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敵は父を乗っ取り母を殺し、襲来した

レヴィンの父親の体を乗っ取った魔法管理局 副局長のガルダは

終業時間後、日が回る前に行動を移した


世界中の各地に設置されている職員用の呼応石から

目的の場所付近に転移し即座に仕事を開始した    

『索敵し 逃げ場を作らず 焼き尽くせ』 

1つの詠唱によって3つの魔法が同時に発現する

『うーん...2人だけか、しかも女』

既に展開されてる守護と簒奪魔法によってガルダは燃えてる中を平然と歩きカルレアの家に向かう


カルレアの家を中心として半径500mの地に転移妨害の結界が張られ

木々を焼き尽くしながら、火は中心を目指している


『やはり父親の体から今度は息子に移り、残った女は嬲り殺すのが一番ですかねえ

         ・・・・いや・・・確かあの女は』

残虐性を追求し魔導の幅を広げるガルダは

つい最近発現できた体を乗っ取る簒奪魔法の換骨奪体を楽しみ、効果の幅を追究している

本来なら父親を騙り息子をしばし育て上げた後に、無詠唱を行使できる息子を乗っ取りたかったが

立場を捨てる訳にはいかず、出来なかった


そのころカルレアとリレアは襲来したガルダを

周辺に張り巡らされてある探知と解析魔法によって即座に捉え戦慄していた

2人は魔力をレヴィンに補給させていたが、万全の状態であったとしても関係無かっただろう

勝てない事をすぐ理解し、カルレアは時間を稼ぐ攻撃と手立てを考え

リレアは逃走用の魔道具を準備していた

レヴィンはドタバタしている姉妹に気付きパニックになっていたが

足を引っ張らないよう覚悟を決めて気を引き締めた

ふと窓を見ると自分の父親が立っていて、再びパニックに陥った


『外にいるのは俺の父親だ!!!!』

『操られてるか偽物ヨ!!!落ち着いテ!!!』

カルレアは冷静に敵の展開している魔法の範囲と効果を確認から

逃走用の魔道具までに敵を足止めする時間を計算しているが

表情がどんどん険しく苦しくなっている

周りを焼き尽くしてくる炎が極大魔法で完全にかき消す手段がない

守護魔法を断続的に使わないと焼き尽くされ

450m突っ切った後に結界を破壊して外に出るなんて・・・

それでも3人で戦うよりは可能性がある・・・・・・・・

『私が足止めするから二人は裏から即座に逃げた方が良い』

 カルレアは顔を青ざめながら半笑いでそう言った

カルレアの危機迫る表情を見てレヴィンは

『あの外道は確実に俺を待ち侘びている

  俺が狂い悲しむ分だけカルレアよりは時間が稼げるはずだ』


一刻の猶予もなく争ってる暇は無いとレヴィンは反論を待たずしてすぐさま扉を出て行った


『ざっけんじゃねええ!!!何で父上の姿をしてやがる!!!』

『魔法管理局、副局長である私ガルダが、貴方のお父様の体を簒奪魔法で乗っ取りました

       上手く対処出来ればお父様は取り返せますよ~』

 不敵に笑うガルダにレヴィンは聞き入れなかった

『嘘だ!!!お前は俺含めた全てを滅ぼしにきただけだ!!!!!』

『いやいや、落ち着いてください、ここに来たのは私一人だけですよ~?

