少年は少女の彼氏になった
船を購入し出航した初めての夜
自動操縦にしてあるため、さして問題はないが
レヴィンは念のために操縦席のすぐ後ろにあるソファで眠った
『私の部屋何で来ないの・・・・待ってたのに』『時空間魔法出来タ・・・・言う事ハ?』
姉妹が代わる代わる心配して様子を見に来てくれたぐらいで
特に問題はなく無事に朝を迎えた
朝食はパンケーキを用意し自分だけ先に済まし魔術書片手にデッキで鍛錬に臨んでいた
もし仮にカルレアの両親達が襲ってきた場合、自分の親のようにならない為にも
魔法の発現を遅らせる妨害魔法の時滞と魔力を吸い上げる吸収魔法の魔奪吸の合わせ技で相手にかけられている魔法を瓦解させ吸収させるように出来れば剣で立ち回るのも楽になると考えて無詠唱と詠唱を組み合わせたり時には無詠唱で同時に2つの魔法を行使する事を試していた
剣も相変わらず握ってみるが変化はない。まあまだ渡されて1日だ焦る必要は無いと
ロロイが剣に残してくれた転移の魔石を使い船の上を僅かな距離、2m間隔で瞬間移動し続ける
『すげーことできるのに、これを活かす攻撃手段がねえ・・・』
連携で使えば効果を発揮するだろうけど、2m間隔じゃあなあ・・・
1発で仕留められればともかく、2発目は結界や範囲魔法を展開されたりで対策されてしまうだろう
考えてる間に声がかかる
『お姉ちゃンが怒ってる』
『何で?』
部屋に行かなかったから?冗談だろ急いで船室に戻る
『朝食おいしかったありがとう』
カルレアは開口一番レヴィンに向けて言い放った
『・・・それは良かった』
『って!すぐ言いたかったから!!ご飯くらい一緒に食べたかったな~~~~』
海洋恐怖症によって船の上だと引き籠りになるカルレアはどうしても船室から出たくないらしい
呼ばなかったら次会うのは昼食の時になる為に怒っていたのだろう
『それはごめんなさい』
『わかってくれればいいの、街に用事あるから転移する時ついてきてくれない?』
『勿論』
ある意味デートだ、レヴィンは二つ返事で即答した
『どこの国に行くんだ?』
『トレストリアと敵対してるシャモルア国よ。変装せずに行きましょう、何かあればすぐ帰ればいいから』
『なんだ、そういうことね』
『あくまでそれはついでで、本命はデートよ?』
カルレアはレヴィンの頭をポンポン触りながら微笑んだ
『・・・またからかいやがって・・・』
レヴィンは嫌な顔をしながらも心の中では欲しがっていた
───────
先にカルレアの部屋で待つことになり、部屋に入ると
色んなベッドや家具などが増えていて寛げる部屋と様変わりしていた
ジロジロ見るのも悪いと思い天井を見つめていた
カルレアがリレアに声をかけた後すぐに二人で目的地へと転移した
着いた先は山のふもとのようで人気が全くないところだった
『私が鷹ちゃんに捨てさせたレヴィンの杖破壊されてたわ』
『いつの間にそんな』
『船の上じゃ引き籠るしか無くて退屈なの、必要な物揃えに転移して回ってたわ』
『そんな一人じゃ危ないだろ』
『えー誘ったのに部屋来てくれなかったじゃん』
『普通に頼んでくれたらすぐ行ってたぞ』
『でもそんな頼み方面白くないでしょ~』
そう無邪気に言いながらカルレアが少し走っていくと、町が見えた
『本当は何しに行くんだ?』
『食材もっと買おうかなって、私の方が料理出来るし』
『俺の役目奪うなよ出来る事少ないんだし』
『船の走行に注意しながら鍛錬の合間にご飯作るなんて体が持たないわ
分担出来る所はした方が良いの』
呆れ顔を向けつつカルレアはそっとレヴィンの手を繋ぐ
『手汗かいちまうよ』
『私はこの町に良く通ってて信用あるけど
レヴィンは初めてだし、私の彼氏って事にしないと無駄に怪しまれるわ』
『逆に挙動不審になるわやばい』
『しっかりしてよも~』
手を繋ぐのをやめて腕を組み反応を見る
『やばいやばいやばいやばいやばい』『あはは~』
結局手を繋いで回る事に決まりレヴィンはひたすら汗が出ては無詠唱で浄化し続けた
『船での生活って果物沢山いるんだって』『500mlのレモン果汁ならあるぞ』
『加熱すると栄養落ちるようだからレモネードだと良いね』
『あれカルレアちゃんその男の子って、ましゃか』
果物屋のおばさんが声をかけてくる
『ついに出来ちゃった』
繋いだ手を解いて素早く腕を組んでくる
一々余計な事を加えてくるカルレアに反発し
顔を傾け寄せてみるが余計調子付かせてお互いの頭を寄せあう形でのカップル成立報告となった
傍から見ると恥ずかしいカップルだ
『ええ~おめでとうねえ~うちの息子が悲しむわ~』
めちゃくちゃ恥ずかしい・・・俺彼氏じゃないよ・・・
その後も散々カルレアの知り合いに見世物となり
この町の知り合い全員に彼氏ができた事が報告された
沢山の男達がカルレアの隣にいるレヴィンを睨みつける度に
ガルダに向けた時と同じ殺意をむき出しにした眼差しを向けていると緊張する隙もなくなっていた
5歳の男の子からも彼氏さんが怖すぎると耳打ちされたカルレアは笑っていた
牛乳や小麦粉や米、みかんリンゴや衛生用品を買った
今後を考えたら卵を生んでくれる雌の鶏が飼いたかったが
鳴き声や飼育の問題でカルレアと喧嘩になりそうだったためレヴィンはすぐに引き下がった
リレアが発現出来たという空間魔法次第で飼って貰おう
『こんな全員に挨拶する必要あったのか?』
『もうここには転移しないから最後の挨拶みたいなもんだよ』
レヴィンの杖が破壊された場所から一番近いのがこの町だった
『そうか・・・ごめんな』
『彼氏できたから良いかな~』
『もう乗せられねえよ』『え~』
腕を組まれては頭を寄せ合いじゃれていた
町を出て転移して船に戻ろうとした途端、一人の男から声をかけられる
『楽しいところを邪魔して申し訳ない、私は魔法管理局総裁のダルグス・レジルディスと言う者だ』
読んで下さりありがとうございました
どうか・・・どうか評価をお願いします><><




