サブ職ブリーダー
ラヴィがヒロに寄り添ってきた。一緒にゼオが、気絶しているワータイガと共にやって来た。どさっと、ワータイガを降ろす。それで、気絶していたワータイガの意識が戻った。しかし、攻撃衝動を全く感じない。爪を折られ、結晶核を取り除かれたワータイガは、悲しそうな顔をして、目の前で倒れているワータイガを少しなめて、死んでいるのを悟った。
「ヒロ、ブリーダーになりたいの。この子を放っておけない」
「やっとサブ職業決める気になったんだ。そうか、そうだろうな。故郷の惑星の住人だもんな。待ってろ、登録する」
実は、ラヴィは、ノーマやアリーシャの様にライトボードを使ったことがない。いつも、ヒロ任せだった。
「登録したぞ。じゃあ、ライトボードの使い方覚えるんだ」
「うん」
「まず、キーを外せ。左手をドロップしながら、右手を左下から右上に同時に上げるんだ。そして、右手をドロップ」
ヒロがやるように、ラヴィも手を動かした。ラヴィの目の前にロードオブ召喚獣のコンソールが現れる。本当に使ったことがなく、ウェルカムと出ている。
「最初のボタンを押して、ユーザーネームを入れろ」
周りには、ライトボードが見えない。だから、二人が何をやっているのかわからなかった。ゼオも、打ち合わせをしているんだろうな。ぐらいの感覚で二人を見る。
「ラヴィ・カタパルトって入れたよ」
「苗字、カタパルトって言うんだ。初めて聞いた」
「古い龍族の名だぞ」
ゼオが、お前もカタパルト姓になるんだと言う。実際は、この件に関して、大もめにもめる。
「上から3番目の項目を見ろ。ここがサブ職業の項目だ。タッチして入って下の方までドロップしてみろ。職業欄を出すボタンがあるだろ。そこをタッチ」
「出たよ」
「下の方にブリーダーがあるはずだ。そこをタッチするとその欄がフラッシュするだろ。それをダブルタッチ。もう一度、本当にこのサブ職業に決めますかというボタンが出たら、イエスにタッチだ」
「なったよ」
「ちょっと待て、ヘルプを見させてくれ」
おれは、嫌な予感がすると、ブリーダーのヘルプを読み漁りそうになったが、ちょっと急ぎなので我慢して、ラヴィに振り向いた。
ラヴィは、ドキッとしてヒロを見る。
「なに?」
「いいか10匹だ。名前を付けられるのは10匹だからな」
たぶんラヴィは、戦闘するたびに、敵を拾ってくるのではないかと思われた。
しかしラヴィの反応は、その斜め上をいった。
「10匹も、飼っていいの」
と、明るく喜んだ。
うわー、更に嫌な予感
とにかく話を進めた。
「この、ワータイガに名前を付けろ」
「今?」
「今だ。そうすると、ラヴィが、こいつの飼い主になる。名前を入力して、ワンタッチしてフラッシュ。その項目がピコピコ光り出したら、こいつの正面に行って名前えを呼ぶ。向こうが納得したら、こいつは、仲間になる」
「すごい!」
「こいつが、いいと納得したらだ」
ラヴィは、名前を入力して、この、山のような虎の前に行ってワータイガの鼻先に触った。
ワータイガは、へたりこんで、ボーっと死んだ仲間を見ていた。ラヴィは、このワータイガの気持ちが分かるのか、振り向いて結晶核に侵されたワータイガを見た。
「お兄さんだったのね。あなたは、森には帰れない。もし、お兄さんのようなお腹が赤いワータイガが居たら狙われる。私と一緒に来て。もっと強くなってから、森に帰るのよ」
「ふぅん」
ワータイガは、ラヴィのことが分かるようだ。召喚獣は幻獣で、この惑星出身のラヴィは、この惑星にいる幻獣と同じオーラを出している。
「ラヴィの奴、ワータイガと話していないか」
ゼオが驚く。
「召喚獣は、幻獣です。ワータイガが、幻獣と話すのなら、そうです」
「成る程な」
「私は、あなたのことが心配です。今日からあなたは、ホップよ。私が呼んだら来るのよ」
「わふっ」
ワータイガが、嬉しそうな顔をした。
「いい名前を付けたじゃないか」
「今にも跳ねそうだ」ゼオも、さすがは、わしの孫だと嬉しそうだ。
ラヴィのブリーダーの項目にホップがメモられた。ワータイガでオスとある。それを見たヒロがラヴィを褒めた。
「やったな。二人の絆が深くなるほど仲良くなれるからな」
「ありがとうホップ、今日から友達よ」
ラヴィがホップに抱きついた。
ラヴィに、獣の友達ができた。ワータイガで、大地を時速170Kmで走る。俊敏性に富み、その毛並みは、ビロードのように柔らかい。
おれは、世界樹の樹液を死んだワータイガの結晶核に押し付けた。7個押し付けて、やっと結晶核が無くなった頃には、この、ワータイガの内臓も、消えていた。
埋葬か、これが現実だよな。結晶核も霧散しなかった。こんなことだと、すぐ、オレだけじゃあ対処しきれなくなる
おれは、ワイバーン飛翔隊と和解しないといけないと思った。
「アトミッーーークパンチ」
ヒロは、大地に衝撃爆発するパンチを撃った。溜が長く戦闘に向かないパンチだ。この場所に、大きな穴が開いた。
「お別れだ」
「お別れよ」
「くうん」
ヒロが、ホップの兄を穴に落とす。近いが違う場所でも、ワーウルフをハチ達が埋葬していた。
ゼオが腕組みして、渋い顔をした。
「後味悪いな」
「はい・・」
「だから、早い発見が大事なの」
思った通り、ラヴィは、いっぱいエネミーを保護する気だ。