     副局長の私なら見逃してあげる事も出来ますよ』


 『!!なら二人だけはどうか見逃して欲しい、彼女たちは俺が騙しただけで何の罪もない』

『嘘は良くないですねぇ、彼女たちも罪人です

      魔法管理局の総裁によって長年見逃されていたんですよ』

『なら総裁のご意向に沿って見逃してくれ、俺はどうなってもいい』

『いや待ってください、私は貴方の父親の身体を乗っ取り母親を嬲り殺した男ですよ?』

  『あ!?なんだと!?』

 『どうなっていいわけもないですよねえ!!戦いますよねえ!?』

ガルダは取引する気は毛頭なくただ激昂し絶望する姿を楽しみたいだけであった


『『邪悪な使いの 加護を祓い 守護を阻害せよ』』

カルレアとリレアの二人がかりで副局長ガルダの守護魔法を打ち消し

リレアが守護魔法の発動を無効化する魔道具(アンチプロテクト)を発動させる


カルレアとリレアの助太刀からレヴィンは杖と無詠唱の両方で吸収魔法を何度も行使し続けている

    『我が父上から 邪悪を 奪取せよ...我が主から 邪悪を 奪取せよ...』


『ノーガードの殴り合いですか、悪くないですねぇ 瓦解せよ!』

カルレアとリレアが事前にかけていた守護魔法も剝がれてしまう

『『邪悪な使いよ 息絶えろ』』『 煉獄胎動』『氷獄心葬』

カルレアとリレアの最大攻撃魔法がガルダに向けて放たれる

 『『!?』』

『どちらも内側から破壊する一撃必殺の恐ろしい魔法ですねぇ

     守護魔法を剥したのは良いですが、簒奪魔法に長けてる私には

            意味がない!!』

『『きゃああああああああああああ』』

   氷獄心葬をカルレアとリレアの手足に向けて放ち凍結させる

『レヴィンくんどうしますか?お仲間のせいで守護魔法も使えないので

         迫りくる炎にもうじき焼き尽くされてしまいますよ?』

『我が主から 邪悪を 吸収せよ...』

何も効果はない...俺が通用するような攻撃魔法は持ち合わせてはいない...手立てがない

こいつの撒いた炎を利用し、ぶつけても、簒奪魔法で意味がないだろう・・・


カルレアとリレアは凍結による拘束で身動きできないが

『炎よ 集え』

リレアは炎魔法でカルレアの凍結を僅かに溶かしたところで、魔力が底つき気絶する


『貫穿の一閃 終極貫徹 凍槍絶葬』

カルレアは全ての魔力を使い自分が使える最大の凍結魔法を唱えた

簒奪魔法を持つガルダには当たらないよう脱出経路を確保する為に放ち結界をも貫いた

『自己修復する結界を見た事ありませんか?』

結界は即座に塞がれ、ものの数秒でカルレアの氷で作られた道は焼き尽くされる


ガルダは意味のない行為だと告げ、カルレアに近づいていく

『やめろぉッ!!!!!!!!』

レヴィンは地面に手をつけて水を流し

地中に眠る石と共にガルダ目がけて2方向から水を噴出させた

『おっと、物理攻撃を含むのは正解でしたねえ

          威力が足りなさすぎますが』

顔を狙った石は躱されたが、ようやく背中に石がぶつけられた。だが大したダメージになっていない


リレアは気絶から目が覚めるが、身に迫っている炎に恐怖する

カルレアもリレアも凍結から脱出する事が出来ない


『良い顔ですねえ、一緒に燃え尽きる姿を楽しみましょうか?』

恐怖に震えるリレアの頬にそっと触れ、レヴィンへと呼びかける

『外道が・・・』

カルレアは睨みつき呻く事しか出来なかった


父上・・・どうすれば・・・・・・・・・


─────レヴィン

『!?』

『泣きますか!!そうするしかないでしょうねえ!!』

レヴィンは吸収魔法で父の姿をしたガルダに向けて助けを乞うと父親の声を拾った

──────妨害と吸収の魔法を合わせて俺の魂を吸収するんだ

ガルダではなく父を思い描き強く手を伸ばす

勇ましい表情へ変わっていくレヴィンにガルダは異変を感じ即座に攻撃に移る

『換骨奪体!』

───────そして詠唱しろ『『破邪顕正せよ 森羅万象』』

『馬鹿な!なぜ使える!?』

森羅万象はガルダの換骨奪体を浄化した後、四方八方から大量の木々がガルダを貫かんと襲い続ける

『これは簒奪出来・・・ないッ!!』

木々を召喚し続ける根本を簒奪する事は可能だが迫りくる木々が余裕を作らせない


『父さん帰って来てくれよ!!!!』


────────躊躇うな


こいつは殺した方が良い

直感でそう思ったガルダは燃え広がる炎を集約し森羅万象に向けて相殺させた

『焦熱破滅!!』

森羅万象は消えてしまうが、ガルダにかけられていた簒奪魔法、カルレア達の凍結や空気を浄化していき

ガルダは魔力が残ってない事に気付く

『魂から魔力を奪ったというのか?』 

『ッぐッはッ!!・・・』

動揺している一瞬の隙を突きレヴィンは森羅万象が残した鋭い枝を槍のようにガルダを突き刺し

すかさず心臓に火を灯した

『救えなくてごめん・・・父上・・・・』

────────いや・・・よくやった・・・


レヴィンはどれだけ声を聞き取ろうとしても、それ以上父親の声が聞こえる事は無かった


父の亡骸を抱えて泣く少年に二人の少女もまた涙を流しながら支えた


───3人が初めて出会い、敵と交戦する事になった長い1日がようやく終わりを迎えた───。

読んで下さりありがとうございました!!!

宜しければ評価お願いいたします!!!!!

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