表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/9

1 キャラクターメイキングと準備



〈名前を入力して下さい〉


 名前……どうしようか?ゲームとかでデフォルトのヤツがあったらそうするんだけど、コレVRMMOだからそんなものないし……本名が片山霧彦だから『ミスト』でいいか。えーっと……m、i、s、u、t、o、っと。


〈同一の名前がないか確認をしています少々お待ちください〉


 おぉ、同一の名前はダメなのか。まぁ、サービス開始がついさっきだし大丈夫だろう。ダメだったら最初と最後に記号入れて誤魔化すわ。


〈確認が完了しました。問題はありません〉


 よし、これで『✝MISUTO✝』なんて名前は避けることが出来た。VRに限らず、オンラインゲームだと絶対にこんな名前付ける奴いるよな絶対。

 まぁ、かく言う私もその一人です(笑)。いいじゃんやってみたかったんだよネタネーム。


〈ステータスの振り分けをして下さい〉


 ステ振りは重要であるが、後でどうとでもなる。だからと言って、コレで就ける初期職業が決まるからスゲー重要じゃね?日本語可笑しくね?


 まぁ、いいや。今は重要という事でファイナルアンサー。

 種類は全部で七つ。


 体力:主に最大HPに関する数値。最大装備重量や、持ち物の総重量などにも影響がある。

 生命力:生存するための様々な事に関する数値。外傷による異常状態の耐性などにも影響がある。

 精神力:主に最大MPや発動の成否に関する数値。精神系による異常状態の耐性などにも影響がある。

 敏捷:移動速度やスタミナに関する数値。スペルやスキルの発動速度などにも影響がある。

 知力:魔法を使うために必要な数値。スペルの威力や、発動速度などにも影響がある。

 筋力:力を使うタイプの武器を使うために必要な数値。物理攻撃力や、最大装備重量などにも影響がある。

 技量:技を使うタイプの武器を使うために必要な数値。物理攻撃力や、スキルの発動速度などにも影響がある。


 以上の内から全100ポイントを振り分ける訳である。

 さーて、元々どういう方向で振り分けをするかを決めていたし。


 と言う訳で、こんな感じになった。


 体力  10

 生命力 10

 精神力 20

 敏捷  15

 知力  20

 筋力  10

 技量  15


 精神力と知力を高くしているのは、魔法関連の数値だから。はい、コンセプトは『魔法使い』です。近接戦はリアルスキルでどうにかするからいいやって感じで。一応格闘技経験者なんで。


〈職業一覧が表示されます。以下の中から選択して下さい〉


 よし、これは魔法使える職業択一だな。どれどれ……

 一番上に表示があるのがウィザード、次がメイジである。

 ・・・。何が違うん?おい、ヘルプとかないのかよ……あぁ、あったわ。


 【職業】ウィザード 初期職業

 魔法使いの一つ。主に精霊の力を借りて魔法を使う。火力があるが、貧弱であることで有名。


 【職業】メイジ 初期職業

 魔法使いの一つ。主に学術的な魔法を使う。魔法具の作成などもできる。戦闘には向いていない。


 わー、意外と違った。メイジは生産的な意味が強い感じか?俺はいいや。

 しかし、思いの外一覧多いな。『自由度無限大』のキャッチコピーは伊達ではないようだ。

 まぁ、最有力は一番上のウィザードかな……お?コレは……


 【職業】サマナー 初期職業

 魔法使いの一つ。主に召喚モンスターの力を借りて戦う。強力ではあるが管理が大変。


 ……いいんじゃねコレ?最初は誰かテキトーな人とパーティ組んで前衛を任せようかなって思ってたけど、これなら俺が管理してやればいいし、気楽に出来そうじゃね。

 管理が大変って書かれているけど、管理をしっかりすれば強力だってことだしな。責任はすべて俺にあるから、連携とかの面で揉めないし……

 なにより魔法職だしな。条件も当てはまるからコレにしよう!よし、決定!


〈種族一覧を表示します。以下の中から選択して下さい〉


 種族?人間以外にも獣人とかエルフとか他にもあるみたいだけど、こういう時は人間って決めているからな。


〈スキル一覧を表示します。以下の中から選択して下さい〉


 よし、初期スキル。これも色々あるな。

 武器、魔法、技術、生産、補助の全五種類あるようだ。

 これらの中から全部で……おや?


