少年は免許を不正に入手する算段を付け海底鉱山へ行く約束を交わす
もはや形骸化した授業であったが休憩時間に入りレヴィンは船室から出た
『何あんなの....と仲良くしてるのよ....』
海洋恐怖症を抱えつつ船に放置されたカルレアはレヴィンが楽しくしている様を見て怒りが治まらない
『いや親友だし・・・』
『距離が近すぎル』
『彼は本当に男が好きなんじゃないの?』
『無詠唱の事を通報しちゃったみたいで必死に謝ってくれてただけだよ』
『すんなり許して談笑してたの?』
オーナーの件もありレヴィンが操られてないかカルレアは訝しむ
さっきまで話していたことをカルレアとリレアに一通り話した
『ロイに八つ当たりした所で、他の人達もきっと通報してたし元より俺が悪いのさ』
カルレアはレヴィンの言い分に違和感を感じ取れない
リレアも黙って話を聞くだけで何も異を唱えなかった
矛先は彼の父親に向いた
『彼のお父さんってどんな人なの?博物館を沢山周ってた事もあったけど展示されてる国宝級の魔道具より恐ろしいわ』
『ロイのお父さんは・・・見た事ないけど』
『僕の父さんは海底鉱山を制覇した事もある優秀な魔法使いだよ、遠征ばかりで全然家に帰ってこなかった』
今まさに船室から出てきたロイが急に話に割って入ってみせる
『聞き耳立ててたんダ?』
『僕は君達と一緒に海底鉱山に行きたいから、わだかまりは無くし信用はされたいんだ。』
『貴方レヴィンと同じくらい弱いんでしょ?気の知れない貴方と行くなら3人の方がマシよ』
『ロイは何でそんな急いで海底鉱山に行きたいんだ?今じゃなくてもいいだろう』
『父さんがこの少し先の海底鉱山に探索に行って一週間帰ってきてないんだよ』
カルレアの疑心が強くなっていく
仮にも父親の偉大さを知りながら海底鉱山へ救出に赴く無謀過ぎる上に
海底鉱山の制覇は私達の状況を打破するのに、あまりに都合が良すぎる
『貴方が私たちを連れていく海底鉱山に誰か待ち伏せてたりしない?』
『謀るつもりはないです、呼応石は魔物によって破壊されるので潜伏にしても難しい環境かと
内部と連絡できるなら父さんから何かしら届いていますよ』
この中で海底鉱山の実態に詳しい者は、ロイのみで3人はあくまで噂話しか知らない
そして突然首輪から弓を取り出す
『これがあれば、弱い僕でも負けないんだ 特殊な魔石のおかげで父さんがこの弓にかけている魔法と力を100%引き出せる』
カルレアとリレアは弓が放つ禍々しいオーラに影響され身動きや思考を遅延する、レヴィンは首輪を付けていたせいか何も感じなかった
2人に影響が及ばない範囲までロイは少し離れていき見せつける
禍々しい弓はレヴィンの心をくすぐり、ロイに纏わりつき羨ましがっている
『海底鉱山には地上の鉱山にはない魔石があってね、僕がオーナーを納得させたのもそれ由来の魔石を使ったんだ』
2人に緊張が走る、目の前の少年は弓を持つことによりガルダより魔力が溢れ魔石による正体不明の力を複数匂わせている
『最初からその力で私達を言いなりにさせればよかったのでは?』
『それじゃあ信用も深い絆も生まれないから、レヴィンの用に首輪を付ければ耐性がつくから
希望があればお渡しするよ』
カルレアとリレアは二人で相談している
どのみち管理局から逃げ続けても、また対面する機会は必ず訪れる
危ない橋を渡り、得られる力もあるなら矢を持つ少年と組んで海底鉱山を攻略した方が確かに今後の生存率も戦略の幅も広がる
確かに噂のみでしか知らない、国家の国防を担う魔軍の精鋭部隊ですら撤退する事もある聞く海底鉱山に彼の父親は制覇
それを物語る証拠を振りかざし目の前にいる。
無知の強者より知識が多少ある弱者を護衛する方が攻略が捗るだろうと、やむなく計画を受け入れた
レヴィンはロイから弓を貸してもらい、かっこよさにはしゃいでいた
『これくれよ』『だめ』
『追われてんだよ海底鉱山行く報酬でくれよ?』『レヴィなら無くても余裕よ』『管理局舐めすぎだろ』『弓より剣の方が似合うよ』
『やだ!!!!!!!!これがいいもん!!!!!!!!!!!!』
カルレアとリレアは勝手に童心に帰っているレヴィンに呆れていた
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