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ロードオブ召喚獣  作者: 星村直樹
世界樹
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聖なる道

 世界樹の幹の中には、歩いて龍王城に辿りつける道がある。それが、聖なる道だ。

 ここを守るのが、蟲たちだ。


 蟲たちは、世界樹のすそ野の大きな町グランドルートに、竜人たちと暮らしているのだが、一部の戦闘種族は、世界樹の中に住んでいる。どこの惑星の世界樹に行っても、この蟲たちが居り、伝統的に世界樹を守る。


 ヒロ達は、狭い横穴から広い通路に出た。天井は高く、キラキラしている。壁からも滲む様な光が通路を照らしていた。二人は、柔らかい光に覆われ、清々しい気持ちになった。


「なにこれ、癒されるー」


「ここ、道だよな」

「うん、でも、後1,5キロメートルぐらい上空に行かないと龍王城に辿り着かないよ」

 1/3尺度 後500メートル


 とりあえず、元に戻っている天馬の樋爪に飛翔石と風の結晶石をセットした。


「ライトボードで、アリーシャに連絡してくれ。ここ、道かもしれないからな」

「わかった」


 しばらく歩いているが、なかなか道が上向きにも下向きにもならない。


 ノーマが通信を終えて、この道を説明した。


「ここ、聖なる道だって。龍王城に通じているみたい。いま、アリーシャが、お母さんに詳細を聞いているところ。惑星パグーでも、限られた人しか通るの許されないんだって」


「限られた人? それ、やばくないか」


 そう、言いながらも、龍王城に通じていると聞かされた二人は、どんどん、幹の中に入って行く。


 そうこうしている内に、ドームのように天井が丸くて広いところに出た。床には、枝のくるぶしを切り取ったような年輪がある。天井も高く、壁には、無数の穴が開いていて、まるで、闘技場のようなところだ。


 この広い空間の中央に、少し渦高いところがあり、そこに、甲冑を着た人らしき姿を見止めた。


 おれたちは、人だと勘違いして、道を聞こうと駆け寄った。


「すいません、道を聞きたいんですが」


 近寄って、この甲冑が、この戦闘種族の自前だと分かる。蟲人間だ。


「来たか、ヒロ君だったかな」


「自分を知っているんですか。良かった」


「龍王城に行きたいそうだな。なら、我々と戦え」


 ムシキングは、将軍たちに、時間稼ぎをしろと指示していない。


 ここに、ヒロという創生時代の人間が来る。彼は、龍王の娘を嫁取りに来る。それに、ふさわしいか知りたい。ふさわしくないなら、ここまで来さすな。


 つまり、「本気で戦え」と、指示していた。



 戦えと言う甲冑の後ろには、腕から自前の鎌を出しているスピード型の蟲人間と、人の2倍はあるパワー系の硬そうな甲羅を付けている蟲人間が控えている。


「おい、あの額のコブ、透明だよな」


「世界樹を守る聖戦士様たちだって。アリーシャが、絶対殺さないでって」


「無理だろ、こっちも本気でやらないとやられるぞ。あれ、生体レーザー砲だろ!」

 最初に声をかけてきたやつが一番危険だと直感する。


「でも・・・」

「分かった、じゃあアリーシャと交代してくれ。アリーシャは、相手も癒すからな」

「うん」




「アリーシャ、バトル召喚」


 ノーマが、ポケットちゃぷちゃぷと一緒に消え、替りに、アリーシャが、バトル召還された。アリーシャは、エルフの戦闘服で、ドレスアップをしていた。まるで、フィギアスケート選手の様な出で立ちだ。人形のエルフが急に現れた。


「後衛たのむ」

「任せて」


 アリーシャが現れるのを見ても、戦士たちは、驚きもしない。


 ヒロは、最初の奴に宣戦した。

「ヒロだ。オレは、召喚士だ。どいつと戦えばいい」


「我々とだ。我らは、3人パーティだ」


 大きいのが楯役で、鎌が、前衛。レーザー砲が後衛か。やっかいだ。


 ヒロは、とっさに剣をライトセーバーに装備替えした。

 もし、後衛のが、本当にレーザー砲なら、前衛の鎌は、高周波ブレードということになる。普通の剣では、切り結べない。高周波ブレードを受けたところで、剣を切られてしまう。


「ライトセーバー」

 ヒロが選んだのは、光剣だ。このライトセーバーは、3段階変形する。


 ノーマル      刀サイズ 

 ディープベース  刀身が横広がりになり、楯のようになる

オーバーブレイド  ディープベースがそのまま伸びて大剣となる


 ヒロの職業は、クラフターだ。


 クラフター (改造屋)

 鍛冶屋の上位職業。武器を強化したり、武器に属性を付けたり、武器をかけ合わせたり、アイテムを付加したりと、オリジナルの改造をする。鍛冶屋を極めては、いないが、もちろん、中程度の武器なら一から作れる。



 この、ライトセーバーには、光の盾と、光の槍が付加されている。



 シュボボボボと、光の剣が伸びる。


 これを見た楯役の大きいのが、少し体を光らせた。たぶんバリヤーを装甲に張ったのだ。


 おれは、見覚えのあるこの大きな装甲をまとった昆虫人間に全力を出せと煽った。


「おまえ、クワガタだろ。武器も出せよ」


「クワガタじゃない、ゴングだ」


「いや、そう言う、種族の虫がいるんだよ。動く角を持っているだろ」


「なぜ、とっておきを? 後ろの御嬢さんに、怪我をさせたくない」


 やはり防御しながら、突進する気でいた。


「心配するな、彼女は、オレより防御が得意だ。アリーシャ、偏光膜も張っとけ。レーザー砲も来るぞ」


「うん、張ってる」


 ヒロは、心おきなくかかってこいとアピールした。


 アリーシャは、風属性の召喚獣だ。空気の幕をバリヤーのように使う。光学武器を偏向してしまう膜も張った。アリーシャに打撃系の攻撃は、ほとんど効果がない。少しでも、スペースがあれば、攻撃をいなしてしまう。魔法の類も、ほとんど避けることができる。治癒主体なので、自分を守ることに長けているが、攻撃は苦手だ。


 しかし、サポートとしては優秀だ。特に常用しているのが、タイフーンだ。大きな渦を発生させて、1点に、雑魚を集めてくれる。これが、殲滅のカギになる。今回の相手は、格違いだ。たぶん効かないだろう。


 だが、風は、用途が多い。


 残りの二人の名前も聞く。それほどの相手だ。

「おまえは?」


「シャーンだ」腕から鎌を出しているやつが答える。


「オレは、ガイガイオウ。オレ達に勝てたら、ビーが、道案内するだろう」


 三人の後ろに、蜂形の蟲人間が空中に、ホバーした。

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