【魔法スキル】召喚魔法Lv1

 使役するモンスターを召喚する魔法スキル。レベル向上に従い、より多くより強力なモンスターの使役が可能となる。召喚モンスターはパーティメンバーにカウントされ、主人の行動や命令によってレベルアップが可能となる。

 ※初期職サマナーを選択した場合強制的に取得となる。

 ※職業サマナーである場合控えに回すことは不可能。


 最初は全部で8個選択出来るようが、既に一つ埋まっている。

 どうやら、職業によっては強制で取得させられるらしい。

 まぁ、召喚術士名乗っておいて召喚出来ませんじゃバカだわ。うどん注文して麺無しみたいなもんだよ。

 よし、あと7つ選ぶか。あぁ、魔法技能もどれか一つ絶対なのね。まぁ、魔法使い名乗ってて魔法使えませんじゃ以下略。

 しっかし多いな……とりあえず……こうだ。


【魔法スキル】火魔法Lv1

 主に火の力を使った魔法を使いこなすための戦闘スキル。レベル向上に従い、様々な呪文を得られる。非常に攻撃向き。


【魔法スキル】風魔法Lv1

 主に風の力を使った魔法を使いこなすための戦闘スキル。レベル向上に従い、様々な呪文を得られる。補助にも攻撃にも使える。


【武器スキル】杖Lv1

 主に杖やロットタイプの武器を使いこなすための戦闘スキル。レベル向上に従い、様々なプラス修正と武技を得られる。


【武器スキル】小盾Lv1

 主に小盾タイプの武器を使いこなすための戦闘スキル。レベル向上に従い、様々なプラス修正と武技を得られる。


【技術スキル】蹴りLv1

 主に足での攻撃によって戦うための技術スキル。レベル向上に従い、様々なプラス修正と武技を得られる。


【補助スキル】鑑定Lv1

 アイテムやモンスターなどの情報が、よく分かるようになる補助スキル。レベル向上に従い、多くの情報が解るようになる。


【補助スキル】遠見Lv1

 離れた所の物を見えやすくするための補助スキル。レベル向上に従い、有効範囲が広がっていく。



 この8個で行こう。火と風って何か相性良さそうだし、杖は魔法使うなら必須でしょう。盾はほとんど何となくだけど、守りって重要だと思うの(棒)。

 後のは……まぁ、目についた物をテキトーに。スキルに関しては後でも入手可能だって聞いたし、アレだったら替えればいいしね。


〈アバターの容姿を作成して下さい〉


 容姿……余程のブサメンでない限り何でも良いか。あぁ、せっかくのファンタジー世界だから髪とか目とか肌の色は弄るか。通常ではあり得ない色にしよう。

 えーっと……髪は青にしよう。一番好きな色だし。目は……濃ゆい青で。肌は……魔法使いだから真っ白でいいか。日に当たらないイメージからして。

 後は現実の顔で。でもちょっとだけ彫を深くしてみる。アジア系の平面顔で、黒以外の髪は合わないだろうと言う偏見交じりの考えの元ですはい。


〈登録情報の確認が完了しました。オルタナティブ・アース・ファンタジーの世界へようこそ!〉


 そのメッセージを確認した瞬間、一瞬視界が暗転したと思ったら人がごった返した街に居た。

 その多くは獣成分入っていたり、耳が尖っていたりするが。人間っぽいの少なくない?

 どうでもいいか。


 でだ、此処がスタート地点となるらしい。暫くの間は、この街が活動拠点となるのだろう。

 さてと……早速フィールドに出て魔法をぶっぱしてみたいのだが、その前にパートナーとなる召喚モンスターを召喚してみたい。

 とりあえず人が居ない所に移動……って装備品とかどうなっているんだ?そっちの確認が先か。

 メニューを呼び出して装備の欄にタッチ。現在身に着けている服は『初心者の服一式』と言う物だった。まんまやね。性能に関しては、「お察し下さい」って感じだな。

 それ以外に武器とかそういうのはない。しかし、お金はある。一万丁度だった。ちなみに通貨は『クレジット』であるようだ。

 多くね?それとも物価が高いとか?ショップとかの情報まで確認してないからなぁ……


 まぁ、行けば分かることについて考えていても仕方がない。行動あるのみである。




【武器アイテム】初心者の杖 分類:杖 攻+1 耐久性∞ 品質D- レア度1

 触媒にも殴打武器としても使えるが、性能は最低限の物。扱いに慣れるための初心者向けの装備。


【武器アイテム】初心者の小盾 分類:小盾 防+1 耐久性∞ 品質D- レア度1

 攻撃から身を守るための装備だが、性能は最低限の物。扱いに慣れるための初心者向けの装備。


【回復アイテム】ポーション HP+10% 品質D レア度1

 一般的な回復系のアイテム。僅かではあるが体力が回復する。ハッキリ言って不味い。


【回復アイテム】マナポーション MP+10% 品質D レア度2

 一般的な回復系のアイテム。僅かではあるが魔力が回復する。ハッキリ言って不味い。



 とりあえず装備と回復系アイテムを買ってみた。コレがあれば最低限戦闘が出来るでしょう。

 何か色々あったような気もするけど、俺は早く魔法を使って戦闘がしたいんだ!

 武器屋と薬屋は、広間のすぐ近くにあったのが幸いだったね。

 初心者用とだけあって非常に安かったので、残りの金は回復アイテムにつぎ込んだ。

 と言っても、全額回復アイテムに使った訳ではない。後で必要だと感じたものを買うために半分は残しておいた。

 どうせ幾つかあるだろうけど、後回しにする。逸る気持ちが抑えられないのだ。


 これで漸くフィールドに出れる。お待ちかねの魔法ブッパ……の前に相棒の召喚だな。

 ワスレテナイヨ?ホントウダヨ?

