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第十三話 冒険者ギルド

新しい章です。

外に出るとまだ昼だった。

「結構本気で死ぬかと思った……」

俺は独り言を呟く。

「そういえばSランクになったんだよな……」

Sランクになると授業に出席する必要がなくなる。

「学ぶことはないし冒険者でもしようかな」




「お別れって本当ですか?!」

「大げさだサリア。そこまでじゃないよ」

サリアは大げさだな……

だが一番はルディなのかもしれない。

なぜなら泣いているからだ。

「エリスにはこの二人の護衛をして貰うぞ」

「承知しました」

「それじゃあ行ってくるな」

俺は学校を出て隣国に向かって走る。


なぜ隣国かって? ここは学園国家ムサミューズだから冒険者ギルドはないからだ。

そして隣国はアルメリア王国。

自由の国や冒険者の国とも言われ、冒険者ギルドの本部があるところだ。


アルメリアに着くとまず検問を受けた。

「ムサミューズからの卒業生か。実戦と訓練は違うから気をつけろよ」

それだけで思ったよりすんなり通れた。

衛兵に冒険者ギルドの場所を聞く。

「ここか。」

かなり大きな建物だな。

中に入るとかなり騒いでいた。

(うるさいな……)

変に絡まれたくないので受付に直進する。

「冒険者ギルドへようこそ!」

縦ロールの可愛らしい受付嬢が挨拶をしてくれる。

髪色は赤と茶の中間みたいな珍しい色だ。

「新しく登録したいんだが」

「新規登録ですね。使える武器や魔法などに丸をつけてください」

武器や魔法の名前が書いてある紙を出される。

俺はその全てに丸をつける。


「え?! 本当ですか?」

「あぁ」

「そうですか。なら次はこちらの紙にお名前などをご記入ください。本名でなくとも結構です。」

俺は“ライム”と書く。

「こちらがギルドカードです。F〜SSSまでのランクがあります。ランクは依頼を受けることで上がるのでがんばってください!」

俺がFと書かれたカードを受け取った瞬間──

「よう兄ちゃん。すまないが金持ってる〜?」

大柄な男が俺に絡んでくる。

「ブレクさん! 規律違は──」

「それは冒険者が一般人に手を出したらだろ? コイツはもう冒険者じゃねーかよ」


どうやらこれが初めてじゃないらしいな。

無視して俺は踵を返す。

「おい? Bランクの俺様を無視してんじゃねーよ」

俺は無視する。

「いいかげんにしろよ!」

ブレクが剣を抜いた瞬間に握り砕く。

「早くランクを上げたいんだ」

そう言い残して俺は依頼書が貼ってあるところに行く。

“冥府の牢獄の調査”か……

確かかなり危ない方のダンジョンだったはずだ。

俺はそれを受付に持っていく。


「え……? これはSランクの依頼ですが……」

「受けられないのか?」

「受けることはできますが……」

「なら頼む」

「………… わかりました」

俺は建物を出て冥府の牢獄に行く。


─冥府の牢獄──────────────

ついたのは禍々しい大穴。

冥府の牢獄だ。

中に入っても魔物はいなかった。

「おかしいな……」

俺の知っている限りではここは魔物の宝庫だ。

俺は気配を探る。

「最下層か」

床を壊して最下層へ直線で行く。

最後の床を壊すと最下層には二人の男女がいた。


「貴様は何者だ?」

男は俺を睨みながら呟く。

プライドの高そうなやつだな。

たが俺は女のほうが気になった。

夜空のような黒髪は肩あたりで切ってある。

紅い目に白い肌。

女は舌なめずりをした後髪を払う。

(コイツ頭いいな)

男が喋るときと女の舌なめずりで犬歯が見えた。

吸血鬼(ヴァンパイア)”だ。


さらに女の髪を払う行為で隷属の首輪が見えた。

意識が残っているということはつけられてまだ時間が経ってないのだろう。

さっきの一瞬で最大の情報を伝えてきたあたりかなり冷静だ。


「聞こえているのか人間? このファルセトの前で無礼であるぞ」

なんだコイツ

「リア・シャウト。こいつを殺せ」

どうやら女の方はリア・シャウトと言うらしい。

ファルセトとかいうやつは奥の扉の中に入っていった。

「“空間遮断”」

ファルセトからこちらを検知できないようにする。

「“鮮血の一閃(ブラッドスラッシュ)”」

赤黒い斬撃──

あれは血で構成された斬撃だ。

俺はそれを避ける。

「“次元掌”」

手を握ると同時に隷属の首輪が砕ける。

「ありがと」

何事もなかったかのようにリアは礼を言う。

かなり精神が図太いのだろう。


「お前やっぱ“闇夜の血薔薇ヴァンパイア・クイーン”だろ」

闇夜の血薔薇ヴァンパイア・クイーン”とは“吸血鬼(ヴァンパイア)”の最上位に君臨する女王だ。

「うん」

返事はその二文字だけだった。

(こいつパスより無口じゃないか?)

パスのほうがまだ会話が繋がる。


「ここで何してたんだ?」

「ファルセトは“冥獄府(タルタロス)”への道を探していた」

「隷属の首輪は?」

「ここにいた時に寝起きで寝ぼけてた」

「何してんだよ」

かなりヤバイなこいつ。

そうするとリアは少しムッとした顔をする。

「その気になれば抜け出せた」

「その気になったら、な」

そう返して俺は少し考える。


(“冥獄府(タルタロス)”は重罪人が赴く牢獄。あそこにはやばいのもかなりいるんだよな)

「ファルセトとかいったっけ? 止めないとな」

「私も手伝う。やられてばっかりは癪で仕方ない」

奥の扉へリアとともに向かう。


─キャラ設定──────────────ブレク

種族:人間 性別:男

髪色:ない 瞳色:茶 髪型:スキンヘッド

身長:198cm 体重:96kg

年齢:35歳

一人称:俺様 二人称:お前

Bランクでそこそこの腕が立つが新人イビリが酷くB−ランクになっている。


〜裏話〜

これはランクについての説明だ。

冒険者のランクはそのランクの生き物に勝つことができるようになっている。

だが、これはあくまでもギルドの基準であり相性が悪いと負けることも多々あるため、あまり信用されてない。

採取系の依頼を受け続けてランクを上げることもできるしな。


ちなみに冒険者のランクにも+や-があり、これらは違反数等によって変わる。

現在の最高ランクはSだ。

さらに採取系だけでは最高でもBランクまでしか上げることはできない。

討伐、護衛系は無限だが。


ちょっとした冒険者ランクの基準の話であった。

キャラ設定は次回掘り下げるので待っていただけると助かります。

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