コント「センタッキー・フライドチキン」

客「フライドチキンの店が新しく出来てる。入ってみよう。おおっ、店員の女の子も可愛いじゃん」

店員「いらっしゃいませこんにちは～！　センタッキーフライドチキンへようこそ！」

客「ええなにそのもじり、すっげえまずそうじゃん。変な店来ちゃったなあ」

店員「当店では揚げたてのフライドチキンを洗濯槽で丸洗いしてご提供しております」

客「台無しだな？　名前通りなのかよ」

店員「フライドチキンとご一緒にお客様の衣服を洗うサービスもしておりますが、いかがですか？」

客「頼むと思うか？　余計汚れるだろ」

店員「我が社の独自開発した洗剤なら、山盛りのフライドチキンと一緒に洗っても完璧に衣服の油汚れを落としきりますが」

客「いやすげえな？　素直にクリーニング屋とかやったら？　帰ります」

店員「あ～待ってください！　お客さん全然来なくて困ってるんです～！　人生初バイトの私に成功体験をください！」

客「その上昇志向は買おう。じゃあチキン洗わないで普通に出してくれるならいいよ」

店員「えっいいんですか！？　油で揚げてるから、ちゃんと洗濯しないと油っこいですよ？」

客「フライドチキンだからね！　そんなに油落としたいなら何故一度フライにした？　しかも洗濯槽なんて不衛生でしょ、"カビとかわいてそうじゃん"」

店員「えっ？　『学びとはワイキキビーチにありそうじゃん』、ですか？」

客「いや言ってねえよどんな耳してんだ。何そのパリピの哲学みたいな台詞」

店員「ジェームズ木下の言葉ですね。てっきりお客様もジェームズのファンなのかと」

客「何その胡散臭そうなヤツ。もういいからチキン一つ、洗いとかナシでね」

店員「かしこまりました。揚げ鳥、エルチキ、ファミチキの3タイプございますが、どちらになさいますか？」

客「それ全部コンビニ大手三社の似たようなチキン！　平然と転売すんなよせめて名前は変えとけ？」

店員「いえ、こちらで再度揚げ直しておりますので」

客「いやそこの問題じゃねーよ。『いえ』ってなんだ、よくそれで大丈夫と思ってんな。アンタさっきから常識無さすぎて怖いよ」

店員「サイズはS、M、プレイとなっておりますが」

客「今度は随分とベタなボケだな？　じゃあMサイズで。コンビニのチキンにサイズとかないけど」

店員「この気色悪い豚野郎ッ！　豚の癖に冷たい飲み物が欲しいのかッ！？」

客「まあ実際にMなのでありがとうございます。コーラで」

店員「"こーらっ"、カロリーの摂りすぎは身体によくないよ？　お茶にしておこうね」

客「多種多様なプレイでもてなしてくるなよ。ちゃんと客に選ばせろ」

店員「ご一緒にポタラはいかがですか？」

客「ポテトだろ。それ悟空とベジータがフュージョンするためのピアスじゃん、誰とフュージョンさせるつもりだよ」

店員「その……私とお揃いのピアスって、いやですか？(もじもじしながら上目遣い)」

客「可愛いかよ。絶対つけるわ」

店員「ふふっ、冗談ですよぉ。実際に私と合体できます、性的な意味で」

客「前後、逆じゃない？　現実の方が冗談余裕で超えちゃってんだわ。それもう完全にエロい店じゃねーか」

店員「こちらファストフード店に偽装したエロいお店ですが？」

客「完全にアウトの店じゃねーか！　余計な偽装しやがって、まさかぼったくる気か？」

店員「私との合体セットで500円になります」

客「安すぎだろ、もっと自分を大切にしろ？　ちょっと責任者出せよ、色々と注意するわ」

店員「店長のジェームズ木下はワイキキに出張中です」

客「ジェームズ木下伏線だったのかよ。アンタそいつに騙されてるよ、よかったらバイト紹介するけど？」

店員「どんなお仕事なんです？」

客「この俺ピエール中村が経営する、フレッシュネス・ガールズバーって店なんだが――」

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