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転校から始まる支援強化魔術師の成り上がり  作者: 椿紅颯
第三章

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第16話『視認、ソルジャーラット』

 モンスターを掃討して進んだ先には、休憩できそうな草原広場があった。

 広場といってもそこまで広大というわけでわなく、教室半分ぐらいの広さ。


「予定通り僕が偵察に行ってくるね。みんなはその間に休憩してて」

「なあ、やっぱり俺が付いていったほうがいいんじゃないのか?」


 先ほど話し合った内容に、康太こうたは苦言を呈してきている。

 言いたいことはわかるけど、この状況では仕方がない。

 残り時間の見えない戦い。流れるような連携に効率のいい戦い方だとしても、このまま連続して戦闘を続けてしまえば消耗が激しすぎる。

 せっかく休める場所が見つかったんだ、休息は必要。

 それに、一番労力の少ない僕が偵察に行くぐらいならなにも問題ない。


「いいって、時間も惜しいし行ってくるね」

「やっぱり、ちょーっと待ったー!」


 横槍を差しをしたのは守結まゆだった。


「急にどうしたの」

「はーい、私一緒に行きまーす」

「じゃあ僕も――」

「おーっと桐吾くん、それはいけませーんっ」


 桐吾は、立ち上がるのを制止され申立を横暴にも拒否された。

 この場の全員が理解に苦しむ状況のなか、守結は言葉を続ける。


「ここは、私たち姉弟きょうだいに任せておきなさーい」

「は、はあ……」

「みんなごめんね。こうなったら、曲げないタイプの人だから何か言いたいと思うけど諦めて。時間も惜しいし――じゃあ行ってくるね」


 若干強引ではあるけど時間が惜しい。

 時間短縮のためにも、先を急ごう――


 ――足を進めて数分。

 草木が生い茂ったエリアへと到着した。

 身を隠す場所が少ないため、僕たちは姿勢を低くしてゆっくりと草木の影を移動。


「なんかさ、こういうの久しぶりだよね」

「小さい頃に家のなかを探索してたときのこととか?」

「そうそう、あのときは家がすっごく大きく感じたよねー。今の状況にそっくり」


 のっそりのっそりと進むなか、ひそひそと話しながら守結の横顔は無邪気な笑みを浮かべている。

 小さい頃に住んでいた家も、今と変わらずの大きさで家を歩き回った。ただの散歩ではなく、幼い僕たちの小さな足ではちょっとした冒険だった。

 たしかあのときも、理由なく姿勢を低くして物陰に隠れながら移動していたような記憶がある。

 懐かしい思い出に浸っていると、


「ねえねえ、あれって――」


 声を一段と小さくした守結は、足を止めて前方を指を差している。

 その先に目線を向けると、あるモンスターがいた。


 エリアボス、ソルジャーラット。

 ぱっと見ただけでは、先ほど戦ったランス・ソードラットと大差なく、灰色の体毛で全身を覆い、その上からでも分かるほどの隆起した筋肉。

 だけどそれらと違うのは、まず一つにその体格。先ほどのやつらよりは高いけど、僕たちと同じかそれより少し小さいぐらい。

 最後に装備。今までのラットと違って盾と防具を装備している。さらに腰に鞘を携えて、直剣を扱う。


 エリアボスとは、簡単に言ってしまえばその種族の長。

 役職的なものであり、基本的には同じ種族同士であれば連携をとるという。

 それに、常駐モンスターと違って個性のようなものが観測されていて、別種族とならば闘争的になることもあるそうだ。

 そして、極め付きは学習能力。

 エリアボスは、戦闘中に相手の傾向を学習――反応を示し、ダンジョンであれば要注意な存在となっている。


「あれ、私たちで倒せるかな?」

「どうだろう……」


 相手を凝視しながら思考を巡らせる。

 初見の相手ではあるけど、人数だけでなら問題はないはず。

 次に編成。前衛3人に後衛4人、内――盾役1人に攻撃役2人と支援2人に攻撃役2人。かなりバランスも良く問題点もない――


「うーん、戦ったこともないし、明らかに強そうだからやっぱり無理かなぁ」

「いや、大丈夫だと思うよ……うん、僕たちならいける」

「ほほーう。よーし、いっちょやっちゃおっか」

「早速戻って相談だね」


 満面の笑みで右拳を小さくこちらに突き出す守結に、それに応えて拳を合わせてみんなの元に向かった。

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