7 一点特化はロマンの一つ
思った以上に遅れました
数戦してみた感想闇魔法編。面白い。
ナイドヘッドの威力はさほどない。
しかし、何らかの精神的な状態異常に罹る事が多い気がする。
シャドウボールの威力はなかなかだけど、状態異常は当てにしない方がいい。
どちらにも言えることだが、レベルが近かったり上だったりすると罹りが悪い。逆に差があると罹り易いようにある。こう言うのはよくあるパターンだけどね。
既に闇魔法のレベルは上がった。
これでもう一つ上がって、新しい呪文を覚えたら、通常魔法はレベル3で新しく呪文を覚えると思っていいだろう。
まぁ、掲示板で検証している人がもう居て、確証済みみたいだけどね。
でも、自分で確かめることも大事だと思う訳ですハイ。
数戦してみた感想香山編ですが、少々ぎこちない。
もとより戦闘用ではない事は承知していたが、前衛が出来るかどうかは微妙な所だ。
どちらかと言えば、後衛で矢とか撃っていた方がいいかもしれない。
勿論出来ない訳ではないのだ。槍で素早いワンコに攻撃を当てているし、ウサギの突撃にも盾を上手く利用して防いでいる。
この辺りは、流石の技量だろう。むしろ俺が見習うべき。
しかし、動きが単調すぎる。咄嗟の判断力は殆ど無いと言っていい。後ろからのウサギの奇襲に、全く反応できなかったくらいだし。
結構ボロクソ言っているが、所詮はレベル1の初戦闘だ。
この程度の問題、レベルが上がって経験を積めば解決する話だろう。その頃にはしっかりした前衛を召喚出来て、香山は本来の役割である生産に移って貰えばいい。
あぁ、レベル上がったので2だったな。筋力と技量に振っておこう。
ちなみに俺のスキルもいくつか上がった。蹴りと鑑定と遠見だけど。
そういえば、武器とか技術の武技ってレベルいくつで新しいのが出るんだろうか?小盾以外はレベル6なのに、蹴りに至ってはそもそも武技がない。
その辺りの情報が掲示板でないという事は、検証がまだ出来ていないのだろう。
この手の事はその内分かるようになるから、しっかり育てて行けばいいんだけどね。頑張るぞー。
ショウタテドウショウ……
さて、ドロップ率が今回糞です。合計で二十匹ほど狩ったが、その三分の一程度だ。
唯一魔石が剥げたのが慰めか。品質はEだったけど……
と言うかそもそも、敵の出現自体があまりない気がする。少なくとも、昨日であればこの倍は軽く居た筈だ。人も同じくらいいたけど……
だからと言っても、ドロップがしょっぱいな。そういう日もあるか。でも損した気分になる。
そういえば、補助スキルの1つに解体というのがあったな。ドロップ率を上げるためのスキルだったはずだ。習得に必要なポイントは補助だから少ないはずだし、忘れない内に取っておこうか。
とりあえずスキルの習得画面を出す。しっかし、相変わらず多いな。どの辺にあったっけ?検索とか出来ないの?
あったわ。検索して習得を……アレ?
【技術スキル】解体Lv1
倒したモンスターがそのまま残して、プレイヤー自らが解体する事が出来るようになるスキル。アイテムのドロップはなくなる。
※条件を満たしていないため習得出来ません
なんだコレ?この下に俺が取ろうと思っていた解体があったけど、技術の方にも『解体』と言う名前のスキルがあるのか。へー。
何と言うか、VRゲームだからこそ存在するスキルだな。普通のゲームで、動物の解体シーンとか無理がありすぎるだろうし。制限レーティング何歳になるのやら。
まぁ、欲しいのはこっちじゃないし、条件があるみたいだから習得は出来ないだろう。
しかし、面白いな。同じ名前のスキルでも、効果が違ったりする物があるのか。テキトーな単語検索したら他にも有るかな?
