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No.27 到着・王国

2章始まります

 道中ハプニングもあったが目的の場所まで着いた。

 ルセイヤン王国に着いたのだ。ここ最近大きなことが起こりすぎてあの国に召喚された事が昔のことのように感じてしまう。


 俺としては早く観光をしたいが、最初にギルドに行かなければならない。

 ジャミレスさんによると依頼を完了したらまずギルドに報告をしに行くことは決まりだとの事らしい。


 それにジャミレスさんから住むための家を紹介してもらわなければならない。

 この国には拠点の家を置くつもりだ。観光に関してはそう焦らなくてもいい。


 また、ギルドの場所を知らないので(もちろんマップで調べればすぐに分かるが)彼女に案内してもらう。


 ジャミレスさんはこの辺で有名なようでギルドへ向かうため大通りを歩いていると「おい!! ジャミレスが帰ってきたぞ~」「おかえりー」「今度はいつまで居られるんだ」とよく声を掛けられている。

 中には「そいつは次の交渉相手か? 商談先でまた相手を見つけて来るなんて〈守銭奴〉の名に恥じねぇ働きだな!」とも言われていた。


「さっきから周りで守銭奴と言われているが何のことなんだ?」


「それ私の二つ名なのよ。その呼ばれ方は甚だ不本意なんだけどね。二つ名は有名になったら付けられることがあるの。私の場合は行く先行く先で商談相手を見つけてくるからどんな時でも利益を優先するみたいなイメージから来てるみたい」

「ピッタリじゃないか、その二つ名。現に俺も商談先の国で見つけてきたんだろ。二つ名とかそういうのは付けられてみたいとは思うな」


 俺は笑いながら言う。

 彼女は少し機嫌が悪そうだったが、二つ名は有名な証らしいので嬉しそうでもある。

 確かに結構複雑な心境なんだろうな。


 彼女とこんな軽い話をしていると、あっという間にギルドに到着した。とは言いつつも一時間ほど時間はかかっている。

 どうやら国の中心部にあるらしい。


 受付まで行くと、定型文かどうなのかは知らないが「ようこそ、冒険者ギルドへ! どうかなされましたか?」とだけ言われた後、ジャミレスさんと受付嬢が着々と話し始める。

 その顔はいたって真面目で、推測だが俺をC級に引き上げるための手続きをしているのだろう。


 暫く待っていると、直ぐに試験を受けられるようなので別室に移動して記述試験を受ける。

 試験はホントに筆記だけを10分だけ受けて終了した。


 ギルドカードは一時預かりになり、代わりになるカードを受け取る。3日後には更新が完了するようだ。




 さて、ギルドでの用事も終わったことだし新しく購入した家に案内してもらうか。(こっちは検索のしようがなくマップにも表示されていないので)ジャミレスさんに付いていく。


 マップを見てみるとこの国は二重円構造で、ドーナツ上になっている所が4つに分かれている。

 方角で言うと北が貴族街、南が一般街、東が商業街、西が生産街となっている。そして中心にギルドと役所などの公共機関、それぞれの街をへと続く道路が繋がっている。


 俺が買った家はこの中の一般街に位置するらしい。

 詳しく聞いていくと、もと居た住人は貴族だったらしい。それも相当な変わり種の。

 家に居ると思えばすぐ魔物と闘うために魔境へ直行。帰ってきたと思ったら死にかけの満身創痍。傷が治ったと思ったら街中でお金を使いまくって経済を潤し……また出掛ける。


 街のムードメーカー的存在で、下手な平民より平民として馴染んでいた貴族らしい。




 ギルドから家までそこまで距離は無かったようで、この話を聞き終える時には目的地に着いていた。


 まず人目見た感想は「大きいな、この家」だろう。

 家の庭の範囲も合わせると、縦横1キロメートルは下らないんじゃないか?


 あ、プロブランとラブリアルが青くなってる。

 家の管理に関しては程々にやってくれれば良い。予定表のようなものを作って渡した方が安心できるかもしれないな。



 何だかんだ言っていても始まらない。取り敢えず上がってみるか。


 マップで確認すると、この家は5階建てだ。

 庭が敷地の大半を占めている。しかし、それでも大きい。


「どう? この屋敷。一般街にあるから貴族の買い手もいないし、平民はお金が相当にかかるから買えないのよ。ここで良いかしら? これは見取り図ね」


 ジャミレスさんがこの屋敷の見取り図を手渡してきた。()()()()()()()()()それを眺めながら返事を返す。


「ああ、ここにさせてもらうよ。面白そうなものもありそうだしな」

「面白そう?」

「こっちの話だ。気にしないでくれ」


 今回の依頼の報酬で支払ったことになっているので、今日からここに住んでも良いらしい。


 ……ひとまずやれることはやったか。

 ベッドのある寝室に移動し横になる。そして、久しぶりのベッドで目を静かに閉じた。

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