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史上最強の神の使徒は解雇される  作者: 西木
第一章 学園生活
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第八話 魔境探索3

これで魔境探索が終わりです。

「うわぁっ?! 誰ですかっ?!」

サリアの悲鳴で目を覚ました。

(そういえば何も知らないんだったな)

エリスは笑顔だ。

(わたくし)ですか? (わたくし)は虹龍エリスです。以後、お見知りおきを。」

ルディはまだ幸せそうな顔で寝ている。

(死んでんじゃないのか?)


「ライム様! どういうことなんですかっ?!」

サリアに問い詰められ一部始終を話す。

「──てっいうことなんだ。」

「はぁ…… わかりました。」

サリアは呆れているようだ。ルディはまだ寝ている。


「お〜い? ルディ? 起きろ〜。」

俺はルディをさする。

「う〜ん…… るっさい!」

ルディが火を放ってくる。まぁ避けるのは容易いが。

「おいおい、こっちは起こしてやってるんだぞ?」

それから何度かさすったが起きる気配はない。


「サリア、なんか方法ないか?」

こういうときは付き合いが長いサリアに聞く。

「任せてください! ルディ、起きよ? じゃないとルディがライム様の人形つくって抱きし──」

「うわぁぁぁぁ!」

強い。

そしてサリアの話は聞かなかったことにしよう。


「よし、全員起きたし出発するか」

俺たちは歩き始める──


─エリス視点──────────────

「で? お前は誰だ?」

やはり気づかれていましたか……

「はじめまして。(わたくし)は虹龍エリスです。此度はアドラヌスの暴走について謝罪しに来ました。」

底しれない力。

目の前の青年はとんでもない力を持っている。


(もし勝てそうなら仇でも取るつもりでしたが、そうもいきませんね)

目の前の圧倒的強者を敵に回すということは龍の滅びとイコールだ。

故に、媚を売る方向に出た。


「提案なのですが…… (わたくし)を従魔にしてくれませんでしょうか?」

「は?」

青年は間の抜けた声を出す。

当たり前だ。誇り高き神竜が自ら下につくなど考えられない。

だが、エリスは誇りよりも龍の存続を選んだ。


「従魔になると絶対服従になるぞ? 俺が非情な命令を出したらどうする?」

従魔についてよく知っているようです。

ほとんどの人間は絶対服従になるなど知らないのに。

ですが、これは確実に成功させなければなりません。

どんな関係でもいいから親密になる。

そのためには解除のしにくい従魔とは最短の道です。


「それに関してですが…… そのようなことはないと判断しました。圧倒的な力の差があり、怒らせたにも関わらずアドラヌスが生きているのがその証です。」

もちろん私の考えを伝えるわけにはなりません。

ですが、本心として相手は冷徹ではないでしょう。


「本当にいいんだろうな?」

「もちろんでございます。」

引き下がるわけにはいきません。

「闇を晴らし深淵を深める(ちから)、魂は盟約を契り、運命を共にするソナタの名を答えよ」

従魔の詠唱を始めましたね。

名を答えなければ……

「エリス」


(わたくし)の肩に紋章が刻まれました。

「これで契約完了だ。」


「なんとお呼びすればよいでしょうか?」

「好きに呼べ」

「では、“ご主人様”と呼ばせていただきますね」

人によって好みは違うでしょうが、嫌われなければよいのです。

“ご主人様”は男性全体が好きだと聞いたことがあります。


親密な関係には物理的な距離があったらなりにくいでしょう。

「こちらのお二人はどうしましょうか?」

「寝かしといてやれ。」

どうやらこの二人の女性に関しては快く思っているようですね。


「では(わたくし)も休ませていただきますね」

ポスッ

そう言い、青年の両足の間に頭を乗せます。

龍の絶滅を防ぐためには(わたくし)の意見を聞いてもらえるようにならないとなりません。

恋愛に発展したら完璧。そうでなくても友や体でも……

「おい?」

「どうかなされましたか? 従魔の躾は甘やかすことも大切ですよ?」


少し煽っても青年は怒ることなく面倒そうな顔をするだけ、どうやら心は広いようですね。


龍の滅びを阻止するために(わたくし)はこの青年と関係を持つ。

それが目標です。


────────────────────

歩き始めてから数時間してエリスがこそっと聞いてきた。

「あの〜? ご主人様、魔力も魔素も出し過ぎでは?」

「わざとだ」

そう、俺は今魔力も魔素も開放してダダ漏れになっている。

理由はいたってシンプルだ。

魔力濃度や魔素濃度が濃いとそれに対応するようになる。

つまりは二人の強化のためだ。


「エリスも出してくれ」

「わかりました」

周囲の魔素濃度、魔力濃度ともに一段高くなる。

これは彷徨うのは今日だけで良さそうだな。

「なんかちょっときつくない?」

ルディが息を切らしながら言う。

「少し休憩するか」

無理をしたら体を壊すし、その状態でのこの濃度だともしかしたら死ぬからな。


休憩している二人を見る。

(だいぶ身についてきたらしいな)


魔力濃度だろうが魔素濃度だろうが高すぎると無意識に自分の周りの濃度を調整するようになる。

そしてそれを続けると扱える最大量が大きくなる。

それが対応するということだ。


(急に増えすぎると弊害が出るし、ここらへんがギリギリだな)

「もうそろそろ出れそうだ」

「え?」

エリスがかなり驚いているな。

まぁここは4thの最奥で出口とは真逆だからな。

エリスが近づいてくる。

「ご主人様? もしかして5thを突っ切って出るおつもりですか?」

「あと300m先の空間を出口と繋いでいるから大丈夫だ」


二人に聞こえないように。

二人とも緊張しっぱなしで精神的にも肉体的にも疲れているだろうからな。

「もう大丈夫だから早く帰っちゃいましょ」

ルディが立ち上がり、サリアもうんうんと頷いている。

「じゃあ出発するか」


─そうして歩き始めて数分後─

「あ! 見てください! ムサミューズですよ!」

木々の間から見えるムサミューズを見てサリアが走り出す。

「ようやく帰ってこれたわね」

10話ごとにキャラ紹介を入れたいと思います。

(やってみてあまりにも間隔が狭かったら変えます)


〜裏話〜

《ライム》

読者諸君は疑問に思っただろう。

(魔境なのに魔物と全然あってなくね?)

理由はそう、俺が魔力を開放して濃度が濃いのにさらに魔素まで放出して魔物が寄ってこないからだ。

(ミスったな…… 実戦経験も積ませるつもりだったが…… ま、後で訓練したらいいか。エリス含めて。)

こうして三人には地獄の特訓が確定した。


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