9 食の豊かさは心の豊かさ
この話を投稿し始めて1か月たったけど、感想が一切ない件について
逆に気持ちよくなってきた俺のM疑惑浮上
あーさ、ではなく昼前です。
掲示板を見ていたら寝落ちしました。宿屋で見ててよかった。
と言うか、ゲーム内でも眠る事が出来るのか。今までやってきたゲームでは初めてだよ。
一旦ログアウトしよう。まぁ、すぐに戻ってくるけど。
さてと、ギルドに行って素材の買い取りをしよう。その前に飯にしよう。
空腹度は基本的に非表示になっているため、設定を弄らないとメニュー画面では見れない。
既に見れるようにしていた空腹度は、現在12%。
減りすぎワロえない。なんでやエ藤!?
状態異常空腹の判定は10%以下かららしいので、結構ヤバい。移動中になりそうな気もする。
草類でも食べて誤魔化そうかと一瞬考えたが、生憎と俺はト○○コでもチョ○○でも○○ンでも無いため無駄だろう。
そもそも説明文にある通り、そのままだと苦い。
少なくとも食べ物のカウントには入れたくないのが心情だ。
まぁ、宿屋のすぐ近くに飯屋があるからそこに行こう。そうすれば全てが解決だ。
そう思って宿屋を出たら、腹が鳴ったんですがどういうことだよ。
そして状態異常ですお腹が空きました。
つーか、燃費悪すぎじゃね?一食抜いただけで餓死寸前かよ、おかしいだろうがどういうことだ。
そんなことを考えていてもどうしようもないので、飯屋に行こうそうしよう。ってもすぐ隣だけど。
注文は一番早く出せる物を頼みました。そしたら数分で出ましたやったぜ。
随分平べったいパンにハムとか野菜とかが挟んである。
パニー……なんだっけ?パニ何とか言うサンドイッチの親戚だったはず。
ハムとレタスとトマトと言う、王道な具材のコラボーレーションが食欲をそそりますな。
もう名称なんてどうでもいいやろ。美味ければそれでいい。それが全てだ。
兎に角一口。大きさはそこまで無いので、その一口で半分が減ったのはご愛敬。
レタスのシャキシャキ感に、トマトの酸味が実にいい。
ハムの塩気もバッチリマッチしている。
味付けも濃ゆくないのが個人的にはベストです。
しかし、当然だがこれだけでは足りない。
素朴な薄味も好きだが、ガツンと濃ゆいのも好きなのだ。
男の子ですからね、仕方がないね。
肉だな肉。たっぷり肉が食べたい。
そんな料理があるかどうか聞いてみたが、あるそうなのでそれを注文してみる。
あと、キッチン側にピザ釜みたいなのも見えるので、チーズたっぷりのを頼んでみる。
こんな食生活続けていたらデブ待った無しだな。仮想現実万歳!
ところでメニューってないの?今更だけどさ。
あぁ、ついでにティアとマルコの食事も済ませられないだろうか。
ダメ元で聞いてみたら意外にも快く許可が貰えた。当然だが暴れるのはダメだと言われたが。
二体を召喚して、お菓子と肉を出して渡す。
砂糖をふんだんに使ったビスケットだが、一枚でティアの顔くらいある。
比較対象が小さいからそうなるだけとはいえ、なんともメルヘンチックな感じである。スクショ撮っておこう。
マルコには豚肉をプレゼント。
店内だったら皿とか用意した方が良かっただろうけど、この店はオープンテラスだから問題はないでしょう。
そして思い出したわパニーニだよパニーニ。
確か……パンの厚さで名称が変わったはずだ。正直どうでもいいです。
うん、サンドウィッチとコーヒーがよく合う。
喫茶店のモーニングセットってこんな感じだよね。もうとっくの昔に過ぎたけどな!
朝食っていないから朝食兼でいいやん。
つまり、俺にとってはモーニングなんだよ。
そしてやってきましたメインの……グラタン?肉たっぷりの料理って頼んだんですけど……
とすれば、チーズの下に大量の肉があるのだろうか。
フォークを入れて掬い上げてみると、ミートソースや平べったい何かがあった。あっ、コレ匂い的に小麦が材料だな。
何かこんな料理あったよね。ラザニアでいいんだっけ?肉たっぷりでミートソースは予想外ですよ旦那……
美味そうだから全く問題は無いけどね。
そしてメインのピザも来ました。酒が欲しくなりますね。炭酸でもいいぞ。
つーか、出て来たものオール炭水化物じゃん。
パンにパスタにピザですよコレ。こんな食事もたまにはいいよね!
