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第十五話 空島

おまたせしました。

その後俺とリアは冥府の牢獄の通路を歩いていた。

「全くひどい目にあった」

首を触りながらつい呟いてしまう。

「今思ったけどなんで死んでないの?」

「血液が51Lなくなったぐらいじゃ死なないぞ」

「生物かすら怪しい」

リアもそんだけ血を吸ったんだからかなりやばいと思うけどな?


(にしてもそろそろ拠点が欲しいな)

安定した拠点はあって困るものてはない。

いくつか宛はあるしな。

(あれ使えるのかな……)

まぁものは試しだ。

「リアに最初の仕事を依頼していいか?」

「なに?」

「“法廷(オリジヌ)”について調べてくれ」

「わかった」

リアの影が伸び、コウモリやオオカミなどが四方八方に散らばる。

「五時間もすればわかる」


すごいな。

「わかった」

「ぇ?」

まだ5秒も経っていない。

「でも結界が強すぎて近寄れない」

それはあり得るな。

「もうそろそろ外に出るし久々にやってみるか」

「?」

昔よくやってたな。


そんな事を考えながら冥府の牢獄から出る。

「こい “法廷(オリジヌ)”」

周囲が暗くなる。

「あれって……?」

空に浮かんでいるのはかなりでかい島だ。

「おっ? 使えた」

「あれなんなの?!」

リアが感情を露わにするとはめずらしい

と思ったのだが、まだ会ってから少し仕方ってないのに言えることではないだろう。


「俺の家なのかな?」

「なんで疑問形?!」

仕事場だがやることが残りすぎてここが家だったからな……

「とりあえず行くぞ」

「え?」

「“転移”」


目を開くとそこは広大な庭園だった。

「すごい……」

目の前には豪勢な建物が建っている。

俺の職場だった“神判の宮殿(ディバインコート)”だ。

「今更だけどリアは太陽大丈夫なのか?」

「それは平気」

流石は闇夜の血薔薇(ヴァンパイアクイーン)といったところか。

「行くぞ」

リアを引き連れ神判の宮殿(ディバインコート)の中に入る。


中に入るとそこは王宮のように豪華だった。

裁判に関係ないと思うかもしれないが俺はここに住んでたんだ。

職権乱用ではないぞ? 決して。

部屋の数は六十はあるだろう、さらに増やそうと思えば増やせる。

一部屋ずつ最大250畳。

最大なので縮める事もできる。

そしてイメージにより家具などを自動生成してくれる機能付き。


「リアはどの部屋にする?」

「向こうの角部屋。日当たりが良さそう」

「そ、そうか。」

日当たりとかいいほうがいいのかこいつ。

俺は前と同じ一番法廷に近い部屋だ。

「あ…… リア、少し待っててくれ」

「? わかった」

あんまり考えてなかったな。

ここは最高裁判所だ。なのに無許可で動かしていいわけはない。


中庭に出ると桃色の長髪を持った女がいた。

深海のような瞳によく発達した体。

(やっぱりこいつか)

俺の後輩で今の最高裁、テミスだ。

「あなたは誰の許可を取ってここを動か── 先輩?!」

「久しぶりだなテミ──」

「せんぱーい!!!」

テミスは俺に抱きついてくる。

「わかったから離れろ!」

俺はなんとかテミスを剥がす。

(ヒューのときも似てたな)


「うぅ…… ぐすっ、帰ってきてくれたんですね。私一人じゃ裁判長なんて務まりませんよ……」

「そういうわけじゃないが?」

「え?」

俺はしっかりと経緯を説明する。

「なるほど…… ティファさんはとりあえず捕縛するということで──」

「せんでいいっ!」

「イタッ」

軽くチョップを入れておく。

こいつはすぐに暴走するからな。


「あっ仕事ができたので戻りますね」

「じゃあな」

「また来ますね!」

そう言ってテミスは去る。

「昔っから変わってないな」

そう言い残して俺も戻る。

「おかえり。早かったね」

「お前は何をしているんだ?」

俺が戻るとリアは寝そべっていた。

「ひなたぼっこ」

「お前ほんとに吸血鬼か?」


少なくとも俺は信じられない。

そんな事を考えていると……

「ライム様、あちらの方は?」

「え?、サリア?!」

振り返ると笑顔のサリア、真顔のルディ、苦笑いのエリスが立っていた。

「どうしてここに…… まさかっ?!」

エリスは俺の従魔、故に常に繋がりがありそれを辿ってきたのか?!

「どちら様ですか?」

サリアは俺ではなく直接本人に聞くことにしたらしい。


「私はリア、リア・シャウト」

「リアさんですね。よろしくお願いします」

「お前ら学園は?!」

一番の疑問だ。

こいつら学生だろ?

「もうSランクになったのよ」

答えたのはルディだ。

「ホルスト学院長からご主人様へのお手紙を預かっております」

エリスが俺に手紙を渡す。

内容はこうだ。


 ライム君にお願いがあるんだけど、まだ卒業は待ってほしい。

 ギリシュ教国の聖女様がサラスを訪問することになってね、ライム君には聖女様を守ってほしいんだ。

それが終わったらいくらでも好きにしていいから頼んだよ。


無言でゴミ箱に捨てる。

「受けないのですか?」

サリアが聞いてくる。

「受けるさ。リア、ギリシュ教国の聖女について調べてほしい」

「わかった」

そう言い残してリアは消える。

「エリスとサリア、ルディは三人一組で行動。俺は影から護衛」

「了解」

「わかりました」

「承知しました」

どうやら異議はないらしい。

「少し忙しくなるぞ」


──キャラ設定─────────────


テミス

種族:神 性別:女

髪色:桃色 瞳色:碧色 カップ数:G

身長:174cm 体重:54kg

年齢:測定不能

一人称:(わたし) 二人称:貴方(あなた)

ライムを呼ぶ時:先輩(せんぱい)

現最高裁。ライムの元部下であり異常なまでに慕っている。

だが、ライムには迷惑のかからないように限度を保ってくれるためまだいい方。


────────────────────

〜裏話〜

テミスの裁判の様子


「判決、有罪」

テミスの冷たい声が響く。

「刑を執行します」

そのままテミスは執行する。

(これで先輩に近づけたかな? どうしよう褒められたりしたらー!)

そして現役時代のライムを頭に浮かべる。

(あの時はクールだったけど今は少しやさしくなって…… もう最高……)

そんな事を考えていると法廷(オリジヌ)が動いた気配がした。


(まずいかも…… でもあれって先輩しか使えなかっよね? まあいいか)

そうしてテミスは現地に転移する。


考えすぎると発狂するクセがあるのです。

もしかしたら読者が聞いたその発狂は僕かも?

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