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第十八話 ゴブリン討伐

次回の投稿は9月10日です。

「ライムさん生きてらしたんですか?!」

「勝手に殺さないでくれ」

ギルドの中に入るとあの時の受付嬢に心底驚かれた。

「ですがSランクの依頼を受けてまだ成否報告もなかったのでてっきり……」

確かに圧倒的上位の依頼を受けて帰ってきてなかったら死んだと思うのは道理だろう。


「この二人も冒険者の登録をしてもらいたいんだが」

俺はサリアとルディを指差す。

エリスとニグは龍形態(極小)になって俺の右肩に止まっており、リアは黒い鷹になって俺の左肩に止まっている。

つまり俺は右肩に小さい龍を二匹、左肩に黒い鷹を乗せているのだ。

「それは大丈夫ですが…… ライムさんは従魔師(テイマー)なのですか?」

確かに今の俺を見たらそう見えるだろう。


「まあそんなものだ」

「そうなんですか。それでは冒険者登録を行いますね」

受付嬢はすぐに切り替えて冒険者登録を二人に行う。

俺は邪魔だろうから少し離れた。




「終わったか?」

数十分するとサリア達が戻ってきた。

「えぇ」

「カナさんが丁寧に教えてくれて助かりました」

どうやら二人は受付嬢と仲良くなったそうだ。

名前をカナと言うらしい。

「最初の依頼についてもこれをくれました」

サリアが持っている依頼書を見せる。


     “東の森のゴブリン討伐”

        Dランク

       報酬······銅貨16枚

      ゴブリンの数······8


最初にはちょうどいい依頼だろう。

「それでいいんじゃないか?」

俺も賛成だ。

「それでは手続きをしてきますね」

サリアが受付に行く。

《少し簡単すぎではありませんか?》

エリスの声が頭に響く。

《実戦と訓練は違う。本番になると恐怖で動けなかったり命を奪うのを躊躇ったりするからな》

俺はそう返す。

確かに二人の実力なら簡単にこなせるだろうが自分の手で命を奪うのを躊躇わずに行えるやつはなかなかいない。

これはただどの程度踏み切って戦えるか見るためだ。


そうしているとサリアが戻ってきた。

「それでは出発しましょう!」




「この森ですね」

着いたのは大きな木が立ち並ぶ原生林だ。

「早速入るぞ」

俺の肩にはまだエリス達が乗っている。

『歩かないで済むから楽』なのだそう。

中に入ってからしばらくすると煙が上っているのが見えた。

「誰かキャンプでもしてるのかしら?」

ルディが小首をかしげながら言う。

「行ってみるか」


着くとそこにはゴブリンが8匹居た。

緑色の肌に尖った耳、そして子どもほどの大きさ。

間違いなくゴブリンだ。

俺達は近くの茂みに隠れる。

「あれがゴブリン……」

サリアがゴブリンを見ながら言う。

「討伐証明で耳を持っていかないといけないから消し飛ばすなよ?」

俺は一応忠告したあと成長具合を見るために離る。


「“火炎(ファイア)”」

ルディが放った炎は迷いなくゴブリンの心臓を貫く。

更に体は炭化したため血も流れていない。

「グアっ?!」

他のゴブリンは急な仲間の死に頭がついていけてない。

「次は私が。“光撃(ライトアタック)”」

サリアが放った魔法は広範囲を光で埋め尽くし急激な光で脳を焼き切る。

本来は視界を遮るくらいに使うものなのだが魔力制御を完全にした場合は違うのだ。


「随分と早く終わりましたね」

「迷いなく殺しておったの」

エリスとニグが龍形態のまま言う。

「正直俺も躊躇(ちゅうちょ)なさすぎてびっくりだ」

もう少し躊躇(ためら)いがあってもいいと思うんだが……

「リアはどう思──寝てるな……」

リアは肩に止まったまま寝るという奇妙なテクニックを見せてくれた。


そんな会話をしていると二人がこっちに来る。

「どうでしたか?」

「十分強くなったんだな」

「当たり前よ!」

ルディが当然といったように胸を張る。

「それじゃあ耳を削ぐか」

俺は異空間収納からナイフを取り出して耳を削ぐ。

「終わったし街に戻──」

ルディが言い終わろうとした瞬間──

「グァァァァァッ!」

大きな咆哮が聞こえた。


「なに?!」

咆哮が聞こえた方を見ると5メートル程の大きなゴブリンが居た。

「“皇帝子鬼(ゴブリンエンペラー)”だな」

ゴブリンを統べる皇帝であり危険度はAランクだ。


「たかがゴブリンだ。やれるよな?」

俺は笑顔で問いかける。

「わかりました」

ルディも頷いたので了承したのだろう。

聖霊神輝砲(エレメントキャノン)!」

紅蓮火焔(インフェルノ)!」

「「合成! “聖紅蓮霊炎(エレメントフレイム)”!」」

ルディの使った魔法は一度見たものだが、その練度は跳ね上がっていた。


また、サリアが使ったのは聖霊光砲(エレメントカノン)を独自に改良したものだろう。


それだけでもすごいのだが、サリア達は合成をした。

それは二つの魔法が重なり一つの魔法となる技術。

異なる魔法の合成は互いに信頼し、尚且つ我を保つ必要がある難しい技術だ。

しかもこれは──

「魔力超過も同時使用か」

二人とも魔力超過を失敗することなく行えている。

「「ふぅ……」」

二人はその場に座り込む。

どうやら疲れてしまったようだ。


「二人とも、十分強くなったと言ったが、十二分以上強くなってるよ」

「本当ですか!」

「ありがと」

サリアもルディも目を輝かせる。

だが──

「威力の調整はしっかりしような?」

俺は聖紅蓮霊炎(エレメントフレイム)で吹き飛んだ森を見て言う。


「「…………。」」

二人もここまでの威力が出るとは思っていなかったのだろう。

だが二人とも頑張ったし俺がなんとかしてやろう。

逆戻り(リターン)

「ライム様も使えたんですか?!」

「使えるのはパスだけじゃないぞ」

俺は森の時間を聖紅蓮霊炎(エレメントフレイム)が撃たれる前に戻す。


「それじゃあ戻るぞ」

俺は二人の成長を実感しながらアルメリアに戻る。


キャラ設定

カナ

略称:なし

種族:人間 性別:女

髪色:レッドブラウン 髪型:縦ロール

瞳色:レッドブラウン

身長:163cm 体重:43kg バスト:D

年齢:24

一人称:(わたし) 二人称:貴方(あなた)

ライムを呼ぶ時:ライムさん




〜裏話〜

「お前らは俺の従魔といった形にするが大丈夫か?」

アルメリアに着く前に俺は一応三人に聞いておく。

人数が多すぎても困るのだ。

「大丈夫。事実私たち全員ライムの従魔だし」

リアが答えてくれる。

ニグとエリスも反論はなさそうだ。


「従魔ならあの時のように龍形態でよろしいですか?」

エリスが言っているのはホルスト学院長と会った時の小さな龍の姿だろう。

「問題ない」

そうするとエリスは小さな龍形態になって俺の右肩に止まる。

「我を忘れるな!」

ニグも小さな龍形態になりエリスの隣に止まる。

「じゃあ私は鷹で」

リアは黒い鷹になり俺の左肩に止まる。


「絶対目立つだろ……」

だが人型のほうがもっと目立つので諦めるしかない。

(俺は従魔師(テイマー)ということにしておくか)

初めて出てくる技には“ ”をつけようと思います。

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