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導化師は我が道を行く  作者: 錆腐短杖
異世界への旅立ち
23/54

No.20 譲渡・道具

 こうして、俺たちはジャミレスさんの馬車に無事追い付いた。まあ、この無事は肉体的に無事って意味だが。

 とりあえずジャミレスさんに事情を話し、ぐったりとしている5人を入れてもらおう。


 5人より先にジャミレスさんの馬車に到着し、失礼の無いようにノックだけはして呼び掛ける。

 しかし、マップでジャミレスさんが居るのは確認済みだ。

 今はあまり関係無いが無差別に他人のステータスは閲覧しないように設定している。

 何故なら、俺が求めているのはあくまでもこの世界で楽しく生きることだ。力を無闇矢鱈にあつめる事ではない。



「ジャミレスさん、いますか。用事から帰ってきました」


 すると数瞬後、ドタバタと足音が聞こえる。あ、結構走ってくるのが速いな。このままだとぶつか‥


 ガチャ、ゴンッ!


 ‥ってしまった。

 急いで後ろに下がったが手に持った木の箱を庇ったせいで間に合わなかったな。俺の頭とぶつかったドアが少し変形してしまった。

 すぐさま取得したての〈ループ〉を使用してドアを戻す。これで壊れた物は直った。


 しかし、俺がぶつかってしまった事象は変わりないわけで。


「大丈夫? ごめんなさいね」


 すぐさま謝ってくれるのは嬉しいんだが、それならもう少し気を付けて欲しかった。



 ここで時間を食っても意味がないな。さらっと流して本題を伝えておくか。


「あはは、大丈夫。この仕事やってたら、これくらいの衝撃はザラだろうし。ところで、俺たちが借りてる馬車に5人ほど乗せてもいいか?」

「……その五人はどこで会ったの?」

「全員、捕らえられていたんだ。俺が引き取ろうと思っている。家を買ったらそこに住ませて、使用人っぽくしてたらおかしくはないだろうしな」

「わかったわ。それと、あとで話があるから来てちょうだい。次に着く国で良いなら、いい物件がいくらかあったはずよ」


 流石商人としてやって来てるだけあって、抜け目がないな。金の臭いがする話にはこれでもかと言うくらいにがっつく。

 まあ、この話は俺にとっても嬉しい限りだ。しっかり了承の意を伝えておく。


「あ、それと向こうで見つけた価値の高そうなものです。こちらも私はいらないので、良ければどうぞ」

 ポケット─ :道具箱に入れてたのを忘れてて急いでポケットに出した─から無骨なデザインのネックレスと、始めから持参していた木の箱を渡す。


 ネックレスは外見は地味だ。しかし、内面は豪華だ。何故なら、このネックレスに〈変装〉と言うスキルが付与されていたからだ。恐らくジャミレスさんなら目敏く気付くだろう。

 余談だが、後で聞いてみたところによれば、道具にスキルを付与するには付与術者がそのスキルに理解が深い必要があるらしい。その為、付与された道具は俺の予想以上に高価なようだ。


 もう1つの木箱は、団長の首が入っている。こちらは報酬金を貰うために必要だったので仕方ないだろう。……あまり、馴れるものではなかったが。



「あら、ありがとう。両方くれるのならいただくわ」

「そうしてくれ。じゃあ、俺は馬車に戻りますね」

「そういえば、お仲間とさっき言ってた5人はどこにいるのかしら?」


 ……おもいっきり忘れてた。実はスグロには俺が戻ってくるまでこの馬車の100mほど後ろを走るようにいってある。


「……今から呼びに行ってくる。5人も疲れているから、ジャミレスさんと会わすのは明日になると思う」

「私の事は気にしないでいいわよ。行ってらっしゃい」



 そういえば、AとB改めプロヴランとラブリアルの紹介も捕らえられていた事にしてしまったな。まあ、ティオールに無理矢理従わされていたんだからあながち間違ってはいないか。


 荷車についてからは2人に説明し、俺たちの借りてる馬車に乗せた。

 馬車が狭すぎて寝るスペースが無かったのは言うまでもない。


 ……強いて言うなら、そのせいで俺が馬車の屋根で寝ることになったくらいだろうか。

〈ループ〉… これぞ能力の無駄遣いですね笑

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