第二十九話 男子禁制
なんとか外伝3連はさけることができた!
これから投稿頻度がまた落ち始めます
「皆さんはここでお待ち下さい。先輩はこちらへ」
テミスがサリア達を止めて俺を呼ぶ。
どうやら誰も異論はないようで、スムーズに進むことができた。
宿の部屋に入るとテミスが剣を持っている。
黄金の柄頭は鷹の爪のようになっており、鍔は牛の角のように太く、曲がっている。
そして、その刀身は夜空をそのまま写したようだ。
「執行……。本当に俺が持っていていいんだな?」
「もちろんです。私には過ぎたものですから」
テミスからそのまま執行を受け取る。
「それでは今から、権限代理人の儀を行います」
テミスは目をぎゅっと閉じて右腕を肩の高さほどに挙げる。
今の執行の使用権限はテミスにある。
それを仕えるようにするには俺がテミスの代理人として権限を行使できるようにする必要があるのだ。
権限代理人の儀では代理人が元の権限者の体に傷を与えることによって代理人となれる。
もちろん腕を落としたりするつもりも、必要もない。
傷というのは大怪我だろうが、薄皮一枚だろうが、何だっていいのだ。
しっかりと執行でテミスの右腕の一部を斬る。
斬ったところからはしっかりと血が一滴流れる。
「腕、震えてたから斬りにくかったんたが?」
「す、すみません……。どうしても怖くて……」
テミスの腕はすでに完治している。
神の再生力のおかげだな。
「準備は済んだな。原初の聖廟に行くぞ」
「いてっ」
ドアを開けるとサリアが額を抑えていた。
どうやら向こうからもドアを開けようとしたらしい。
「大丈夫か?」
「だ、大丈夫です……」
まだ痛そうに額を抑えているサリア。
それを無視してルディが話し始める。
「そんなことより、大事なことがあるんだけど?」
「そんなこと……?」
「いま、原初の聖廟では聖女が式典に出ているの」
サリアの声は届かずにルディは止まらない。
「何か問題があるのか?」
「知らないの? 聖女が出る式典は親族以外の男子禁制ってこと」
なんだ、何か大変なことがあるかとでも思ったのに、そんなことなのか。
「何も問題はないぞ?」
「どういうこと? 女装でもするの?」
「まあ、ちょっと待ってろ」
リアの質問に対しては答えるより見せるほうが早いだろう。
宿の部屋に戻っていったライムをエリスは不思議そうに眺める。
「何か秘策でもあるのでしょうか?」
「分からないですね……」
一方、テミスには一つだけ心当たりがあった。
(先輩、もしかして魔法で……)
数分後、扉が空いて人が出てくる。
エメラルドのような宝石が散りばめられている白銀を基調としたドレスに身を包み、光の筋のような銀髪を腰辺りまでたなびかせて緑色の瞳で優しく見つめてくる姿はまるで聖母のようだ。
そして、身長は女性としてはかなり高かった。
「どうだ? かなりそれっぽいだろ?」
その女性の口調はまるで──
「ら、ライム様なんですか……?」
「ああ」
「何かの魔法ですか?」
エリスはほぼ動揺していない。
「その通りだ」
「胸、本物なの?」
「もちろん。魔法で弄ったのは身体構造だからな。体はすべて本物だ」
ルディは驚いてはいるようだが、別に慌ててもいない。
そしてサリアは自分を見下ろしてからまたライムを見る。
「私より大きい……」
目から光が消えたサリアが呟き続けているのはそれだけだ。
関わるべきではないな。
「準備は済んだな? 行くぞ」
俺のすぐ後ろをエリスが歩いてくる。その後ろにはテミスが、そして一番うしろでは──
「私より大きい……」
「さ、サリア? 早く行くわよ?」
「……っ!? す、すみません! すぐに行きます!」
ようやく正気に戻ったサリアも着いてくる。
そうして、ようやく原初の聖廟に出発した。
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ギリシュ教国から少し離れた小国、ガイレオン王国。
小さいが豊かで平和な国“だった”。
あのような厄災さえ来なければ──
「ふんふん〜♪」
黒髪の男は上機嫌に燃え盛っている王都を歩く。
腕にはあの時の腕輪がつけられている。
「いやぁ、思った以上に多くて、質のいい生贄になったなぁ」
王都には男以外の生命の反応は感じられない。
ここが、男が来るまでは平和だった都市の姿だった。
「でも、まだ生贄足りないもんねぇ……。まったく、骨が折れるよ。頑張ってこの国の奴らをみんな生贄にしたのに……」
男はそう言いながらも次の標的を探す。
「あれ? 近くに人が居るね……。もしかして、冒険者か何かかな?」
男は嬉しそうに気配のした方へと歩み始める。
着いた先では、数名の商売人が立っていた。
「ど、どうなっているんだ!? ガイレオン王国がなぜ!?」
「君たちも生贄になりに来たのかな? 嬉しいなぁ。そんなに積極的なんて」
「だ、誰だっ!?」
男はその質問を待っていたかのように語り始める。
「僕? よく覚えておいてね。僕の名前はパズズ。最凶なんだよ」
男が口にしたのはライム、ネルガル、ヒュパス、それどこか、全ての神々が最警戒する史上最悪の邪神の名だった。
パズズ(?)
略称:なし
種族:邪神 性別:男
髪色:黒髪
瞳色:黒色 髪型:少し長めのマッシュ
身長:194cm 体重:76kg
年齢:遥か昔
一人称:僕 二人称:君
好きな食べ物:■■■
嫌いな食べ物:■■■
■■■を■■■■■る。■■の能力を使い、圧倒的な戦闘力を誇る。だが、■■はそ■■うな■■を■■■。
〜裏話〜
「ネルガル、本当に待っているだけでいいの?」
「何やガキ。何か不満でもあるんか?」
「ふ、不満っていうかさぁ……」
エアは警戒していた。自分たちだけでは対処できない事態が起きることを。
だからこそ、今いる4人だけでは不十分だと感じていた。
「ほら、何が起きるか分からないし。一応、ほかのみんなのところにも行ったほうがいいんじゃないかなってさ……」
「ほう? どないせぇっちゅうんや?」
「相変わらず、君って僕に厳しいよね? わざとだよね?」
涙目で言い返すエア。それに対するネルガルの反応は──
「ほな、太陽と月やな」
ネルガルが開いた門の先には太陽と月が入り乱れている。
そこにいる神とは──
ライムちゃんは一話限りかもしれないし、再登場するかもしれません。
人気によって変わります。
キャラ紹介の黒塗りは個人的にいいアイデアだと思っているのですが、どうでしょうか?




