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ロードオブ召喚獣  作者: 星村直樹
世界樹
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グワン将軍

ファウーーーーーーン


龍王城ワイバーン隊では、大警報が鳴らされた。この警報は、前例がない。


 龍の巣から信じられない数の大隊が、この空域に押し寄せて陣形を取った。今回の当番は、グワン千竜将である。グワンは、龍王に謁見して指示を乞うた。


「龍王様、賊です」


「うむ、貴様らが束になって掛かっても勝てそうにない。聖なる道に誘導するだけでよいぞ」


「戦わせてください」


「ならん、わしの指示を忘れるな」


 蟲たちに手柄を譲るものかと、グワンが更に戦わせてくださいと上奏する。龍王は、気張ってほしくないのだが、仕方ない。精鋭だけなら好きにしてよいが、ダメだったら、わしの指示に従えと訂正した。




 この龍王の間に、ドレスアップしたラヴィがやってきた。


「お父さん、ヒロじゃないの」


「そうだが、もう少し戦わせないと、兵士たちの気が収まらん。幸い誰も死んでおらん。良いか、わしの言うとおりにするんだ。ヒロと結婚したいのだろう」


「うん、でも・・・」


「とにかく任せろ。ムシキングも手伝ってくれる。お前は、戦闘に参加するな。分かったな」


 龍王の頭上から、黄金のムシキングが顔をのぞかせた。


 ラヴィは、父を信じて、頭を縦に振るしかなかった。


「ラヴィ、ウェンディだ。話があるそうだぞ。ウエンディよろしくな」


 ウエンディは、ニコニコしながらラヴィを誘った。


「ラヴィ、お母さんのことが知りたかったんでしょう。いま、龍王様から許可をいただいたわ。聞きたい?」


「聞きたいです」


 二人は、連れだって別室にさがった。龍王は、ため息をついて、ラヴィを見送った。




 ヒロのいる空域は、ワイバーンで埋め尽くされるほどになった。


「数は、いいんだが、飛翔石が持たないな。ノーマ、世界樹の幹に、逃げ込めそうな狭い横穴を探してくれ」

 ヒロがぼやく。


「わかった」


 そこに、他のワイバーンより二回りはでかい暗緑色の翼竜が、中央に出てきた。おれは、あれが、この大隊の指揮官だなと睨む。


「あの緑の強そうだな」

「緑竜様じゃないかな、見たことある。グワン将軍よ」


「強いんだろ」

「とにかく、すっごく硬いんだって。とても強い翼竜様よ」


「あれをやるか、三連コンボ」


「もし、グワン将軍の装甲以上に攻撃出来ちゃったら、やばくない」


「近接武器でやるさ。ならいいだろ」



 そんな打ち合わせをヒロたちがしている時、グワン将軍は、側近の進言を受け入れていた。最強の連携ができる五龍隊の5竜に、初戦を戦わせると言うものだ。大勢で一人を相手にしても、戦場が混乱するだけだと軍師のコウに進言された。


 五龍隊が、頭一つ抜け出て、ヒロと対峙しようとしたとき、ヒロは、剣をしまって浮遊石を割り、超高速でグワン将軍に肉薄した。


 おれは、浮遊石によって、これでもかと、緑に輝く。手には黒い鋼拳、足には白い飛翔脚を装着した。


 一瞬のことだ。


 アッパー脚、リフティングブロー、グランドインパクトの三連コンボが、グワン将軍のあごと脳天に決まった。


 アッパー脚:    下から上に蹴り上げる無双脚

 リフティングブロー:頭を釣り上げるように、パンチを撃つ

 グランドインパクト:大地をたたいてダメージを与え動きを封じる


三連コンボ

 ヒロは、これらの技を利用して、3連コンボを生み出した。

アッパー脚であごを攻撃、その回転を利用してさらに、リフティングブローで、敵の頭を吊り上げる。そして、敵の頭上にグランドインパクトを直接流し込む。最後のグランドインパクトを剣でやると、相手に致命傷を与えることができる。今回は、グローブだ。



「グワー」


 グワン将軍が気絶して下界に落ちていく。将軍が、敵に殴られただけで、戦闘不能になるのを初めてみたワイバーン達は戦慄した。


 側近のコウ軍師が、作戦を替える。


「火流連弾」


 隊長クラス100匹が、20匹づつ入れ替わりで、火流弾を打ち出した。


 ノーマが、水玉弾で対抗するが、永遠に続くのではないかというぐらい連弾が収まらない。実際は、3から5匹が、水爆によって落とされているのだが、救護され、戦線に復帰する。物量が違う。


 おれたちは、防戦一方になってしまった。


「防御は任せてくれ、逃げ場はないか、そろそろやばい」


「コンボ技を試すからよ」


 実際は、火流弾を潜り抜けて攻撃できるはずなのに、ヒロが、一挙に浮遊石と飛翔石を使ったので、戦線を維持するのがやっとだ。


「あそこ、ちょっとだけテラスみたいになってない?」

 ノーマが、小さい横穴を世界樹の幹に見つけて指さした。


「おう、助かった」

 あれなら、体の大きなワイバーンは、入ってこれないだろう。


 二人は、保々(ほうほう)の体で、小さな横穴に逃げ込んだ。



 それを見たコウ軍師が、大きくため息をつき、「龍王様の言われたとおりになった」と、つぶやいた。

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