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ロードオブ召喚獣  作者: 星村直樹
首都星ラクールに出発
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旅人の酒場の吟遊詩人

 翌日は、ヒロがアマゾネスたちに武器をクラフトするので、全員、燐魚族の住処にいた。そしてその翌日。城に行くと、一昨日倒したタコの性で、ブルーシャークが、群れを作っているんじゃないかと思えるぐらい集まっていたので、探査を断念。アルテミス城の探査は、燐魚族に任せることになった。それでも、しばらくは、燐魚族と共にいて、作ったアイテムを使用した訓練をして過ごした。



 首都星ラクールに向かう日が迫ってきた。翌日、ブリーフィングがあって、翌々日出発という出発2日前。オレはというと、カナン山にある雷竜の町グランの旅人の酒場で、バーテンダーをしていた。ここの女主人、ラヴィの祖母であるリナの屋敷で、オレとホップは、居候をしている。ホップは、ここで、愛想を振り前ていればいいだけなのだが、オレは、そうはいかない。「暇なのなら働け」だそうだ。


 お昼時になった。


「おばあちゃん、来たよ」


「待ってたよ、なに食べたい?」


「ハンバーグ!」


「ショーちゃん。ラヴィがハンバーグだって」


「あいよっ」


 厨房から、料理長の声が聞こえた。


「よう、ラヴィ。今日は暇なのか」

 ハチは、コーヒーに自前のはちみつをたっぷり入れて「苦いが旨い」といった表情で、はちみつコーヒーをすすっていた。


「昨日まで、ウラヌスに居たよ。燐魚族のアマゾネスさんたちと戦闘訓練していたんだ」


 オレが作った武器に慣れてもらうためだ。


「すごいな。オレたちゃあクコの実を盗りに行って、みくまりのおやじに見つかってな、こっぴどく怒られたんだ。なっホップ」


 ぐぉん、がおーーんぐぉん


「な~んだ。ホップが居なかったら、危なかったね」


 ホップが、クコの実を採るのは、OKだったので、まあまあ、許してもらえたそうだ。


 どうでもいいが、なぜかこいつらは、カウンターにいるオレの前に座る。ラヴィがニコニコ話しかけてきた。


「仕事に慣れた?」


「慣れないだろ、今日で三回目だ。それも飛び飛びだろ」


「ヒロ、手を止めない」 リナに怒られた。


 現在、コップ洗い中。ラヴィ達の話に加わりたいのだが、そうすると手がとまる。


 カエラがやって来た。カエラは、旅人の酒場の前の家の子。


「ラヴィ様こんにちわ。あれーハチ、また、油売ってんの」


「違うぞ、見回りだぞ。サファイから聞いたんだ。うちにも来てもらいたいだろ」


「私もそうよ。楽しみね」


 カエラもオレの前に座った。サファイの情報か。こいつらの目的が分かった。ギルド長のビエラも向こうで飲んでいるし、お昼にしては、人が多すぎる。


 カランカランと、扉の鈴がなる。


「ラヴィ!」

 アリーシャが手を振って、おれのカウンターにやって来た。

「あれー、バーテンダーさん。いらっしゃいは?」


「い、いらっしゃい」

 くっそー、なんか、負けた気がする。


 アリーシャに続いてサファイと、詩音がやって来た。詩音は、ギルド柴火のギルマス。柴火は、吟遊詩人の集まりで、情報屋でもある。詩音は、今日、ここで歌いたいとやって来た。本当は、まだ、ジラーフの浮島からは外出禁止なのだが、アルテミス城の隠し扉を教えてもらったので、そのお礼に、旅人の酒場を紹介することになった。付き添いがサファイ。ジラーフの浮島にあるゲートは、ここグランに繋がっている。これからは、ちょくちょく、ここに来てくれるだろう。


「いらっしゃい、詩音さん。ヒロです」

「ラヴィよ」

「ハチだ」

「カエラよ」


「詩音ですよろしくお願いします。へー、あなたがラヴィなんだ。わたしは、テレビで、ジャスト召喚のラヴィしか見たことが無かったのよ。それで、この綺麗な人は?」

「綺麗だなんて」

「わたしのおばあちゃん」

「嘘、そうは見えないわ」

「詩音だったっけ、オレンジジュース飲む?」


 リナが、詩音を気に入った。酒場の主人に気に入られたのだ。旅人の酒場のギルド長、ビエラもやってきて楽しく話し出した。詩音は、竪琴を持ってきている。今日、何曲か歌ってくれる予定。


「ヒロさん慣れました?」 サファイも、アリーシャも、おれの前に座った。詩音は、リナとビエラと話し出した。


「まだ、飲み物の作り方を教えてもらっていないんだ。ジュースでいいか。アリーシャも」


「ジュースでいいですよ」

「わたしも」


 オレは、オレンジジュースをいっぱい作って、客に配った。詩音のオレンジジュースは、もちろんリナのおごりだ。詩音は、ビエラに案内されて、店の中央ににあるステージに上がった。


 元々、エルフの歌声には定評がある。ざわざわしていた店内が静まり返った。吟遊詩人としては、ざわざわしている方が雰囲気が有るのだが、パグーでは、珍しい職業なので、みんな興味津々なのだ。


 詩音は、スロージャズっぽい大人の歌を歌いだした。みんなが、リラックスできる曲。歌に聞き惚れもしているのだが、ちゃんと昼食も食べだした。中には、ワインを頼む連中まで現れた。

 コップ洗いは、歌の後でいいだろう。オレも詩音の歌に聞きほれた。リナが耳打ちしてきた。


「いいわね、あの子。これからも、うちで歌ってくれるんでしょう」

「そりゃそうですよ。詩音さんは、こういう所で歌うのが好きなんです」

「いいね。でも、仕切りは、私だからね」

 ビエラも、詩音を気に入った。


 詩音は、三曲歌って戻ってきた。店内の拍手がすごい。


「お疲れ様です」


 みんなにちやほやされ出した。


「他に何か、お礼できることはありますか。これじゃあ、お礼にならないですよ」


「本当! 私、アルテバロンの酒場にも行きたい」


「あそこは、レベル20ないと、行けないです。ファングさんたちがおかしいんです」


「じゃあ、これを作ってくれない? 本職は、ピアノなのよ」


 そう言って、ライトボードに、ピアノの写真を出してきた。


「おれじゃあ無理です。ドワーフのハイネさんを紹介します。ハイネさんに、ドワーフのガブさんを紹介してもらってください。きっと大喜びで作ってくれると思います。その代わり、お酒をいっぱい飲ませてやってください」


「ハイネって、ブルーブルの?」


「もうすぐ、ファングさんと結婚です。結婚式までに、レベル20になってください。多分結婚式は、地下都市のアルテバロンになると思います。二人とも、詩音さんに歌ってもらいたいと言ってました」


「そうなの、頑張る」


「オレも呼んでくれって言ってくれよ」

 このカウンターにいる連中で、結婚式に呼ばれていないのは、ハチだけ。


「私が言ってあげるよ」

「本当か。それで、アルテバロンって、どんなところだ」

 カエラとハチが話し出した。


 詩音は、情報収集もする。


「アルテミス城は、どうだった?」

 詩音の問いに、ラヴィとアリーシャが、アルテミス城の詳細を話し出した。これにサファイが加わる。


「ヒロ、悪いけど、コップ洗いに戻ってね」


 そろそろ客が引けだした。詩音のおかげで大盛況。オレの仕事も大盛況になった。

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