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導化師は我が道を行く  作者: 錆腐短杖
異世界への旅立ち
19/54

No.17 戦闘・団長 2

 静寂に包まれた洞窟の中、俺たちは向かい合っている

 このままだと永遠に続くかと感じられるような静かな時間


 そんな時、口を開いたのはティオールの方だった


「あれがお前の奥の手なんだ?」


「思ったより驚かないんだな」


「こう見えても結構情報通なんだ。俺は見たことないが生き返るスキルを持ってるヤツの話もたまに聞くんだ」


「そうか」


「じゃあ、俺もとっておきを晒すんだ。お前は俺が()()()()()()に値するんだ〈影法師(ドッペルゲンガー)〉〈影渡(カゲワタリ)〉」


 恐らく影魔法の技だな

 名前から考えると、影法師(ドッペルゲンガー)は分身系、影渡(カゲワタリ)は移動系だろうか?


 思考を巡らせていると後ろから……気配


 左手に装備していたガントレットで防御し、攻撃された方向を見る

 そこに見えるのは真っ黒に染まった短剣だ


 ガンレットで短剣を押し返し、右足で回し蹴りを放つ

 しかし、難なく回避された


 俺は回し蹴りの勢いをそのままに左に跳び、一度戦線を離脱し辺りを見回す


 ティオールは俺と向かい合った場所から動いていない

 そして、俺の居た場所付近に()()()()()()がいる


 マップのデータを見ると、どうやらアレが影法師(ドッペルゲンガー)らしい

 ステータスはMPが半分になっている所以外ティオールと全く同一だ


 影ティオール(ドッペルゲンガー)は既に俺に向かってきている



 そろそろ反撃するか


 〈導化師〉の :マジックウェポンを起動する

 創る武器は……アレでいいかな


 白い粒子が集まり、凝縮して一つの剣を形作っていく

 全長1m程度、刀身が鉄紺色、持ち手が銀鼠色の蛇腹剣だ



 蛇腹剣の刀身を伸ばす

 そして、鞭を扱う要領で影ティオール(ドッペルゲンガー)の右肩から左腰まで真っ二つに切り裂く


 しかし、やはり実体はない影と言うべきかHPは減っているがくっついていく


『全てに取り憑きし影よ、不変の盾となれ〈影盾(エイム)〉〈影渡(カゲワタリ)〉』


 流石に接近戦だけでは不利だと感じたのか影ティオール(ドッペルゲンガー)は魔法も織り混ぜてきた

 どうやら影の盾を作り出す魔法のようだ……が障壁にさえならないだろうな

 右手に一つ、左手に一つ作り出している


 てか、MP消費無しかよ?!

 影魔法の時限定だろうが、十分強力だな


 とりあえず先手必勝!!

 蛇腹剣を伸ばしながら突き出し、右手の影盾ごと影ティオール(ドッペルゲンガー)を貫いた


 ……かのように見えた


 俺の頬を一筋の血が流れる



 何が起こった?


 左手の影盾から見えているのは()()()()()()()()

 なるほど、右手の影盾と左手の影盾を〈影渡(カゲワタリ)〉で繋げたのか


 ひとまず蛇腹剣を元の長さに戻し、特殊効果を3つ付与する

 付与したのは<消失>、<出現>、<呪縛>だ


 もう一度蛇腹剣を伸ばしながら突き出す


 影ティオール(ドッペルゲンガー)はまた影渡(カゲワタリ)を使用し蛇腹剣の延長線上に影盾を向ける


 ここまではさっきと同じだ


 俺は影盾に剣先が触れる直前、<消失>と<出現>を発動させる


 消失は影盾に触れる範囲のみ、出現は影盾の向こう側だ


 影ティオールに深々と剣が刺さる

 ここで<呪縛>発動

 効果は文字通り動きを縛るだけだ


 まあ、体が動かなくなり魔法も使えず思考さえ出来なくなる代物だが


 俺は影ティオール(ドッペルゲンガー)に近づく


 貫いた蛇腹剣を勢いよく引き抜く

 徐々に蓄積されたダメージも合わさりHPが0になる


 影ティオール(ドッペルゲンガー)は崩れるように消え去った

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