ラヴィ参戦
こういう攻撃ばかりするエネミーが相手だと、同じような攻防に、こちらも陥ってしまう。ラヴィの堅い防御があれば、おれは、攻略を考えることができるようになる。
「ラヴィ、バトル召還」
ラヴィは、古の巫女装束を着て現れた。紅白のバトルスーツ、『錦』は、バイオエレクトリック系のスーツ。
「ヒロ、レベルは?」
「待て、今見る」
おれは、ライトボードをワータイガに向けた。
「65だ。だが、爪が異常に硬い」
「わかった。おじいちゃんのホローしてるね」
この二人のバトルスタイルは、変っていてライトボードは、ヒロの役割だ。敵の戦力分析やポーションの使用もヒロだ。
ゼオは、また、2匹に挟まれて背中を狙われた。その爪をラヴィが簡単に払う。
「ラヴィ!」
ゼオは、嬉しくてたまらない。今のラヴィは人形だ。華奢に見える腕で敵の爪を払ってくれた。ゼオは、肉弾戦を孫とできる喜びで、気が上がる。
二人は、背中合わせになる。ラヴィは浮いていて話しやすい。
「おじいちゃん背中は、任せて」
ゼオの気は、単に気持ちだけで上がったのではない。ヒロが、ポーションで回復していた。
「あの、爪が折れている方は、もう一息なんだ」
「うん、攻撃に集中して」
ゼオが、普通のワータイガめがけて突っ込んだ。逆に結晶核付きが、ゼオの背中を襲う。その体当たりのような飛びつきをラヴィが、払う。結晶核付きは、ビックリするほど仰け反った。
それをちらっと見たゼオが、こぶしを合わせて電撃を広げた。普通のワータイガも飛びかかってきているが避けるのはたやすい。ラヴィはそのゼオの動きに合わせるように背中から離れない。ゼオは、気持ちの上で、ここまで背中を預けれる相棒を持ったことがない。
避けられてしまったワータイガが、最後に残った左後足の爪をゼオに向けた。ゼオは、その足を左腕で受け、右手で、爪を鋏むように粉砕した。その傷跡に、電撃が通る。
そこにヒロの指示が飛んだ。
「ラヴィ電撃」
ラヴィは、ゼオの背中から反転するように宙を舞いワータイガの背中に飛び乗って電撃を
「うほっ」
ゼオも、負けじとさっきの左後足に電撃を流した。
ギャフン
ラヴィの電撃の強さがゼオにも伝わる。なんだ、電撃も使えるじゃないかと顔がにやけた。
「ピピッ!」ラヴィの警告音が鳴った。
「ゼオ、後ろだ」ヒロが、それをホロウ。
ゼオの反応は早かった。今度は、ゼオが、ラヴィの様にバク転して結晶核付きの頭上に飛んだ。頭に蹴りを入れながら電撃を流す。
やっぱり親族だよなと、同じ動きに感心する。
「弱点属性は、火だ。ラヴィ、マファイ連弾。そいつを落とせ」
ラヴィは、ワータイガの背中を蹴って、空中高く上がったと思ったら、そのあたりに浮遊して、思いっきり仰け反った。
「マファイ」
目を赤く光らせ、頭をドンとワータイガの背中に突き出した。
ボガン、ボガン、ボガン
3連弾の火の玉が、ワータイガの背中で膨らみ、内破する。
グオ―――ン
ワータイガは、そこで、仰け反って前足を天に向けたかと思ったら、そのまま、意識を失ってドウンと大地に倒れ込むのであった。
「よし、そいつはもう、いい」
すげえぞ
ゼオは、これも見逃さなかった。
「ヒロ、この子を癒してあげて」
「無理だろ、また襲われる」
「でも、お腹」
ラヴィにそう言われて、ヒロも気が付いた。倒れたワータイガのお腹に小さいが、結晶核ができていた。
「分かった。緑の宝珠を試してみろ。緑の宝珠は、ワホイ(単体強回復)じゃないぞ、広範囲回復をするみたいだ。そいつに寄り添ってからホイラだ」
「うん」
ラヴィが嬉しそうに指示に従った。
「ホイラ」
ラヴィ―を中心に、緑のフィールドがバブルのように広がった。
この瀕死のワータイガは、ラヴィに助けられた。ラヴィのホイラで、結晶核は霧散した。
ゼオは、その間、結晶核のワータイガと死闘を繰り広げていた。このワータイガは、吹き飛ばしを得意としていた
。
爪でひっかいているように見えるが、ヒロから見れば、吹き飛ばしのステータス攻撃だ。
さっきのワータイガ同様両腕で、鋏んで爪を粉砕したいのだが、そのたびにゼオは、吹き飛ばされていた。ヒロは、このワーウルフの爪が硬いのではないことを見破った。しかし、爪が伸び縮みする。ゼオの方が実力は上なのに、この吹き飛ばしと連動した爪攻撃に、めんどくさそうな顔をしているのが分かる。
「ゼオ、聞いてくれ。ラヴィが倒れているワータイガを助けた。戦闘フィールドから出してやってくれ。ラヴィ、ゼオに説明頼む」
「おじいちゃん!」
おれは、そう言いながら、ゼオとワータイガの間に割って入った。ゼオは、ラヴィの説明を聞きたかったので、おれに、ここを任せて、ラヴィの所に掛けよった。おれは、それを追うワータイガに一閃を入れた。このワータイガは、牙持ちだ。少し仰け反って、剣を受ける。
おれは、軽く振り返して、そのまま伸びた爪を何本か切り落とした。驚いたワータイガが、バッと後ろに飛び下がった。
やっぱりか。伸び縮みする爪が硬いわけない
ワータイガは、仕切り直しとばかりに、引き下がったところで、ゆっくり旋回しだした。あの、結晶核付きのワーウルフと同じ行動をする。
おれは、油断なく、この、ワータイガと相対した。




