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第二十三話 個人面談

今月最初の更新はエイプリルフールです!

そろそろ喋らせやすいキャラが欲しいです

「ライムが攻撃を躱してるの初めてみた」

「まあ仕方ないだろう。さて、どうやって攻略するのだろうな」


リアが思わず漏らした言葉にはニグは同調する。


現在のライムは服に土埃がつきながらも津波を避けていた。


(制約が邪魔すぎるな……。いや……、まてよ)


ライムは制約についてもう一度考える。

制約には主に能力制限と妨害によって構成されている。


能力制限で最大エネルギー量や権能を制限し、妨害によって一定以上のエネルギー制御を妨害する。

つまり、一度に使える出力は特に制限がないのだ。


ならば妨害を想定してエネルギーを使えばいいのだ。

通常、妨害によってエネルギーが暴発し、使い物にならなくなるがその暴発で津波を相殺すればいい。


早速試してみると集めた魔力は妨害が入って暴発するが、暴発によってばらまかれた魔力で津波は相殺される。


「えっ……!?」


マリーが困惑している隙に距離を詰める。


「ひゃっ……!? こ、降参です!」


マリーは距離を詰められて何かされるとでも思ったのか怯えながら降参する。


(あぶなかったな……)




模擬戦をやった日から十日目。


「先公! こんなことして何になるんだよ!」

「先ほど説明しました。魔力量を増やすためです」


サラムとサリアがずっと言い争っている。

それにしても以外だ。こういうのはルディがするものだと思っていたからな。





俺はメモ帳を見る。

このメモ帳にはこいつらの教師になってから今までの間で分かったことを一人一人まとめている。


サラムは自信過剰気味だが才能がありある程度の実力もある。以外に頭もいいし物わかりもいい。ただ反抗的なのは課題点だな。


ジークは平均的だ。これは良くも悪くも捉えられる。見たところ自分のやりたいことが決めきれてないようだし、それを決めることができたら飛躍的に伸びるだろう。


フローラは意外に実戦的だ。何がそうさせるのかは分からないがなかなか好戦的な態度だった。だが、知識がそれに追いついてない。もし追いついたら他を追い抜くことも簡単だろう。


マリーは特に言うことがない。特徴がないわけではなく、全てに対して文句のつけようがないのだ。魔力量も多く技術もある。強いて挙げるとすればコミュニケーションが少し苦手で引っ込み思案なところくらいだな。そしてマリーには確実に水神霊ネレイドが宿っている。少し話をしたいな。




「全員こちらを向け」


全員が俺の指示を指示を聞いてこちらを向く。


「今から個人面談でも始めようと思う。それ以外のやつはニグにいろいろ聞いてくれ」

「我に任せるが良い!」


ない胸を張っているニグを無視して土魔法で地面を隆起させて、綺麗な6m四方の立方体に扉が一つの簡素な部屋を作る。


「これが面談室だ。まずはサラムから」

「誰がそんな得体のしれないところに──」

「サラムさん?」


サリアの一声でサラムが止まる。

あれは怒らせてはいけないんだよ。分かってないな。


面談室の中には机が一つと椅子が2つの簡素な作りになっている。イメージは面談室というより取調室に近い。

俺は椅子に座りながらサラムに話しかける。


「お前、何をそんなに焦ってるんだ?」

「はぁ? 焦ってなんかねぇよ」


サラムも乱暴に座りながら答える。


「嘘だな。お前の練習には焦りが見える。まるで誰かを追いかけているかのように」

「……」


どうやら図星のようだ。


「何をそんなに焦っている? 別に成長が遅いわけでもないのに」

「うるせぇ! そんなんじゃ兄貴には追いつけないんだよ!」

「追いつくのを目標にするからだろ?」

「は?」


「追いつくのなんて序の口、追い抜く気持ちじゃないとこれ以上の速度での成長は見込めない」


追いつくのを目標にするということは指をくわえて憧れているだけに過ぎないのだ。相手は常に進んでいるのだからその2倍、3倍の速度で進まないと追い抜くどころか追いつくこともできない。


「以上だ。お前の兄がどれだけ優秀か知らないが努力に勝るものはない。相手の2倍の努力をすれば確実に追い抜ける」

「そんな単純な話なわけねぇだろうが!」

「その通りだ。だが、深く考えるよりもバカみたいに一直線に進んだほうがいいぞ。個人の意見だがな」

「チッ……、話にならねぇ!」


サラムは部屋を出ていく。

話は聞いただろうしこれからは自分で考えるだろう。何もできない赤子なわけじゃないしな。


「次、ジーク来い」


俺は扉を開けて顔を覗かせながらジークを呼ぶ。


「個人面談って何するんですか?」


椅子に座りながら問いかけてくる。


「まあ気分による」

「気分って……」

「お前、何がしたいんだよ?」


呆れているジークは急に真剣な顔になる。


「その言い方は語弊があるんじゃないですか? 僕だって頑張っているんですよ」

「目標は?」

「目標……、強くなることです」


予想的中だ。ジークは我は強いが目標が定まりきれていない。何でもある程度できるからこそ何かに絞ることができてないのだ。


「具体的に言うと? なにでどのくらい強くなるんだ?」

「それは……」


こういう時に面倒くさい奴を演じるんだ。こちらとしてもジークのしっかりとした目標がないと手助けのしようがない。


「質問を変えよう。なぜ強くなりたい?」

「……僕はサラムを超えたいんです。でも、サラムは常にお兄さんに対しての劣等感を抱いているからどうしても本気で戦えない。だから僕がサラムのお兄さんより強くなって本気でサラムと戦いたいです」


曰く、ジークとサラムは幼馴染らしいがそれ以上にライバルという関係らしい。だが、サラムは兄に対しての劣等感からいつからか本気でジークと戦うことが無くなったとのことだ。だからまずサラムの兄を超えてから完全にサラムに勝つのが目標らしい。


「想像以上に定まっていたんだな。目標を達成する方法を具体的にしたほうがいいと思うが、話は以上だ。とっとと訓練してこい」


そう締めくくってジークを追い出すように部屋から出す。


次、フローラか……、一番の山だな。




〜裏話〜

ライムが面談をしているときの訓練──


「ふむ……、安全な訓練が良いだろうな。ならば模擬戦だ!」


ニグが高らかな声で指示を出す。

一方、それ以外の全員に動揺が走る。


「前の文と後ろの文が噛み合ってなくない!?」


真っ先に言葉がでたのはルディだ。


「何を言っておる? 模擬戦ほど効果的な訓練はないぞ?」

「あの、ニグ先生? 安全性はどこに言ったのでしょうか……?」


次に言葉を発したのはマリーだ。


「むぅ……、そういえばそんな話をしておったな。まあ死ななければよかろう!」

「「「……」」」

「そうデスネ! さっそくやりマショウ!」


ニグの楽観的な価値観に賛成したのはフローラだけだ。


(サラム……、最初で正解だったね……)


その時ジークはサラム対して少し羨ましく思っていた。

今日、書く時間があったらクイズを出したいと想います。投稿するとしたら午後10時以降となります。

今日投稿できなかったら明日か明後日に出します。

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