どうやらこのアバターの燃費超悪いような気がするっぽいから、この位のカロリーが必要不可欠なんだよ今思いついた言い訳ですハイ。
バカなこと言っていないで食事の続きだ。
まずはラザニアから。突き刺したままのフォークで一口。
意外にも肉の味が強い。それがチーズと平パスタとの相性抜群である。
味的にそれ以外の具材は入っていないっぽいな。実にシンプル。だが、それがいい。
しかし、どうやらチーズの層は上のみのようだ。ちょっと残念。
それ以降は、平パスタとミートソースが交互になっている。
多分三層くらいかな?
案外簡単にフォークで切れた平パスタは、全部で三枚みたいだし。
実際に作るとするなら、こんな平べったい麺が何処に売っているかを探す事から始めなければならない。
そこまで情熱持って作るほどでないな。
やはり自炊は手軽さが命だろ。外食万歳。
そして、一応メインのピザだ。
チーズ以外にサラミと少量かかったパセリくらいしかない。
既に六等分にされた熱々の一つを、口の中に放り込む。
うん、実にチーズだ。しかも、味が複数ある。
何種類だろうか?多分三か四だと思うけど……
こういうのを何て言うんだっけ?クワトロフォロ---何とかかんとか。
あーもー名称なんてどうでもいいっての。
あー、マジで酒が欲しい。ビールかワインが欲しい。シュワッとした飲み物が欲しい!
この際サイダーでも構わないから欲しいな。
この火傷しそうな油塗れの口腔中をすっきりさせてくれ!
まぁ、無いなら無いでいいけどね。
ごちそうさまです。食事が美味しいのは、とても良い事だ。
しかし、リアルでこの量食ったら腹パンパンだよな。VRだから気にしなくていいけど。
つーか、本当に美味しいわオルファンの飯。
この手のゲームって、食事が取れたとしてもあんまり美味しくないのがほとんどなのにね。
プレイヤー製なら話は別だが、NPC製でこの美味さのクオリティは驚愕の一言だ。
少なくとも俺が今までやってきたゲームはそうだった。
したことないゲームであったとしても、メシウマな飯の出てくるのって聞いたこと無いな。
あったら超話題になっているだろう。なっていないならそういう事だ。
いいぞもっとやれ。コーヒー苦すぎワロタ。
エスプレッソって味と香りはいいけど、量が少ないのが難点だよな。
こうしてオープンテラスで食後のコーヒーとか、優雅でいいですね。海外で旅行している気分に浸れるよ。
コレで本でもあれば完璧だったな。今丁度読みかけのがあってだな。
よーし、コーヒーも飲み終わった。嵩増し目的でミルクを入れてみた。
それもうただのカプチーノじゃん、と言うツッコミは受け付けません。
そろそろ狩りに出てレベル上げをする------のはもうちょっと後にしようか。
まだこの気分を味わっていたい。
ティアは俺の頭の上で寛ぎ、マルコは膝の上に置いてもふもふしています。
イカン、何かに目覚めそうだ……この毛並みの良さは魅力的過ぎる。
何もしていなくてコレなら、整えたりするとどうなるのだろう?
ブラシでもあったら買ってみようかな。これから先も、獣系の配下が出来るだろうし。
次に召喚しようと思っているのは馬だし、見付けたら買うとしよう。
買うとしても、種族によって毛並みも違うだろうから一本では足りなさそう。
出来る事なら、それぞれに合わせた物を買いたいものだが。
まぁ、今そんなことを考えていても仕方がないだろう。
さて、まずは素材の売却をしなければならないので、ギルドに行くとしよう。
時刻は二時前。人が多くなるのは朝と夕方らしいので、今の時間帯だったらほとんどいないだろう。
ついでにギルドがどんなところか見てみようと思う。
「ようこそ、冒険者ギルドボロウーノ支店へ。本日はどのようなご用件でしょうか」
第一印象、木製の市役所。受付は美人が多い。
奥で作業しているのは、大体が体格の大きな男たちだ。
当然ながら全員黄色のアイコン、つまりNPCだが。
「素材の売却をしたいのですが」
「でしたら奥の七番窓口からが、鑑定や買取をしている部門になりますので、そちらに移動をお願いします」
利用している人はそんなにいない。
案内された奥に行ってみても、俺以外に利用しようとしている人はいないようだ。
「……いらっしゃーい」
七番の窓口に居たのは、気怠そうにしている若い女性だった。
例に漏れず美人ではあるのだが、ダルダルした雰囲気が台無しにしている感が否めない。
「素材の売却をしたいのですが」
「ふぁ~そー、んじゃー出してぇー」
さらに、こちらを見向きもせずに欠伸かましながら対応している。
日本だったらガチギレされても文句は言えないだろうな。
まぁ、こちらとしては仕事をしてくれればそれでいいので気にしない方向で。
「あーぁ、ちょっと待っててぇーあーだりぃ」
いやーここまでくると、いっそ清々しさすらあるわ。
出した素材全てトレーみたいなのに乗せて運んでいくが、その動きが緩慢過ぎる。
彼女はナマケモノの親戚なのだろうか?