流石にそれを今やる勇気はない。もう既に新手が来ている。この戦闘が終わったら、補助の解体をを習得しておこう。
客は兎四羽にワンコ二匹だ。で、あるならば、速攻で倒そう。
「ティアはワンコどもを、俺と香山はウサギ相手!マルコは遊撃で隙だらけのを狙うように!」
火魔法を習得したティアだが、攻撃力がとんでもないことになった。出している火の玉はファイアボールよりも小さいのだが、それをいくつもボンボン出していやがるのです。
レベルが上がった影響か、MPの消費も抑えられている。なのに火力は上がっているのだから、敵からすればたまったものではないだろう。その上自動回復の回復率も上がっていると思うのだ。
マルコもそのスピードで敵を翻弄したり、隙の出来たのを狙って攻撃したりと、実に肉食の獣でハンターと言った感じだ。首とかに噛付いて食い千切ってクリティカルとか、結構あるから怖いわいいぞもっとヤれ。
俺も魔法と打撃を使い分けて攻撃をしているが、正直違和感が拭えない。
今までのVRゲームにおける俺のプレイスタイルとはかなり違うからなんだけど……
まぁ、これも魔法と言う要素が入った戦闘に慣れるまでの辛抱だ。
戦闘終了。ハッキリ言って、この辺の敵相手に負ける要素がないな。ぶっちゃけティアのみでも勝てるくらい。
そもそもだ、空に浮いているティアを相手にするには、遠距離に対処できる攻撃手段がないと不可能だ。
火魔法と言う、文字通りの火力を手に入れたティアさんには勝てぬよ。
そしてドロップが糞。品質は兎も角、剥げたのが角二本とはどういうことだふぁっ○○しっと。
もぅマヂ無理……解体習得しょ……
そのまま夕方近くまで戦闘続行。
解体を習得したとたん、魔石が一気に三つも手に入りましたどういうことなの……
ドロップもなかなかですが、品質は相変わらず。そこはまぁ、あまり気にしない方向で。
レベルとかも色々上がってウハウハですな。先ほど習得した解体とか一気に3になりましたよ。
闇魔法もレベル3になったので、新しい呪文が使えるようになりました。
確定と見ていいね。
【闇魔法】カースドガス
黒い煙を発生させる。煙の中に居れば居るほど、混乱や毒などの様々な状態異常を引き起こす
【闇魔法】シャドウシュート
大きな闇の玉を相手に打ち出す。一定の確率で、混乱や暗闇などの状態異常にする
レベル3の攻撃魔法は、全部『シュート』と付くのだろうか?少なくとも火、風、闇は付いているが……
そして、俺が注目しているのはカースドガスだな。
この『毒』の一文字よ。キタコレって感じである。
状態異常の中でも、わかりやすいダメージソースの代表格である毒大先輩である。
昨今のラスボスでも、条件が合えば毒殺が出来る辺り、その偉大さは留まるところを知らない。
低レベル縛りでは崇めて奉るレベル。
『格上は毒で削り殺せ』と言う偉い人の格言があるとかないとか。
香山もレベルが上がり、使えるスキルが一つ増やせるが、コレも選択式だった。
武器か生産か補助かの三択だったので、生産の裁縫を選んでみた。
一人暮らしが長いため、家事は一通り出来るが、針仕事の類は未だに苦手なのだ。針穴に糸を通すのに一時間以上かかり、指に針が刺さって布を血まみれにするレベルと言えば分かってくれると思う。
人には向き不向きがあるのです。
どっちにしても、香山の生産スキルが活躍するのはもっと先の話だろうけど。
今は是非とも、前衛として頑張って頂きたい。
ティアもマルコもレベルが上がり、戦果としては上々ではなかろうか。相変わらずティアの筋力は3が限界値のようだが。
生命力や体力も同様。初期値が限界であるらしい。
今でこそ無双状態だが、遠距離攻撃が出来る敵が出てきたら危険性が跳ね上がるので、主人としては心配ですわ……
戦闘回数はそろそろ百くらいになりそうだけど、ティアは一回も攻撃をまともに喰らっていない。
しかし、カス当たりでもHPが二割くらい削られるのだ。まともに喰らったら十割ダメージでもおかしくない。
最初期エリアでコレなのだから、進んで行けば行くほど敵も厄介になるだろう。
もっとレベルを上げていけば、生命力や体力に振れる事を切に願うよ。
「おぉ、ひんやりしていていいな」
「ですね。舌をチロチロさせているのもまたチャーミングでして……」
「・・・。お前とは長い付き合いだが、こういうところは未だに理解しかねるわ俺……」
「お前さんは肩に留まられると痛いから別の所にしてくれ……よーし、いい子だ。肉をやろう」
「ミストさん、マルコ君が羨ましそうに見てますよ」
「お前はさっきやったばかりだろうが」
