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第1章 キーを見つけた日

放課後の教室に、西日が差し込む。

 譲は机に突っ伏しながら、スマートコンタクトレンズをタップし、ログイン時間を確認した。残り三時間で妹の面会に行かねばならない。


「篠宮、また徹夜で狩りしてただろ」

 声をかけてきたのは白神カナタ。相変わらず完璧に整えた銀髪が眩しい。


「徹夜じゃなくて早朝周回。――で、何の用だよ」

「七周年記念、やる気あるのか聞きに来ただけ。あたしはトップランカー維持で手一杯」

「世界が終わる前に、ランキングなんて意味あるのか?」

「意味を持たせるのよ。終わるって分かってても走るのがプレイヤーでしょ?」


カナタはふっといたずらっぽい笑みを残し、教室を去った。

 譲は内ポケットから、古びたメダルを取り出す。銅色に輝く小さな鍵型のアイテムコードタグ――〈ワールド・エンド・キー〉。一週間前、NAO の廃墟ダンジョンで偶然拾ったものだ。


説明文は「使用条件不明」。どのWikiにも情報はなく、トレードも不可能。

 だがあの瞬間、譲は確かに聞いた。システムではない“誰か”の声を。


『それを握る者に、世界の終わりを託す』


譲は震える指でタグを握りしめ、病院行きのバスに乗った。



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