No.4 能力・確認
俺は目の前に現れているステータス表を凝視していた。自分の能力を見定めるためだ。
俺の能力ではあるはずだから何かしら使えるものはあるはずだ。
まず〈能〉の所が気になったので トンッ とタップしてみた。すると画面が開き、能力一覧が出てきた。そこにはこう書かれていた。
〈能〉
〈ノーマル〉
――――
〈エクストラ〉
――――
〈ERROR〉
1.歌唱魔法
2.導化師
3.システムウィンドウ
4.100の魂
5.愚鈍の王
6.双霊鎌召喚
7.大罪魔法
8.大幸運〈常時発動〉
と書かれていた。
まずは歌唱魔法。なかなか良さそうな効果もあった……が現状を打破出来そうなものはなかった。
それに、まだ歌唱魔法の説明を見ても不明な箇所が多く躊躇っているというのもある。
次にシステムウィンドウ。これからは分かりやすく〈窓〉とでも呼ぼう。
これは一種のゲーム画面みたいなもので、物体の説明や人物名などをAR表示出来たり、窓の色や表示設定が出来るようだ。とりあえずいろいろ設定して、使用中の状態にした。
が、打破できる物ではない。
次の100の魂、愚鈍の王、双霊鎌召喚は戦闘スキルのようだ。
だから……改めて、ムリ!!
次の大罪魔法だが、名前からヤバそうに見える。説明を見るとご丁寧に「効果に見合った反動が必要」って書いてある。
つまり“発動させること自体が禁忌であり大きな成功を起こすほど反動は大きくなる”と言うことだろう。まあ、あくまでも俺の意見だが。だがリスクがある以上、今は使えない。
次の大幸運は常に働いているようだ。かなり運の良くなるスキルらしい、が余り実感が湧かない。
最後に「導化師」だ。これは恐らく道化師と導師を掛けているのだろう。そして〈称〉で書かれているように“欺き騙す”事に特化したスキルのようだ。
そこで見ると・何と・ありました!!
<偽装>スキルが!!
余談になるがこの導化師スキルはこのスキルを持っているから効果があるのではなく、導化師スキル所持者が元から持っている力をスキル化させ集めた物らしい。
話は戻るがシステムウィンドウの偽装に成功した。
後、システムウィンドウの機能の1つ「ログ」を確認した所、このシステムウィンドウは元々「ステータスウィンドウ」だったらしい。ログにはこう書かれていた。
[ステータスウィンドウの変質を確認. 所有権を:女神から剥奪します. 名称をシステムウィンドウに変更. 所有権を仁導名霧に譲渡します. 全ての無事成功しました]
変質はまだ分かる。恐らく大幸運によって引き起こされたのだろう。だが、その次の[所有権を:女神から剥奪]はヤバいだろ。
まあ、良いか。ともかくこれで無事勇者としては許されないほどの低いステータスのバカが出来上がった。
ちなみに、子供の一般的なステータスはall10くらい、大人はall100くらいらしい。今ステータスウィンドウの「ヘルプ」で調べた。
後はこのステータスをルーフリーに見せるだけだ。
俺はここで緊張の糸が切れたのか深い眠りに落ちて行った