癒しの歌
それを見かねた、ゴングと、シャーンが、戦線に復帰した。
「気を付けろ。毒属性の剣だ」
また、3人パーティとの打ち合いになった。ヒロが、激しく応戦する。
ピロリン
戦いのさ中、可愛い音がした。ライトセーバーのリキャスト終了の音だ。
おれは、大きくアリーシャ側に飛んで、背中の鞘にブラックソードをしまった。
そこに、3人が、突進してくる。
「アリーシャ!」
「まかせて」
ゴングが気付いて守りの体制に入る。シャーンは、飛び上がろうとし、ガイガイオウは、ヒロが攻撃を仕掛けてくる前に懐に飛び込もうとする。
「オーバーブレード」
ライトセーバーが、一挙に大剣に。そして、さらに大きく伸びた。この剣をおれは、バットのように振りかぶる。アリーシャが、それを後押しした。
カキーーーン
ドガッ
ズガッ
ドォン
三人は、壁に激突
三人とも疲弊していて、成す術がなかった。
「ピーーーーーン。シャンランランラン」
アリーシャの召喚ゲージが溜まった知らせだ。
「アリーシャ、癒しの歌だ」
アリーシャが、祈るポーズをして、まぶしく光る。緑の柔らかい葉が、風に舞い、ゴングの3倍もある大きさになる。
黄緑になった長い髪が風になびいて、髪飾りの草冠から、黄緑の光が発光した。
風と共に歩もう
光と共に歩もう
収穫は満たされ
人々は、歌う
癒しの歌が始まった。これから、3分間、敵も味方も徐々に癒される。シンや、シンの結晶核は、更に攻撃され、浸食された者は、シンから癒される。
おれは、ため息をついてライトセーバーをしまった。
「はー、生きてるか? ガイガイオウ、シャーン、ゴング」
三人は、落ちたところに、もそもそと起き上がり、へたりこんだ。だが、まだ、声を出せない。
癒しの歌が終わるころには、3人とも、ずいぶん回復して、立ち上がるまでになった。
「約束だ。ビー案内してやってくれ」
これを聞いたヒロの目の前には、
【コングラッチレーション】
の、光文字が見える。
「ヒロ!」
寄り添ってきたアリーシャの額に、第3の目ができていた。
「ハハハハ、オレの光玉だ」
ガイガイオウが、肩を落とす。
「大丈夫だ、次が生えているぞ」
ガイガイオウの肩には、小さいが、光玉が形成されていた。これを核に、ガイガイオウの光玉は、また、元に戻るだろう。
アリーシャは、第3の目を取得した。光玉で、傷がつきそうにない宝石の目だ。
「額の目も、見えるのか」
「うん」
目からビームという雰囲気には見えない。奇麗な目だ。そして、これでアリーシャが、ハイエルフに成ったのは間違いない。
「おめでとう。これで、ハイエルフに成ったんだよ」
「えへへへ」
アリーシャは、顔を真っ赤にして喜んだ。
ライトボードでアリーシャを見ると、レベルが52から、55になっている。相手が、レベル違いだったことが分かる。
ハイエルフは、すべての精霊が見える。アリーシャの世界は、広がった。
ヒロにもアイテムがドロップしていた。
カブト
多分、ゴングの角だろう。素材アイテムだ。
さっきゴングは、情けなさそうに、自分の折れた角を撫でていた。ヒロは、この3人と友達になることに決めた。
「ゴング、その角は、また、生えてくるのか」
「無理だ」
「オレなら、見た目だけだが、治せないことは無いぞ」
「治してやってくれ」
ガイガイオウが、ゴングの代わりに話す。
「その代わり、条件がある。友達になってくれ」
「初めてだ。そんな条件」
シャーンは、いいのではないかとガイガイオウを見る。
「アリーシャたちはいるが、オレは、ずっと一人だった。今でなくてもいい。オレとパーティを組んでくれ。シャーンは、アリーシャと相性が最高だ。連携技を開発できると思う」
アリーシャも乗り気だ。シャーンもアリーシャで強くなると分かっている。
「いいだろう。ゴングを頼む」
こうして、素材アイテム『カブト』を使ってゴングの角が修復された。ヒロは、鍛冶屋ではない。他のアイテムと一緒にクラフトする。
図らずも、ガイガイオウたちは、長いことヒロを足止めするのに成功した。