 何はともあれ、フィールドに出よう。街中でモンスターが現れたらビックリするだろうし、余計な問題に発展しかねない。

 で、フィールドは何処?標識とかない?

 ファンタシー世界の街並みにそんなのあったら世界観ぶち壊しだわな。少なくとも俺はそう思う。


 自分では分からない事があった時は、よく考えるか人に聞くかの二択だろう。今回は人に聞くとしよう。

 目についたのは屋台で、何か焼いているらしく煙がもくもく出ている。

 頭上に出ている逆三角形のカーソルは黄色。つまりNPCだ。


「すみません、街の外に出るにはどちらに行ったらいいんでしょうか?」

「外かい?だったらこの通りを向こうに真っ直ぐ行ったら出られるよ」

「ありがとうございます。ちなみに何の肉を焼いているんですか」

「コレかい?暴れ鶏とワイルドピックだよ」


 つまり、鶏肉と豚肉か。普通の肉ではない辺りファンタジー食って感じだな。

 しかし、串に刺されて焼かれているので、ごく普通の焼き鳥にしか見えない。

 これで、焼いているおっさんの頭に捩じった鉢巻があったら完璧なのに……ないのが残念なくらいだ。


「なるほど……とりあえず一本ずつ下さい」

「おう、20クレジットだ」


 味はシンプルに塩。部位はモモとバラだろうか?若干固いか?

 ぶっちゃけごく普通の焼き鳥屋で出てくるような味である。ちょっと期待外れ。

 このゲーム、五感が現実とほとんど同じと謳っているだけはある。食感まではっきりしているわ。

 あっ、鑑定してみるの忘れてた。まっ、いいか。後でも出来るし、今は外に出ることが最優先だ。


 屋台のおっさんから教えてもらったことに従い進んでみると、でっかい門があった。

 そこでは色んな人が出たり入ったりしており、それを武装した門番らしき人が両サイドに立っていた。どうやら検問とかはしていないようだ。

 しかしアレだな。入る人は兎も角、出ていく人は全員似たり寄ったりな格好だな。大半がワクワクを隠し切れないって感じの表情だ。

 さて、俺のお楽しみは戦闘だけではない。相棒たる召喚モンスターを呼び寄せると言う、初魔法の使用だ。

 道のど真ん中では邪魔になるだろうから、門を出てすぐに横道に逸れる。外側にも居た門番さんに怪訝な顔をされるが、気にしない方向で。


 とりあえずメニューを開いて、スキルの欄をタッチする。現実に魔法なんてないし、どうすれば使えるかなんて分かる筈もない。

 しかし、大体の予想はつく。呪文を唱えればいいのだろう。その呪文を知るには、会得したスキルを見ればいい。



 ・サモンモンスター(召喚魔法)

 ・リターンモンスター(召喚魔法)

 ・ファイアボール(火魔法)

 ・ファイアアロー(火魔法)

 ・エアカッター(風魔法)

 ・エンチャントウィンド(風魔法)


 そう思っていたら呪文一覧なんて便利機能がありました。やったぜ親切。

 とりあえず最優先で確認するのは、召喚魔法のサモンモンスターだろう。説明文を見てみると、契約したモンスターを召喚する呪文であるとの事。まんまやね。


 とりあえず唱えてみよう。どうやら呪文を使う時は、使いたい呪文名を言えば発動するようだし。


「サモンモンスター」


〈初期召喚のみランダム召喚になりますがよろしいですか?〉


 最初はランダムだったら、次からどうすればいいの?

 まぁ、初魔法が失敗じゃないだけいいか。ランダムってのも一種のロマンだ。

 選択肢のイエスをタッチすると、眼下に魔法陣が出現して------


 フェアリー Lv1 ????

 

 体力  8

 生命力 3

 精神力 20

 敏捷  17

 知力  20

 筋力  3

 技量  5


 スキル

 回避 MP自動回復(小) 〔 〕



 小さく可愛らしい容姿の、羽の生えた小人がそこに居た。えっ?


【召喚モンスター】フェアリー 主要戦闘位置:空中

 妖精。死んでしまった幼子の魂に精霊の力が宿った存在。体格が非常に小さい上に空中を素早く飛び回るため、攻撃が当たり難い。主な攻撃手段は各種属性魔法。


 説明文が地味に重いな。

 おおぅ、俺の周りを元気に飛び回ってます。その飛んでいる後ろが、少しだけキラキラしています。如何にもファンタジーの住人って感じですね。

 あぁ、名前付けてなかったよ。あと、魔法の属性も選べるんだ。へー……

 おう、肩に止まってこちらを見てますな。

 パッ、と見ても性別の判断が出来なかったが、よく見ても出来んな。

 固まっている俺に対して、不思議そうに首を傾げている。可愛らしい。

 うん、ちょっとだけ待っておくれ。


 ・・・。前衛…………居ないじゃん…………

 


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