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ロードオブ召喚獣  作者: 星村直樹
世界樹
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龍王サイモン

 龍王の居城は、世界樹の中腹にある。世界樹は、それほど巨大な木だ。バベルの塔を挟んで、エルフの浮島の対面にある世界樹は、地球の大きさの1/3しかないこの惑星の空気の量を保っているエアー発生器のような木で、命の木とか風の木とも呼ばれる。この惑星に1本しか生えていない巨木だ。


 世界樹を守っているのは、龍族ではなく、蟲族たちだ。このムシキングと龍王は仲が良い。


 二人は、龍王の嫁、ナーシャの力によって、人に擬体化出来るようになっていた。そうして龍王の間の手前にある謁見者の待合室にある休憩室で、誰からも隠れるように密会していた。当然、龍王の娘ラヴィのことを話し合っていた。今だと、ここに人は来ない。


 龍王はそわそわして落ち着かない。


「デビットどう思う」


「落ち着けよ、スーザンの所にいたんだ。次は、ここに来るぞ」


「あれが、戻ってこないうちに、こんなことに」


「ナーシャも、じき復活するさ。サイモンが、全部やるんだ。いいか、実体で会うんだ。威厳を保て」



 二人は、人の名前で話し合ている。親しい者にしか教えていない名前だ。


「それは大丈夫だ。実体だと、こんな感じにはならないからな。問題は、婿殿の説得だ。ラヴィは、もう、人の姿以上にはならない」


「そうでもないぞ、創世の時代よりはるか過去に事例があった。羽は、生えるようだぞ」


「本当か。それで、どうだ。婿殿は」


「本当に人か、ものすごいポテンシャルを感じる」


「私もだ」


「これなら、龍族も安泰だな。召喚士か、特異な能力だ」


「そうでもないぞ。まだわからないが、創世の世界からの来訪者は、2万人いる。彼らも成長すると同じ能力を持てる」


「・・・まず、無理だろう。彼らの言うレベル30は、一般の者では、到達不可能領域だ。ハイエルフに成れる者など皆無だろうし、両棲の魚人族に成れる者もいないのではないか。龍族になった者はどうしている。彼らが一番有望だ」


 ・・・・・

「何人か死んだ。ここでは、生き返ることもないのに、無謀な連中だ」


「声をかけてやれよ」


「そうだな、この件がすんだら、婿殿に頼むか。その方が、話が早いだろ」


 二人は、龍族の一大事を話し合っていた。ヒロの性でラヴィの成長が止まった。ラヴィは、ヒロへの嫁入り準備ができてしまったのだ。こうした例は皆無だと思われていたが、ムシキングが古い文献を見つけた。ラヴィは、人だけでなく、エルフとも、人魚とも結婚できるとわかった。


 だが、それでも、結婚させるしかない。ヒロに責任はないが、そうはいかないと二人は思っている。ラヴィが、もう、選んでしまっているのだ。


「ウエンディを呼んでくれ。ラヴィの助けになる」


「もう、こちらに向かっている」


 ウエンディは、ムシキングの奥さんだ。こういう時は男より、女の方が肝が据わっている。ウエンディもエルフのスーザンと一緒で、ナーシャの友達だ。ラヴィをほっとくわけがない。


「水竜王はどうだ。間に合うか」


「惑星の裏側だ。無理して飛んでる」



 水竜王が、龍族の知恵袋だ。裁定者として立ち会う。水竜王は、龍王の祖父に当たる。ずいぶん前に引退して、蟄居していたが、老骨に鞭打ってこちらに向かっている。


「やはり・・がんばれ」


「ありがとう、そうするよ」


 龍王は、手を広げて、どうも、と、あきらめの表情をした。



 そこに、ラヴィのメイド長が入ってきた。


「ここにいらしたのね。ラヴィ様がお戻りになりました」


「そうか、ヒロ殿は?」


「まだです。ゲートで、世界樹まではいらっしゃいますが、後は自力でいらっしゃるようですよ。時間はあります」


「そうか、なら、準備ができる。デビット、時間稼ぎを頼む」


「被害甚大だな。将軍達に向かわせよう。たぶん、死なないで済むだろう」


 ムシキングが、ヒロの足止めを引き受けた。

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