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この作品には 〔ボーイズラブ要素〕が含まれています。

登山×田中

作者: 瀬戸
掲載日:2022/10/08



「ねぇ、どうせ俺もただのお気に入りなんでしょ。」



✽✽



寂しい。この穴をだれかに埋めてほしい。


そう思ってすがった人達は皆優しくて。

甘えて、気を紛らわして、安心する。

一人じゃないということに安堵を覚え、常に人肌を求めては、友を傍に置いて。


ほとんどの人が俺を助けてくれた。

横にいてと言えば横にいてくれた。

だけど君だけは違ったね。

なぜだろう。俺が一番欲しいのは君だっていうのに。

いつも君だけ、振り向いてくれないんだ。


✽✽


本命side


特別だと思える人ができた。

でも君はいろんな人から好かれていて。

俺から手の届く存在じゃないんだって

いつも言い訳して逃げてきた。

俺も君の中では所詮ただのお気に入りなんだって

思えば思うほど辛くなって。

いつも君に対して、素直になれない。


✽✽


君が気になって仕方ないんだ。

いつも気づけば目で追っている。

誰よりも君を知ってる自身があるよ。

長いサラサラした髪の間から見える目が、

すっごく綺麗で見惚れてしまう。

君に対しての気持ちが溢れてしまう。

今日、君に伝えようと思う。



「昴、好きだよ。」



✽✽


少し頬を赤らめた登山。

ムカついた。

なぜだろう。

好きな人に告白されたっていうのに

全く嬉しくない。


「ねぇ、どうせ俺もただのお気に入りなんでしょ。」


俺は本気で好きなんだ。

遊びなら、振ってやる。


✽✽


「違うっ!!俺が本当に好きなのは!!」


全て言い終わる前に昴は走り出した。


「待って、待って!!」


必死に追いかけるが、見失ってしまった。

あぁぁ、なんで、こうなるんだ。

君だけは、振り向いてくれないのか。

こんなにも、俺は寂しいんだろう。


いつもいつも、俺が本気で好きな人にだけ

振り向いてもらえない。


あぁ寂しい。寂しい寂しい寂しい。

また、心に穴が空いていく。

これからもまた、誰かに縋って。


この穴を埋めてもらう、つもりだったのに。


なぜだろう。


ねぇ、昴。

あの日から

何を食べても、味がしないんだ。



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