ。真北から時計回りに行くぞ。真北が、マヤ山。デューン山、ミラ山、ターナ山、ガン山だ」


 ハチが、ヒロの作業を不思議そうに見る。

「何してんだ」


「メモっているんだよ。ライトボードに、地図は出ているんだが、名前がない。それに、ライトボードの情報は、ラヴィたちと共有できるから、ラヴィたちが同じことを聞かなくて済むだろ」


「そうか、湖も大事だぞ。そこのサザ湖と向こうのミラ湖は、淡水だ。他にも、沸騰させれば飲めるが、北東の湖の水は飲めない。なのに生きものがいる。危険な生き物がだ」


「名前を教えてくれ」


「シンジ湖だ」


「何だって、嫌な感じだな」


「一度行ってみるか?」

 ガイガイオウが腕組みしている。


「海が先かな。もし、シンが居ても、湖から動けないだろ。海は、動かれると対処しきれない」


 ビーがアドバイスしてくれた。


「ノーマの親父さんに聞いてみろ。水竜王は、どっちかって言うと、蟄居して引退同然なんだ。実際海を仕切っているのが、ノーマの親父さんだ」


「どんな人だ? さっき、怒っていたみたいなんだ」


「ヒロと一緒で、剣士だよ。すごい人だぞ。海中で、水を足場のように使うんだ」


「もしかして、海の上を走れるのか」


「そんなことも、やっていたな」


「龍王も大変だと思っていたけど、こっちも大変だ。オレは、無事でいられるのか」


「まあ、がんばれ。親父さんが、海王だ。いい人だぞ」

 ビーから、悲観的な感じはない。


「さっきのノーマの雰囲気からするとそうかもな。陸に上がった魚人の町が、貝の里なんだろ」


「海上に建物が少し出ていて、両棲の人魚は、みんな、そこに住んでる。海上は、里って感じに見える。でも、そこから海中を覗くと、ビックリするぐらい大きな都だぞ。きれいな所さ」


 ヒロは、壮大な海中都市を想像した。


「本当だ、龍族と、揉めそうだ」


「何だ、また、婿殿の話か」

 ガイガイオウが、突っ込んでくる。


「オレがどうしたいか、だろ」


 ビーが頷く。


 シャーンは楽観的だ。

「急ぐことは無い。パグーをもっと知ってからでいいだろ」


 ビーが難しい顔をした。

「そうだが、ノーマも一人娘だぞ」


「揉めるだろうな、婿殿」


「ガイガイオウ、面白がるなよ。そうだな、今のところ、ゼオの別宅に避難かな」

「ラヴィが、いいのか?」

「家族が増えるのは、必至なんだ。ラヴィの嬉しそうな顔、見ただろ」

「ああ、ブリーダーだったか」

「シンに耐性を持ったエネミーは狙われる。そいつらと一緒にいることになるさ」


 自然とヒロは、ラヴィと一緒にいることになる。


「そう言うことか」

 残念そうなしぐさをするガイガイオウ。


「だから面白がるなよ」


 そう言って、困った顔をして見せたヒロだったが、こんなに、心を開いて話したのはいつのことだっただろうと、また、満天の星空を見た。

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