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Truth Of Legend  作者: 座敷猫
第三章:アミナス教国編

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54/98

43.5話:降臨祭前夜

【WARNING】

この番外編は本編44話の重大なネタバレが含まれています。

初見の方はどうかすぐにブラウザバックして44話の方を先にお読みすることを強くオススメ致します。

「レヴィン……お話ってなんでしょう?」

「フィル……」


 それは降臨祭前夜の事だった。

 事情聴取を終え、これまでの功績を認められ、姉とのトラウマを乗り越え、仲間達との平和な日々を謳歌(おうか)する……


 ──────そんなアミナス教国(きょうこく)での幸せな時間は明日、一年に一度の祭事である"降臨祭"の終わりと共に幕を閉じる。



「友達だから……フィルにだけは言おうと思って」

「……?」


 夜風だけが靡(なび)く、静謐(せいひつ)さを保った街の一角には今……レヴィン・トゥローノとフィルビー・マーガレットの二人以外の影はいない。

 貴族の少女が、聖職者の少女を夜に呼び出した理由……それはひとえに以前から固めていた自(・)身(・)の(・)決(・)意(・)を伝えるためだった。

 彼女は軽く息を吸って、今まで誰にも言えなかった自身の想いを口にする。










「私、明日……アルスに告白するわ」

「……!!」



 それを受けたフィルビーの目は一瞬見開き、中心の黒曜(こくよう)色の瞳が僅かに揺れた気がした。



「この前、図書館に迎えに来てもらった時は言えなかったんだけど私……アルスのことが好きみたい」

「そう、だったんですね……だからシオンさんにあんな……」

「うん……そんな場合じゃないって頭では分かってる……でも今のままじゃシオンにも悪い気がして、この気持ちにケリを付けなきゃって思ったの」

「……」


 不意に静寂(せいじゃく)が訪れる。

 自身の気持ちを聞いた彼女は今、何を思っているのか──────確かめるべく、レヴィンはかねてより抱いていた疑問を黒い瞳にぶつける。


「……フィルは、いいの?」

「……え?ど、どういう意味ですか……?」

「アルスのこと、好きなんじゃないの?」

「っ!?なんで、そんな急に……」

「だって……前にアルスに抱きついたりしてたから」

「あ、あれは心配して……そ、そもそも私は一応、聖職者ですから」

「……そっか」


 今回彼女を呼んだ本当の目的……それに対する答えは、フィルビー自身の口から否定の言葉が出たことによって一応の終息を迎える。

 旅の道中、やたら彼女のアルスに対する距離が近い事を密(ひそ)かにレヴィンは気にしていたのだが……どうやら思い過ごしだったようだ。



「それなら……私はもう、迷わない」

「レヴィン……じゃあ……」

「うん、どんな結果になったとしても……受け入れるつもり」


 唯一の心配事がなくなったレヴィンは、改めて親友であるフィルビーに明日への決意を口にする。

 幼馴染(おさななじみ)だとか、思い出とか過ごした時間の長さとか……そんなものもう関係ない。

 自分は自分で、一人の女の子として彼にこの気持ちを包み隠さずぶつけるだけだ────────



「そっか……応援、するね」



 ──────だというのに何故だろう。


 それを聞いた彼女の声色は、いつものような明るさが失われていたような……そんな気がした。

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アルス、なんて罪なオトコ……
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