集塵トイレ掃除屋さん
私はトイレ掃除の仕事を行っている。
今や一家にひたつあるのが当たり前になったが、集塵トイレの掃除だ。
集塵トイレで用を足す際、人間の負の部分も一緒に身体から出ていくのだ。
負の部分が集塵トイレに溜まりすぎると、トイレが人格を持ち始め、用を足しに来た人を食べてしまうことがある。
そのため、定期的に掃除を行い、負の部分を回収しなければならない。
今日掃除に行ったお客様のトイレもなかなかにストレスが溜まっていた。
掃除機のようなもので吸い込み、会社に持ち帰り、燃やす。
ただ、この世は負のエネルギー量、正のエネルギー量はそれぞれ不変らしい。
燃やしたからといっても、どこかでまた負のエネルギーとして存在しているんだと思う。
帰宅してテレビをつけると、速報でニュースが流れていた。
どうやら人格を持った集塵トイレ達が各地で正常な集塵トイレに訪れ、負のエネルギーを注入し、人格を持たせているようだ。
これはまずいと思い、早速自宅の集塵トイレを確認しにいく。
ドアを開けた瞬間、私は蛇に睨まれた蛙の気分になった。
私はすぐに飲み込まれた。
もう、食べられて死んだと思ったけど、飲み込まれてたどり着いた先は負のエネルギーで出来たテーマパークだった。
そこではジェットコースターや観覧車など私が好きなもので溢れていた。
なーんだ。負のエネルギーいい使い方してんじゃん。
そして私は集塵トイレの住人となった。