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蝶の憂鬱  作者: 佐分利
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出会い①

大学生活に夢と希望を持って、私は奈良県にある私立輩米大学の4回生。


夢と希望だらけだったはずなのに、彼氏も何もできないまま4回生になってしまった。

この4年間で手に入れたものといえば年齢と単位と退屈だけだった。


しかし退屈だからといって、無駄に毎日を過ごすわけにもいかなかった。


「説明会いった?」

「面接くそむずいわ」

「spiできねぇわ」


こんな会話がここ最近、私の周りではずーっと聴こえてくる。そう4回生の最大のイベント就職活動!!


私の周りで聞こえるといっても、私には友達がいない。それぐらい学校中が就活の話題ばかりということだ。


友達のいない私は勿論、就活はうまくいっていなかった。

昔から受験やら就活は集団戦と言われるだけあって、ソロプレイで挑むことは死を意味する。

以前にも就活アドバイザーにも1人でやることは無謀だと言われてしまったが、無謀だと言われるほど、やってやる!という気持ちになる私にとってはそのアドバイスは逆効果だったと思う。


一体なんのためのアドバイザーなんだろうか。


結果、気持ちとは裏腹に私は就活に惨敗中というわけです。


意地になっている場合じゃないと思っていても、意地にならなくてもいい人が私の前には現れない。


露頭に迷うホームレスのように、どうひようかフラフラ学校内を歩き回っていると、いつの間にか図書館に辿り着いていた。


どうして図書館に辿り着いたのか、今になって考えると一つの運命だったのかもしれない。


図書館の学習スペースで企業研究をしようと席を探している時に、私はすごく1人の男性に惹きつけられてしまった。



窓際に1人座っている男性。

私は彼を知っている。


彼は私と同じゼミに所属する宇場拓哉。

いつも1人でミステリアスな立ち位置の人だ。


彼の独特な雰囲気に惹きつけられた私は彼に話しかけていた。


「ね、ねぇ。宇場君だよね...」


彼は、驚いた様子も何もなく、私をただ見つめていた。

「君、誰だっけ?まぁ、いっか...何?」


私は彼の返答にひどく困惑した。

何も考えずに話しかけたこともあって、次にどんな話題すればいいのか全く考えていなかった。


「え、えーっと、そう!そう!就活の相談にのってほしくて!」


やってしまった。

そんな絶望感が私の胸を支配する。

絶対に変な顔をされて、遠回しに断られるに決まっている。


特に好きでもない男に振られたような気分になるのは嫌だ。



彼は就活の相談の依頼を聞いた時、少し驚いた様子だったが、すぐに冷静な顔に戻って口を開いた。


「...いいよ。」



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