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そもそもここはどこだ?

一面鏡張りの部屋はとても広く、インテリアは壁に張り付いた大きいスピーカー以外は何もない。

ここは何をする場所なんだ……?


思案しながら辺りを見渡していると、急にポコンという音と共に丸っこい文字が浮かんできた。


『サバイバル参加者募集終了まで残り1週間!』


……は? 参加者募集とかあんの? サバイバルに?

ジャングルとか無人島とかそういうことだろ? 拉致されるイメージだったけど挙手制だったのか、アレ。


なるほどな、と納得しているとポコンという音と共にまた画面が現れた。


『緊急ミッション!生き残るためにどちらか一つを選んでね』


▷ボーカルの特訓

 ダンスの特訓


生き残るために? サバイバルで? サバイバルで生き残るって殺し合いとかそういう系だよな?

歌かダンス、片方しか選べないって心許なさすぎるだろ。

命乞いをする時にどっち選ぶかってことか?


うーん、今の俺の状態がわからないから何を伸ばすべきかわからないな。

ステータスとか見れれば良いんだけど。


「ステータス画面……なんちゃって」


いや、ちょっと言ってみただけだし。よくわかんらんポップアップ画面出てきてるから見れるんじゃねとか思っただけだし。


なんて誰に向けてかもわからない言い訳をしていると、急に青色の画面がポコンと音を立てて現れた。

本当に見れるのかよ。



名前 クロサキ ユウ(18)


歌唱   C

ラップ  D+

ダンス  E +

ビジュアル C− 

センス  D+

運    B−


スキル

・なし



18歳? 若いな。まだ生まれたばっかりじゃないか。

そしてクロサキ ユウか。やっぱり元の俺ではないみたいだな。だって俺の名前は……あれ、俺の名前ってなんだったっけ。

忘れていってる…?ただ、クロサキユウ。この名前、聞き覚えがある気がする。というかこれが俺の本来の名前だったような……。

まさか記憶が融合されている?

その証拠に、さっきまではここがどこかもわからなかったのに今ではなんとなく思い出せる。

ここは母さんが所有しているビルにあるダンススタジオの一室だ。え、親経営者なのか?ビルを所有……?

……ちょっとくらっとしてしまった。

いや、まずはサバイバルでの命乞いを考えるべきだな。もう死ぬのはごめんだ。


うーん、ステータスを見るに今の俺は歌がC、ダンスが……E+!? まさかド下手くそってことか?

いやいやまさか、だって体育の成績はいつも5だったし、運動神経だって悪くなかった。もちろん、それはクロサキユウではなく社会人をしていた俺だけど。


……いや、考えていても仕方がない。一旦踊ってみるか。小学生の時に学芸会で踊ったことがあるアイドルの曲にしよう。それしか覚えてないしな。


確か、手を挙げて上半身をくねらせて……


…? ……?


昔の記憶すぎてうろ覚えだからか?

足を前に出して……あれ?


なるほど。全面が鏡張りだから、踊っている自分がよく見える。

これは……盆踊りだ。どこからどう見ても夏祭りに欠かせないあれだ。

なんていうか、うん。正直言ってダサい。ダサすぎる。

これがダンスE+か。正直舐めていた。

どうにか頑張っても速度を変えることしかできない。ただの高速盆踊りだ。

これじゃ命乞いどころか煽ってるみたいになりそう。


どうせ歌がダンスどっちかしか選べないなら歌の方が良いかもな。とてつもなく上手なアメイジンググレイスあたり歌えば、もしかしたら見逃してくれるかもしれないし。



▶︎ボーカルの特訓

 ダンスの特訓


・・・ボーカルの特訓 が始まった


終了条件

・カラオケでなんでも良いから1000曲歌おう!


☆サブミッション

 ・ビジュアルを上げる

  →終了条件:スキンケア、筋トレ(腹筋100回)、髪のケアを1ヶ月続ける



あれ、なんか勝手にサブミッションまで追加された。筋トレは生き残るために良いとしてスキンケアと髪のケアってどういうことだ……?

首を傾げているとポコンと画面が現れた。


『終了条件を達成できなければ全てが強制終了となります。』


え?ということは……。


『強制終了になれば凄惨な死が訪れます。必ず達成しましょう。』


そんな殺生な。そしてアイドルはいつ出てくるんだよ。

サバイバルで生き残ればその肉体美でアイドルにってことか……?

うーん、謎は深まるばかりだ。とりあえずこのビルにあるみたいだしカラオケ行くか。

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