少年達に安息の地は無い
『カルレア・サタテリスそしてレヴィン・アーケヴィンスとお見受けする』
魔法管理局の制服を着た美壮年の白髪の男が声をかけてきた
急に現れた男に対し二人は動揺しつつも
レヴィンは無詠唱で妨害魔法をダルグスに向けて展開しリレアは転移の準備をしていた
『君達の為にも忠告を聞いて欲しい、私は捕まえに来たわけではない』
────総裁。この男はガルダによるとカルレア達の監視対象を外したと言っていた男だ
その言葉に少し緊張が緩む
『私の部下が君達の元へ向かうだろうが、私はもうどうすることもできん
少年、君が単身なら逃げ遂せる事は出来る
しかしサタテリス姉妹と行動する限り逃れる事は出来ない』
『どういうこと?何でそんな』
『詠唱魔法の発動は常に管理されている、呼応石が無くとも空の上や海底で発動しようが
無名の杖による魔法の発動は直ちに解析され紐づけられる、存命のご両親がいる限り解析も容易い』
──カルレアの両親は生きている!その事だけを知れていたら安堵していただろうが
想像以上に逃げ場がない危機感に二人は苛まれていた
呼応石が無くても探知されるのはわかっていた事だが
どこにいても探知されるというのは絶望的だった
『なら何で私達姉妹は今まで生かされていたの?』
『禁忌を侵し罪を償い心を入れ替え国に尽す君の父親の頼みだった
その頼みも今回の一件で効力が無くなったのだ』
『お父さんが・・・』
『最初で最後の警告だ
二人とも無事を願うなら一切関わる事なく生きなさい』
──レヴィンはその言葉にただ頷いた、心の中ではずっと
その方が無事に生きられる可能性が高いのは確信していた。何も言い出してこない二人に甘えていた。
それにカルレアの両親は生きていて、魔法管理局のトップに提言され迷いが完全に消えていた
『無理ね 私、彼に惚れられてるもの。離れていようと彼に追いかけられちゃうわ』
そう言うとカルレアは杖をダルグスに向けた
『待ってカルレア・・・』
『レヴィン早く剣を抜きなさいッ!!』
ダルグスは微動だにせず腕を組んだまま佇んでいる
『"氷滅』
カルレアが魔力を倍以上使い詠唱を短縮させ攻撃しようとした瞬間レヴィンが左手で杖を取り上げた
『ッな何でよ・・・』
『ご両親は無事で、カルレアはまだ戻れるんだ』
『私が見捨てる訳ないじゃない!!』
カルレアは怒り、目を滲ませながらレヴィンを睨みつける
『・・・数日の記憶なら私でも消す事が出来る』
『なら』
『絶対嫌よ!!!!!リレアに転移せよ!』
カルレアはレヴィンが杖を持つ左手に手を重ねて転移魔法でレヴィンと共に消えた
転移の瞬間にダルグスは何かを唱えレヴィンに魔法をかけた
二人は船に戻れたが何故か船室ではなく船上でリレアの姿はいなかった
海が見える為にカルレアの心配をするも
『ッ何で戦ってくれないの!!!!何であんな馬鹿な事言ったのッ!!!!!!!』
カルレアに押し倒され泣付かれる
『最善だと思ったんだ・・・』
『私達を守り抜くって言ったじゃん・・・嘘つき嘘つき!!
一人になんてさせない・・・馬鹿にしすぎ!!!』
安全な道を避ける彼女の相当な覚悟を踏みにじった事に後悔し涙をにじませながら謝った
『ごめん蔑ろにして・・・』
本来なら喜んでいたはずの抱擁も、思い描いた物とは意味合いが大きく異なるものだった
自らの醜態が招いた結果にすぎず
その情けなさと罪悪感に包まれ、胸が締めつけられた
カルレアは数分かけて平静を取り戻し、レヴィンの元を離れた
『もうちゃんとしてよね~
ああいう時にこそお見栄を切って攻撃したらかっこよかったのになあ~』
『好きな女が傍にいるのに無謀な戦い挑めねえよ』
恥をかかせたこともあり、どさくさに紛れて告白し言い訳した
『ん~まあいいわ、怖いから早く入りましょ』
カルレアはにこやかになりながら、レヴィンの手を引き急いで船室の中へ戻る
『やっと来たわね、痺れを切らして出向こうと思ってた所よ』『青春ですねえ』
『お母さん!?』『お前まさかガルダか!?』
船室でリレアは捕縛され次官ミェリアと副局長ガルダに出迎えられた
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