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名もなき盾  作者: 安楽公の罠
第3章 勇者セリア編
12/15

抱きしめる強さ

【前回までのあらすじ】

陰口に沈む中、赤毛の少女セリアが現れ、アレンたちの心を再び温めた。


 彼女の名はセリア。教会の孤児院で育ったという。


 幼い頃から年下の子どもたちの面倒を見てきた。

姉のように慕われ、同時に多くの幼い命の死を見送ってきた。

病、飢え、寒さ――守り切れなかった命の数だけ、彼女の心には「受け入れる」という強さが刻まれていったのだ。


「勇者なんて、たいしたもんじゃないよ。ただ、ちょっと人より前に立つ役を押し付けられただけ」

 彼女はそう言って笑った。


 リディアはそんなセリアとすぐに打ち解けた。

教会に関わりを持つ者同士、価値観が重なる部分が多かったのだろう。


 ある夜、焚き火の前でリディアが呟いた。

「神はすべてを見守るけれど……私にはまだ救えない人がいる」

 するとセリアは迷いなく笑って答えた。

「じゃあ、私がその人を抱きしめるよ。大丈夫、一緒にいるから」


 そのやり取りは、私たちの重苦しい隊に光を差し込むようだった。


お読みいただきありがとうございました。

次回は 11/1の朝8時ごろ を目安に投稿する予定です。よろしくお願いします。

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