「いやー凄いもんだ」
「終わったよ、ほら」
そんなことを考えていたら、もう彼女が戻ってきていた。
しかも、取引承認のメッセージウィンドが出ているよ早いね。
金額は27万クレジットでした。まぁ、量的には少ないからしゃーないね。
まっ、こんなもんでしょう。コレで合計は50万ちょいか。
買いたい物は色々あるが、一番最初に買おうと思っている物の相場が分からないので微妙なところだな。
「はい、確認しました。ありがとうございます」
「あーい……ねむぅ……」
そして彼女、承認した途端机に突っ伏して寝始めた。
いやーやっぱりスゲーな色んな意味で。
コレでこの状況でこうなんだもの。いやー居るもんなんだなこういう人って……
「まー、どーでもいーやー。すみませーん」
「はい、何でしょうか」
「ギルドについて幾つか聞きたい事があるのですが、いいですか?」
「えぇ、構いませんよ」
横に移動して、別の窓口に居る職員に話しかける。
一応、ギルドではどのような事をしているかは掲示板で見た。
しかし、細かい事までは微妙だったので、その確認をしようと思う。
ギルドの主な業務は三つ。その一依頼斡旋、その二素材取引、その三パーティ斡旋である。
全部大体内容の予想がつくが、細かい事までは判らないので聞いておいた方がいいだろう。
一のヤツは素材やアイテムの納品や、戦えないNPCとかの護衛が多いらしい。
誰でもどの依頼が受けれるわけではなく、レベルやスキルで表示される内容が異なるとの事。
そりゃ、生産職に商人の護衛なんて任せられないわな。
その二は特に聞きたいこと無し。さっきやったから仕様は分かっている。
敢えて上げるなら、混む時間帯くらいだろうか。
早朝と夕方がピークなのか。だったらその時間は来るの止めとこ。
その三が個人的に詳しく聞きたい。
今はまだソロだけど、その内誰かと組んでやって行く事になるかもしれないしな。聞いておいて損はないだろう。
スキルや職などを予め登録しておいて、その条件に合うパーティに宛がうと言ったところだ。
勿論パーティだけでなく、普段はソロだけど人の手を借りたいと言う場合も利用できるとの事。
気が合えばそのまま正式なパーティを組むのもいいし、その場のみでもいい。
でも正直、掲示板とかでも出来なくはないよね。まぁ、信用できるのはギルドが介入している方か。
報酬とかの話って、第三者が居た方がスムーズに進むしね。
「他にも細かい事がありますが、概ねこんな感じですね」
「なるほどなるほど。忙しい中ありがとうございました」
「いえいえ、これからもギルドの利用をよろしくお願いしますね」
「では、依頼の内容を見てみたいのですがいいですか」
「でしたら一番窓口で閲覧が出来ますので、そちらに移動をお願いします」
そう言いながら指差した方向は、反対側の端にある窓口である。
まぁ、当然だが大した距離ではないため問題は無いが、受付のテーブルが円形だったら何て下らない事を考えてしまう。
実際にあったとしたら、それはそれで色んな問題が出てきそうだな。
そんな事を考えながら移動して一番窓口に到着である。
「すみません、依頼の内容を見せてもらえませんか」
「依頼ですね。ギルドに登録はされていますか?」
「いえ、していないです」
「でしたら受けれる依頼はこちらになります。登録は五千クレジットで出来ますが、登録されますか?」
「あー……いや、まだいいです」
「かしこまりました。登録は何時でも出来ますので、気が向いたら登録をお願いします」
渡されたのは薄い紙束である。
パラパラと流し読みしてみると、薬草の納品や店の手伝いなどの簡単な依頼ばかりだ。
当然だか報酬はかなり安い。子どもでも出来なくはないものばかりなのだから当然か。
登録をすれば多少は増えるのだろうが、今はいい。
「参考になりました。受けるのは登録をしてからにしたいと思います」
「かしこまりました。またの機会をお待ちしております」
やりたいことが多すぎて困る。依頼も近い内に登録してやってみたいものだ。
現在の時刻は四時前。狩りに出ると中途半端な時間なので、街の探索と買い物をしよう。
欲しい物も色々あるしな。
※メシテロ注意