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名もなき盾  作者: 安楽公の罠
第4章 勇者レオン編
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新たな勇者、レオン

【前回までのあらすじ】

勇者リナ、ユリウス、セリアを喪い、一行は再び王都へ戻っていた。

それぞれの胸に、守れなかった者たちの記憶と教えを抱きながら歩んでいた。


 勇者を三人喪い、人々の陰口はますますひどくなっていった。

街を歩けば視線が突き刺さる。それでも、私たちは新たな勇者に従うことになった。


 その名はレオン。

武門の家に生まれた青年で、豪胆にして明るく、兵からも慕われていた。


「勇者は、みんなを導く灯だ。

名誉や称賛じゃなく、誰かに勇気を与えることが勇者の役目だろう?」


 そう笑う彼の姿に、私はかつてのリナの光を見た。



 私たちは再び国境砦の防衛線に駆り出された。


国境砦の攻防戦は、すでに幾日にも及んでいた。

魔王軍の攻勢は鈍り、矢の雨もまばらになっていた。

だがこちらも同じだった。

盾は欠け、矢筒は空に近く、兵たちは息も絶え絶えに立ち尽くしていた。


 勝敗は紙一重――わかっているのに、誰の足も動かない。

砦の上に漂うのは、血と疲労の匂いだけだった。


 その沈黙を裂くように、ひときわ強い声が響いた。


 「うろたえるな!」


 短いその一言に、砦全体が震えた。

勇者レオンが、肩口から血を流しながらも剣を敵に向け、立ち上がった。

鎧は焦げ、呼吸は荒い。それでも背筋は真っ直ぐだった。

その姿に兵たちは再び剣を握り直した。


 確かに彼は勇者だった。


お読みいただきありがとうございました。

次回は 11/8の朝8時ごろ を目安に投稿する予定です。よろしくお願いします。

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