帰りにまた同僚二人に遭遇しました。
今度は召喚モンスターを出した状態です。
ヤンちゃんの配下であるバイパーのウヌクは、俺の首に巻き付いています。ちょっと怖かったりする。
パトリック君の配下であるホークの前久は、肩に爪が喰い込んで痛かったので香山の頭に留まっています。
鑑定で見てみた所、全員レベルが一つだけ上がっていたので、俺と同じく狩りの帰りっぽいな。
「それで、狩りはどうだった?」
「いやー、中々怖かったですね。正直、ケンカとかまともにしたことがなかったので……」
「魔物さんに攻撃するのは嫌でしたけど……襲ってくる以上対応するしかないですよね」
感想を聞いてみたが、思っていた二人の反応とは正反対だった。
パトリック君は抵抗なく対応出来ると思っていたし、ヤンちゃんはモンスター相手に攻撃出来ないと思っていたのだが……
パトリック君は兎も角、ヤンちゃんが冷静そのものなのはかなり意外である。
「あー……気持ちはわかりますよ?ただ、コイツの家って代々猟師やっているんで……」
「野生の獣の恐ろしさは身に染みています。もふもふなでなで出来るのならやりたいのですが……」
「ほー」
なるほど、だから弓装備しているのか。ガチ狩人とは初めて会ったわ俺。
VRで猟はかなりやったことがあるけれど、リアルでは流石にないわ。
生まれも育ちも都心だしなぁ……
「パトリック君は……何か格闘技やっているんじゃないの?」
「…………えぇ、一応ガキの頃から空手をしています。でも、動物相手には通じないでしょう……」
「んーそうでもないと思うぞ?弱点とか対応とかはそうだけど、足運びとか攻撃の打ち方とかは応用できるでしょう」
「……そんなもんですか?」
「俺は出来たし、知り合いも出来たよ。要は使い方だから」
当たり前だけど、格闘技は対人しか想定していない。
しかし、モンスターなどとの戦闘で使用できる技も存在する。
人型の魔物も存在していたし、その時は培ってきた技術が相当にモノを言う。
バカと鋏は使いよう。使ってみて、通用するならガンガン使っていけばいいのだ。
「……まぁ、やってみます……でも、何で分かったんですか?自分が空手やっていたって」
「あー……勘、と言うか雰囲気的な?何かしらの武を習っていた人特有の気配と言うか、そんなものがあった。あと、怖かったと言いつつ次の狩りはどうしようとか考えていただろ?手足が時々ピクピク動かしていたし」
「………………なんで分かるんですか?」
「観察と経験から来る予想。長い事VRゲームで対人とか対モンスターとかやっていたら自然と身についていた」
「へー、ミストさんってすごいですね。漫画とかに出てくる達人みたいです」
「いやー俺とかまだまだよ」
VRゲーム初期時代からのプレイヤースキルは伊達ではないのだが、どんな業界にも上には上が居るものである。
上位陣はもっと頭おかしいんだよなぁ……俺とかまだまだ中堅もいいところだよ……
あいつら『小足見てから昇○拳余裕でした』みたいな事とか平然とやってのけるからな……どんな反射神経と予測能力だよ……
「そっすか……一体何歳なんですか……」
「君たちより年上なのは確実とだけ言っておこう。後は想像に任せるよ」
「ケンちゃ……じゃなかった、リッ君だった。リッ君そういう事聞くのはマナー違反なんじゃなかったの?」
「確かにそうだけど、お前には正直言われたくない。すみませんでしたミストさん」
「なーに構わんよ。ただ、性別は考えた方がいいよ。男性ならこうして笑って許してくれるけど、女性に聞いたら総スカン物だから……」
「なんか……実感籠ってますね……」
「聞くな……」
いや、ホント、女性って何でそんなに年齢とか気にするんだろうね……
「女性に年齢とか体重とか、そういう数値の話はNGな人は圧倒的多数ですよ」
「御尤もです。もう二度とその手の話題を振らんぞ俺は……」
「……理解出来ないがそう言うモノだと認識しておきます」
性別の差は、誰もが思う以上に深いのであった。しかし、どうしてこんな会話しているんだろうね俺たち。
いいから狩った物を換金しに行こう。
今回はギルドに行く予定だったが、その前にログアウトして飯の準備をせねば。
二人は先に換金しに行くらしいので、途中で別れました。
そう言えば、召喚モンスターたちの性別ってどうなんだろうね?
割りとどうでもいい召喚モンスターたちの名前の由来
ティア→某喜劇の妖精女王から
マルコ→ソロモン王72柱の35柱目から
香山→超有名着せ替え人形の苗字から
ウヌク→ヘビ座の星から
前久→某鷹匠の権威者から
あと、召喚モンスターたちにも一応性別は設定している